年初には、SEC(米証券取引委員会)がビットコイン現物ETF承認を発表。直後は予想を超える売買ペースにより価格は急騰と急落を繰り返したものの、現在は反転し、ついに円建て史上最高値となる890万円台に突入しました。そして、このような価格向上が続くことで、ビットコインのユースケースは増加。買い物や食事などのライフスタイル領域、あるいは映画や音楽、安全なビットコインカジノなどのエンターテイメント領域に向けたビットコイン導入が加速することも予想されます。本記事では、市場の主役であるビットコインの最新ニュースをお届けします。
ビットコイン、5万9,000ドル台を突破
1月11日(木)のSECによる現物ETFの承認は大きなトレンドとなりましたが、その後しばらくの間、ビットコインは下落基調でした。しかし、TradingViewのビットコイン/米ドルチャートによると、24時間で4.08%の価格上昇。執筆時点でビットコインは59,000ドルを超え、上昇傾向が続いています。過去最高値の69,000ドル台を目指して勢いが増しているビットコインですが、その要因としては以下の好材料が考えられます。
4月中旬の半減期
約4年ごとに発生するイベントであるビットコインの半減期ですが、次回の半減期は2024年4月中旬に予定されています。半減期では、新たに生成されるビットコインの数が半分に減少。具体的には、ビットコインマイニングにおいて、新しいブロックを生成するための報酬が半減します。
この半減期の主な目的は、インフレを防ぐことにあります。ビットコインの供給量は最大で2,100万BTCに制限されておりますが、半減期はこの上限に達するまで、ビットコインの新規供給量を減らし続けます。そして、ビットコインの新規供給が減少することで、希少価値が高まり、価格が上昇する可能性をもたらします。
このことから、多くの投資家や市場参加者はまもなく半減期を迎えるビットコインに高い期待感を持ち、市場のセンチメントは向上。足元の投資の流入を促しています。
ロスカット
ビットコインの価格急騰の理由の1つとして「ロスカット」が挙げられます。これは、特にレバレッジ取引を行う投資家に関連します。レバレッジ取引では、相場の変動により証拠金維持率が一定の水準を下回ると、ポジションが強制的に決済される「ロスカット」が発生。
この現象が大規模に起こると、市場に急激な価格変動が生じるとされ、現状におけるビットコイン急騰の要因となっています。
ショートカバー
「ロスカット」に加えて、今日のようにビットコインの価格が上昇すると、空売り(ショート)ポジションを持つ投資家が損失を抑えるために、ポジションを解消する必要があります。これを背景とし、さらなるビットコインの購入が行われ、価格上昇に繋がります。
このような状況を「ショートカバー」と呼び、今回のビットコイン急騰の原因の1つであると指摘できます。
上記の複数要因をベースとして、過去最高値を目掛けてビットコインがどこまで突き抜けていくのか、引き続き注目が集まります。
マイクロストラテジー、3,000BTCを追加購入
ビジネスインテリジェンス企業であるアメリカのマイクロストラテジーが、2月15日(木)から2月25日(日)にかけて約3,000BTCを追加購入したことを発表しました。その結果、同社のビットコインへの投資は、46億5,000万ドルの含み益を達成しています。
この状況を受けて、投資銀行のベンチマークはマイクロストラテジーを格上げ。レーティングを「買い」に修正し、目標株価を990ドルと評価しています。また、ベンチマークはまもなく半減期を迎えるビットコインのさらなる価格高騰を予測していることを背景に、マイクロストラテジーの株価が2025年末に12万5,000ドルに達すると想定しています。
なお、執筆時点でのマイクロストラテジー株価は965ドルに落ち着いています。
イーサリアムの「デンクン」、ビットコイン価格に好影響
イーサリアムの大型アップグレード「デンクン」のメインネットが、3月13日(水)にローンチされることが明らかになりました。
2023年4月12日(水)に実施された「シャペラ」以来の最大のアップグレードである「デンクン」。これにより、Layer 2ネットワークがイーサリアムメインネットのデータをより効率的に保存できるようにし、ロールアップトランザクションのコストを最大10倍削減する可能性があります。そして、その結果ガス代の低減とトランザクション速度の向上が期待され、イーサリアムの利用者拡大が見込まれています。
現在、多くの市場アナリストは「デンクン」アップグレードによってイーサリアムの将来に強気であると予測。そして、この楽観的な見方は、暗号資産市場全体に強気な傾向をもたらし、ビットコインの価格にも肯定的な影響を与える可能性が考えられます。
メルカリ、ビットコイン決済機能を導入
日本最大級のフリマアプリを提供するメルカリの子会社であるメルコインは、2月15日(木)よりメルカリアプリ内におけるビットコイン決済機能の提供を開始しました。
メルカリは昨年3月から、すでにアプリ内でビットコイン取引サービスを提供しており、開始7か月で口座開設数は100万以上に到達。MMD研究所の調査によると「2023年に利用開始された暗号資産取引サービス」で1位となるとのことです。
今回のビットコイン決済機能の導入により、利用者のシームレスな購買体験が実現。また、暗号資産に馴染みのない利用者を想定し、ユーザーエクスペリエンスも改善。売上金を使ったビットコインの購入や、ビットコイン売却によるメルペイ残高の追加など、投資を兼ねた取り扱いしやすい新たな支払い方法が提供されることになります。