引用: Pixabay
1968年12月10日に東京都府中市で発生した窃盗事件のことを、3億円事件と言います。
のちにも同じような3億円事件が発生したため、府中市で発生した3億円事件は区別するために府中3億円事件とも呼ばれます。
府中3億円事件は警察による懸命な捜査が続けられましたが、犯人が捕まらないまま1975年12月10日に時効が成立し未解決事件となりました。
あたかも演劇の一部であるかのような犯罪は今だに多くの人に語り継がれ、個人的に調査を続けている方もいるようです。さらに、怪我人や死者が直接的に1人も出なかったため3億円事件の犯人をヒーロー化する動きもあり、3億円事件を題材にしたドラマや映画はいまだに多く作られています。
3億円事件がどのような事件だったのか、詳しく見ていきましょう。
府中3億円事件の全概要!
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ここからは府中3億円事件がどんな事件だったのか詳しく見ていきたいと思います。
【1】事件発生の4日前に銀行に脅迫文書が届く!『爆破する』
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1968年12月6日、府中3億円事件が起きる4日前にターゲットとなる銀行の支店長宛を脅迫する文書が届きました。
この脅迫文書の内容は、『翌日の7日午後5時までに指定の場所に300万円を女性銀行員に持ってこさせないと支店長宅を爆破する』というものでした。
もちろん、この脅迫文書を受けて警察が出動し、7日は警察官が約50名周辺に張り込みました。しかし、犯人は現れませんでした。
【2】事件発生!3億円がニセの白バイ隊員に奪われる!
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1975年12月10日の午前9時30分ごろ、現金輸送車が府中刑務所裏を通りかかります。
この現金輸送車に乗っていた現金はおよそ3億円で、のちに3億円事件と言われる由来となります。
現金輸送車は日本信託銀行国分寺支店から東京芝浦電気府中工場へと、工場の雇用者のお給料およそ3億円の現金が入ったトランク3個を輸送中でした。
そこへ、白バイ隊員に変装した犯人が3億円を運ぶ車を追いかけて、現金輸送車の前をふさぐようにして停車したのです。
現金輸送車の運転手は不審に思い、窓を開けて白バイ隊員に『何かあったのか』と聞くと、白バイ隊員に変装した犯人は『巣鴨支店長宅が爆破され、この輸送車にダイナマイトが仕掛けられているという連絡があった』ということを話し調べさせるように言います。
それから、白バイ隊員に扮した3億円事件の犯人は現金輸送車の車体下周りを捜索し始めたのです。
この白バイ隊員に扮した犯人は迫真の演技を見せます。それだけでなく、3億円事件が発生する4日前には銀行に脅迫文書が届いていて『支店長宅を爆破する』と予告があったことも知っていたため銀行員たちは雰囲気にのまれてしまったのです。
白バイ隊員に扮した犯人は、車の下に潜り込んでダイナマイトを捜すふりをします。そして、犯人は隠し持っていた発炎筒に火をつけたのです。
犯人は叫びます。『爆発するぞ!早く逃げろ!』
銀行員たちに疑う余地はなく、その場を慌てて避難しました。犯人は銀行員たちがその場から去った後に多額のお金が積まれた車を運転し、白バイを残したままでその場から逃げ失せたのです。
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現金輸送車から逃げた銀行員は、白バイに乗った警察官(犯人)がダイナマイトが爆発して多数の一般人が命を落とすというリスクから自分達を守るために現金輸送車をその場から退避させたと思っていました。そのため、警察官のことを『勇気がある人』と考えていたのです。
しかし、犯人が火をつけた発炎筒が自然鎮火し現場に戻ると、白バイがニセモノだと気づきます。
そのため、白バイに乗った警察官だと思っていた勇敢な人物はニセモノで、3億円が入った現金輸送車が奪われてしまったことに気づいたのです。
【4】事件発生から20分後に緊急配備!検問を行うも犯人見つからず
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事件が起きてからおよそ20分後、東京都全域に緊急配備が敷かれました。
警視庁は要所で検問を実施したため、犯人はすぐに捕まるものと思われました。
しかし、当日中に犯人を逮捕することはできませんでした。
【5】警察は犯人が車を乗り移ることを想定していなかった
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3億円事件の犯人は、相当綿密に計画をしていたことが分かっています。
府中刑務所裏の3億円強奪事件が起きた路上には遺留品としてニセモノの白バイが残り、東京都国分寺市の国分寺史跡七重の塔近くの本多家墓地の入口には現金輸送車であった車が残されていました。
3億円事件の犯人は、ここであらかじめ準備しておいた車に乗り移ったと思われていますが、警察は犯人がそういったことをするということを考えていなかったのです
そして、犯人が乗り移ったと思われる車は盗まれたもので、4ヶ月後に府中市の空き地で発見されます。
犯人が乗り移ったと思われる車は11月30日〜12月1日に盗まれたことが分かっています。
現場には車だけでなく、空っぽのジュラルミンケースも残されていました。このジュラルミンケースには泥が付着していたため、精密検査されることとなりました。
警視庁科学検査所の鑑定結果によると、この泥は現場から4kmの地点にある国分寺市恋ヶ窪の雑木林の土壌と似ていることが分かりました。
そのため、恋ケ窪付近に巣窟があると見て警察は徹底的に探しますが、これといった成果は出ませんでした。
【6】遺留品は120点!それでも犯人を特定できず!
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3億円事件の犯人が残していった遺留品は120点もありました。
そのため、最初は警察の中にも『犯人はすぐに検挙できる』と楽観視するムードも漂っていました。
しかし、遺留品は盗まれたものであったり世の中で大量に売られているものだったため、3億円事件の犯人を特定する裏付けには繋がりませんでした。
【7】盗まれた3億円は現在の値打ちでいうと10億円以上!
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府中3億円事件は、被害金額がおよそ3億円のためそのように名付けられました。
しかし、2014年の貨幣の値打ちに直すと消費者物価指数で見れば約3.5倍になっている耐え、約10億円の値打ちに当たると言われています。
さらに、大卒の初任給を手掛かりにするのであれば、3億円事件が起きた当時は大卒初任給は約3万円ほどでした。そのため、2016年の初任給20万円と比較すれば6倍以上となるため、約20億円の値打ちにあたります。
そのほかにも当時の3億円が現在のどれほどの値打ちなのかという議論はありますが、盗まれた貨幣の値打ちにおいては府中3億円事件を超える事件は日本国内においてまだ起きていないという状況です。
【8】怪我人や死者は1人も出ず金銭的損失を負ったものも一人も出ず!
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そして、3億円事件が凄いと言われているのは、わずか3分間の犯行で3億円を奪ってしまったことだけではありません。
3億円事件の犯人は、一人も傷つけることなく3億円を奪ったのです。さらに、犯人によってくすねられた3億円も保険金で穴埋めされたので、3億円事件の翌日にしっかり従業員にお金が支払われました。
では、保険金を支払った保険会社は金銭的損失を負ったのかというとそういうこともなく、その保険会社もまた再保険をかけていたのです。
このため、日本国内には3億円事件によって金銭的損失を負ってしまった人はいなかったと言われています。
謎多き3億円事件!犯人はだれ?
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では、ここからは3億円事件で犯人として疑われた人物や、犯人について分かっていることを見ていきたいと思います。
府中3億円事件が発生する前には、銀行に脅迫状が届いていました。
脅迫状は郵送で送りつけられていたため、切手には犯人が舐めたと思われる唾液がついていました。犯人の血液型はB型と分かっています
また、脅迫状を送った犯人と3億円を奪った犯人が同じ人物であると考えられている理由は、脅迫状に使われていた雑誌の切り貼り文字が発煙筒に使われていた雑誌と完全一致したためです。
立川グループのリーダー格だった未成年S
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立川グループとは3億円事件が起きた当時、立川市で車両窃盗を繰り返した非行少年グループです。
未成年Sは、立川グループを取り締まる立場にありました。
未成年Sが3億円事件と関係がある重大な人物ではないかと容疑をかけられた理由は、未成年Sの友人に逮捕された人物がいたことや未成年Sの父親が白バイ隊員だったことや事件が起きた時のアリバイがなかったことが挙げられています。
ここまで聞くと、間違いなくこの未成年Sが3億円事件の犯人であるような気がしてしまいますが、3億円事件が単独犯だった場合は未成年Sは事件とは無関係だということが分かったのです。
それは、以下のような反証が挙げられているためです。
・未成年Sの血液型はA型だった(脅迫状の切手からは犯人のB型の唾液が検出されている) ・脅迫状の筆跡が未成年Sのものとは異なっている
・脅迫状の投函日であった日に未成年Sは施設にいたため単独犯の場合は脅迫状を送れない
そして、未成年Sは3億円事件から5日後に、なんと自ら命を絶ってしまうのです!
未成年Sは3億円事件5日後の1968年12月15日に自宅で、父親が購入していた青酸カリを使って自ら命を絶ってしまいました。
未成年Sが自ら命を絶ってしまった理由ついてはいまだ不明ですが、未成年Sの仲間は『(未成年Sは)自ら命を絶つということをするような人間ではない』と証言しています。
さらに、青酸カリが包まれた新聞紙にはなぜか未成年Sの父親の指紋しかついていなかったことから、未成年Sが自ら命を絶ったことについて疑問視する意見があります。
未成年Sが自ら命を絶ってから6日後の1968年の12月21日には未成年Sによく似ているモンタージュ写真が公開されましたが、警察はその後未成年Sを事件とは無関係と断定しました。
しかし、未成年Sが3億円事件の重大な人物ではないかと捜査されている間に自ら命を絶ってしまったということはインパクトが強く、ドラマや小説で未成年Sが犯人だったという説が取り上げられるため『3億円事件は警察の息子が犯人だったという説』は多くの人が知ることとなりました。
立川グループのメンバーだった未成年Z
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立川グループのメンバー未成年Zも3億円事件に関わっているのではないかと警察に疑われていました。
未成年Zは、3億円事件後に車を購入し会社経営をしていてお金の流れが随分良くなっていたため警察に疑われました。
しかし、未成年Zの血液型はAB型だったのです。銀行に届いた脅迫状の切手から検出されたB型の唾液とは異なります。
警察は3億円事件の公訴時効寸前の1975年に、未成年Zを一番事件に関係ある人物とするほど未成年Zを調査していたようです。警察は未成年Zを1975年11月に逮捕しますが、これは別の事件での逮捕でした。
結局、未成年Zは3億円事件の時効前に釈放されています。
ニューハーフB
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ニューハーフBは、3億円事件のキーパーソンではないかと疑われていました。捜査中に自ら命を絶った未成年Sと交際があったため疑われることとなります。
ニューハーフBは、未成年Sの事件当日に関する証言をした人物でもあります。しかし、ニューハーフBの証言には曖昧な点が多いため疑われることとなりました。
ニューハーフBは3億円事件から1年後に外国に引越しをし、ゲイバーを開店しています。日本に帰国した際には、日本に自宅マンションだけでなくもう一つマンションを購入、3億円事件から7年後には実家に豪邸を建てるなど明らかにお金の流れが良くなっているため警察はニューハーフBの捜査を進めます。
警察は、ニューハーフBと未成年Sが共犯だったのではと思っていたようです。共犯であれば、未成年Sが施設にいる時にもニューハーフBが脅迫状を銀行に郵送することができますし、その他の色々な謎も納得できると考えたのです。
しかし、警察はニューハーフBは事件とは無関係と断定しました。
ニューハーフBがお金の流れが良くなったのは外国の経済的な後援者がついたためだったらしく、警察はその証言を信じたようです。
府中市に住む運転手C
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府中市に住む運転手Cは、血液型が脅迫状の切手についていた唾液の血液型のB型と一緒だったことやモンタージュ写真の男と似ていたことで事件に関係すると見られるようになりました。
ただ、この運転手Cには3億円事件後も特にお金の流れに変化がなく、脅迫状の筆跡と異なっていることから警察は慎重に調査を進めることになります。
しかし、3億円事件発生から1年後の1969年12月12日に、毎日新聞が運転手Cを犯人だとする記事を発信してしまったのです!警察はこの報道に慌て、運転手Cの逃亡を防ぐ目的で運転手Cを別件で逮捕します
新聞各社も3億円事件の被疑者聴取へと言った記事を発信し、運転手Cの実名まで発信しました。
ただ、運転手Cは記憶違いしていただけで、事件当日に就職面接を受けていたということが発覚したのです。このため、運転手Cは完全に事件とは無関係として警察から釈放されます。
ここからが運転手Cの悲劇の始まりでした。運転手Cは3億円事件の被疑者として逮捕されただけでなく、新聞各社が運転手Cを実名報道しその他の個人情報のほとんどを暴露してしまっていました。
報道によって運転手Cは無職となり一家離散状態になり、3億円事件の意見を求め続けるマスコミ関係者に悩まされます。
そして、ついに2008年9月に運転手Cは自ら命を絶ってしまったと週刊誌によって報道されています。
3億円事件前に逮捕されていた会社役員Q
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会社役員Qは、3億円事件が発生する13年前の1955年に銀行員1人を相棒にして、東京都千代田区にある銀行の現金輸送車を襲うという計画を相棒3人と実行していました。
会社役員Qたちはこの事件によって、すぐに逮捕されました。
しかし、出所後に会社役員Qは刑務所の中で親しくなった友人に『次は1年がかりでもっと大きなことをやる』と話していたのです。さらに、3億円事件発生後に住宅や会社・土地を購入するなどお金の流れが良くなったため、事件と関係がある可能性があるとして捜査されることになります。
ただ、会社役員Qがお金の流れが良くなっていた理由は、不動産会社から法律にのっとって資金の提供を受けていたことが後々判明します。
会社役員Qはその後ハワイに行ってマンションで暮らし、そのままハワイで病気で亡くなったことがわかっています。
日野市に住んでいた3兄弟
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日野市に住んでいた会社を経営する3兄弟も、3億円事件に関係がある可能性があると見られていました。
この会社には大きなガレージ風の物置があったため、警察はニセモノのオートバイを偽装するための塗装がしやすいと睨んでいました。
さらに、3兄弟の次男はオートバイマニアの不良グループに所属していました。
その他の理由からも3兄弟が犯人ではと警察は疑いますが、3兄弟が3億円事件の4日後にお金に困ってお金を借りていたことが判明したため事件とは無関係とみなされました。
不動産会社の社員D
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不動産会社の社員Dは3億円事件当時は32歳でした。
3億円事件前には金に困っていたはずなのに、3億円事件後にお金の流れが急に良くなったことで3億円事件の事件に関係があるとされていました。
さらに、3億円事件が発生した東芝府中に勤務していた経験があるだけでなく、社員Dの姉は東芝府中に12年勤務していることやこの男性社員Dが車の運転が上手いこと・モンタージュ写真の男とよく似ていることから怪しいと警察に睨まれました。
しかし、社員Dは3億円事件当日に検問にひっかかっていたため、現場にいなかったことが分かりました。
3億円事件後にお金の流れが良くなったことも、社員Dが不動産売買でうまくいったからだったいうことがわかり事件とは無関係となりました。
我こそが3億円事件の犯人だと主張する人物たち
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3億円事件の時効が成立すると、『我こそが3億円事件の犯人だ!』と主張する人物が現れるようになりました。
ただ、警察や3億円事件を担当した刑事によると、3億円事件の際に犯人は発炎筒を普通と違う方法で火をつけていたようです。
さらに、犯人しか知らないこととして、ジュラルミンケースに現金やお給料袋の他に『不思議なもの』が入っていたとされています。
この特殊なものが何かは一般市民に発表されていないため、自称3億円事件の犯人がこの不思議なものを言い当てられない限りニセモノでしょう。
3億円事件の陰謀説の真相は?
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実は、3億円事件には陰謀説があります。
3億円事件の犯人は警察の息子だったという説がありますが、それだけでなく3億円事件は警察がわざと起こした事件だったという陰謀説も?詳しく見ていきましょう。
【1】3億円事件は国家の陰謀!?誰も損をしていない不思議な事件
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3億円事件は、先ほどの未成年Sの話でもあったように警察の息子が犯人だった説が有力とされています。
ニセモノの白バイや何台もの車両を使い分けた逃走車など、これだけの手口で行われた犯罪は3億円事件が起きるまで日本では例がありませんでした。
さらに、3億円事件では銃器も刃物も使わずに、たった一人で3億円を盗んだと言われています。
それだけでなく、3億円奪ったにも関わらず被害額は保険で賄われたため損をした人がいなかったことからも、何か裏があると思う人は多いようです。
【2】3億円事件は公安警察によって起こされていた!?
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もう1つの陰謀説は、公安警察犯行説です。
3億円事件当時は、過激派の街頭闘争が吹き荒れており、警視庁からしたら3億円事件の現場である三多摩のアパートに多く住む学生活動家を洗い出したかったと言われています。
そのため、3億円事件をわざと警察によって起こさせて大きな騒動し、3億円事件の犯人としてモンタージュ写真を作成しとともに、ローラー作戦(全室への無差別聞き込み調査)の口実を作ったという陰謀説があります。
実際に3億円事件のための調査として空前絶後の規模のローラー作戦が行われ、3億円事件のために調査した容疑者リストは11万人とも言われていたようです。
3億円事件をベースにした作品も多数!
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3億円事件をベースにした作品は多数あります。
テレビドラマを中心に見ていきましょう。
『悪魔のようなあいつ』
TBSで1975年に放送されたドラマ『悪魔のようなあいつ』は原作が阿久悠さんで主演が沢田研二さんのドラマです。
漫画が原作のドラマで、沢田研二さんが3億円事件の犯人・可門良を演じました。
『Gメン’75』
マッコイ大佐さん(@makkoi_makko)がシェアした投稿 – 2019年 3月月23日午前4時45分PDT
TBSで1977年に放送されたドラマ『Gメン’75』では、第86話の「パリ警視庁の五百円紙幣」と第87話「冬のパリの殺し屋」、さらに第88話「パリ―紺碧海岸 縦断捜査」で3億円事件をモチーフにした事件が扱われています。
『パリ警視庁の五百円紙幣』では、パリで日本人商社マンが暗殺された際に現場からは見つかった五百円紙幣が3億円事件で奪われた紙幣の一部だったことが発覚します。
そして、警視庁の小田切警視とGメンの響圭子刑事、さらに草野刑事が事件解明のためパリへ向かいます。
圭子刑事がパリの下町で3億円事件の容疑者・坂崎を発見し、日本人商社マン殺しの犯人と断定され逮捕される、というあらすじでした。
『実録犯罪史シリーズ 新説・三億円事件』
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1991年にフジテレビで放送されたドラマ『実録犯罪史シリーズ 新説・三億円事件』では、3億円事件に新たな視点や推理が持ち込まれ話題になりました。
織田裕二さん演じる大場誠は、厳格な父親への反発から中学生の頃から荒れ始めて高校は中退していました。大場誠の父親は現職の白バイ警官です。
大場誠は、高校を中退した後はバイクや車の窃盗を繰り返す日々を送っていました。
大場誠は若者たちがよく行くバーに出入りしており、マスターのタカヤと仲良くしていました。そして、ある日タカヤが大場誠に3億円を強奪する3億円事件の提案をしたのです。
しかし、大場誠は捜査本部からマークされることになり白バイ警官の父親共々追い詰められていく、というあらすじです。
『三億円事件〜20世紀最後の謎〜』
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2000年にフジテレビで放送されたドラマ『三億円事件〜20世紀最後の謎〜』では、犯人はアメリカにいたという結末でした。
ドラマ『三億円事件〜20世紀最後の謎〜』は年末特別企画のドラマで、主演がビートたけしさんということもあり大きな話題を呼びました。さらに、長瀬智也さんや松田龍平さん、渡部篤郎も出演しており、本当に豪華な出演者でした。
『三億円事件〜20世紀最後の謎〜』では、渡部篤郎さんが演じるルポライター沢渡が3億円事件の謎を追っていました。
沢渡は3億円事件の犯人がアメリカにいたという、真犯人につながる証拠を入手します。この証拠を手に、沢渡は前々から3億円事件の真犯人と睨んでいたビートたけしさん演じる松田米国在住の実業家・松田に取材を迫ります。
交渉の末、なんとか松田からOKの返事をもらうと、ビートたけしさん演じる松田は重たげに口を開き出し3億円事件の真実を話し始めます。
『時空警察2』
『時空警察2』は日本テレビで2002年に放送されたドラマです。
『時空警察2』では警視庁捜査一課時空班というものが出てきますが、この部署は歴史的事件の真相に迫り真犯人を見つけ出す部署です。
『時空警察2』では3億円事件の真相として、真犯人が警察だったというストーリーになっていました。
『ルパンの消息』
笹石さん(@sasa_stone)がシェアした投稿 – 2017年 3月月2日午前6時48分PST
WOWOWで2008年にドラマ化された『ルパンの消息』は横山秀夫原作のドラマです。
ある日、警視庁に1本のタレコミが入ります。
『15年前に自殺とされた女性教師の墜落死は実は殺人だった』というタレコミで、事件が息を吹き返します。
当時、期末テスト奪取を計画した高校生3人が校舎内に忍び込んでいたということがわかると、戦後最大の謎だった3億円事件までもが絡んでくる、というお話です。
『完全犯罪ミステリースペシャル 新証言!三億円事件・40年目の謎を追え!』
引用: Pixabay
『完全犯罪ミステリースペシャル 新証言!三億円事件・40年目の謎を追え!』はフジテレビで2008年に放送されたドラマです。
このドラマは、実際の3億円事件の捜査の舞台裏をドラマ化したものです。警視庁捜査一課の斉藤勲刑事や昭和の名刑事と言われる平塚八兵衛刑事をメインにしたドラマです。
すべてがドラマで構成されているものではなく、3億円事件の捜査に関わった人物たち・警察関係者の証言も交えて構成されたドラマとなっていました。
『刑事一代 平塚八兵衛の昭和事件史』
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『刑事一代 平塚八兵衛の昭和事件史』第二夜はフジテレビで2009年6に放送されたドラマです。
フジテレビでは前年の『完全犯罪ミステリースペシャル 新証言!三億円事件・40年目の謎を追え!』のドラマでも平塚八兵衛刑事を取り上げていますが、2年連続でドラマ内で平塚八兵衛刑事を取り上げていたようです。
主演は渡辺謙さんでした。
『クロコーチ』
『クロコーチ』はTBSで2013年に放送されたドラマです。
『クロコーチ』は数々の未解決事件に対して1つの仮説を示すことが趣旨のドラマで、その中で3億円事件も扱われました。
主演は長瀬智也さんと剛力彩芽さんです。
『都市伝説の女』
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テレビ朝日で2013年11月に放送された『都市伝説の女』第2シリーズ4話でも3億円事件が取り上げられています。
ドラマの中では3億円事件」が発生した東京府中刑務所裏で、矢島弁護士が刺殺される事件が発生します。
主演は長澤まさみさんです。
『松本清張ドラマスペシャル 三億円事件』
『松本清張ドラマスペシャル 三億円事件』はテレビ朝日で2014年に放送されたドラマです。
主演の田村正和さんがアメリカの保険会社から派遣された日本人調査員・武田秀哉に扮して、時効が成立した3億円事件の謎に挑み犯人に迫るというストーリです。
『モンタージュ 三億円事件奇譚』
『モンタージュ 三億円事件奇譚』は2016年にフジテレビで放送されたドラマです。
野村周平さん演じる軍艦島出身の川崎雄大は、地元の不良だった望月竜が働いているジャズバーで働き始めます。
そしてそのジャズバーの常連客である門脇麦さん演じる女子大生の井上和子と恋に落ちた川崎雄大は、周りから祝福されいずれは二人でジャズ喫茶を開くという夢を抱きます。
しかし、それから約1年後に二人の幸せを引き裂く悲しい事件が起きてしまったのです。
その事件以来、心を閉ざしてしまった雄大は国を変えたいという野心を抱く男を介して、3億円事件の実行犯として動くことになって行きます。
日本最大の強盗事件、3億円事件
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3億円事件についてお話ししてきましたが、いかがだったでしょうか?
戦後の事件で最大の謎と言われる3億円事件は、警察がグルだったという説や国家がわざと3億円事件を起こしたという説など、様々な陰謀説があります。
3億円事件を題材としたドラマも数多くありましたが、フジテレビが一番3億円事件を題材としたスペシャルドラマを製作していました。
3億円事件は、犯人が暴力に訴えず計略だけで強奪に成功しており、怪我をした人や死者は出ませんでした。
それだけでなく、盗まれた3億円は保険金によって補填されたため3億円事件の翌日には無事従業員にボーナスが支給されています。保険金を支払った保険会社も再保険をかけていたため、日本国内に金銭的な損失をこうむった人は出なかったのです。
3億円をたったの3分で奪ってしまったのに、誰一人として傷つけることがなかった3億円事件の犯人を絶賛する声は日に日に高まっていたと言います。
こうしたことから3億円事件の犯人をヒーロー化する動きもありましたが、実際には容疑者候補の未成年Sが謎の自殺を遂げており、さらには一度逮捕されてしまったため実名報道された運転手が2008年に自殺しています。
それだけでなく、3億円事件の捜査の過労によって殉職してしまった警察官が2名いるということもわかっています。
いまだに3億円事件をもとにしたドラマが作られるのは、3億円事件が戦後最大のミステリーと言われているからでしょう。
3億円事件は時効を迎えてしまっていますが、3億円事件に関連して亡くなってしまった方のためにも3億円事件の全貌が明らかになることを願ってやみません。