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ノンポリという言葉を聞いたことはありますか?
もう死語となっている、このノンポリという言葉について、詳しく解説していきます。ノンポリの種類や、ノンポリに関する偏見など説明します。これさえ読めば、ノンポリについてある程度イメージをつかむことができます。
ノンポリの意味(概要)をわかりやすく解説!
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まずは、ノンポリという言葉の意味について詳しく解説していきます。
ノンポリについてのイメージをある程度知ることができます。
ノンポリとは
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ノンポリという言葉を聞いてなんのことか分かる若者はかなり少ないと思います。ノンポリとは、ノンポリティカルという意味です。簡潔に言ってしまえば、政治的関心が低く、政治活動に関与しない人のことを指しています。
現代の若者は政治的な関心が薄いと言われていますが、現代の若者がノンポリであるという声はほとんど聞くことがありません。ノンポリという言葉は現代において完全に死語となっています。そもそも、ノンポリという言葉は1960年代に言われていた言葉なので50年前の言葉なので死語となっているのは当然の結果といえばそうです。
ノンポリは悪いと言われる場面が多いですが、ノンポリは果たして悪いことなのでしょうか。ノンポリはリベラル視点で見た政治的関心が薄い人のことです。そのため、どうしてもノンポリという言葉を使う場面では左翼視点の言葉となってしまいます。
そのため、リベラルから見た政治的争点に対して無関心でも、保守派から見た場合、政治的関心がある人もたくさんいます。
ここではノンポリとは政治的関心が薄かったり、無い人と定義していきます。そのため、ノンポリという言葉に含まれるリベラル的な観点を排除していきます。
政治活動とは
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ノンポリの意味は政治的関心が薄かったりなかったりする人だと書きましたが、それを見分けるのはどこでしょうか。答えは政治行動です。
政治行動と聞いて一番イメージしやすいのは選挙です。選挙で自分の好きな政治家や政党に投票することで自分の意見を政治に反映させることができます。
選挙以外にも政治活動があるのをご存知でしょうか。選挙のほかでイメージしやすいのはデモ活動です。デモ活動はある程度自分たちの考え方が同じ人同士が集まり、ある争点について主張するために行動します。この行動によって一人では弱い声でも多人数によって政治家に届いたり、デモを見た一般人の投票先を変えることができます。
デモや選挙は政治行動の中でも平和的なものです。テロや暴動に関しても政治活動ということができます。自分の政治的な主義主張を持ってそれを実現しようと動いているわけですから、その是非はともかく、テロや暴動も政治行動に入るわけです。
このように、政治行動には様々な種類がありますが、これらの行動を行なっていない人をノンポリとして、ノンポリについて解説していきます。
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ノンポリといいだしたのは1960年代のリベラルです。リベラルというともしかしたらわかりずらいかもしれませんが、ここでいうリベラルとは左翼のこととほぼ同義です。
では、なぜリベラルがノンポリという言葉を作ったのでしょうか。当時のリベラル派は60年体制に対して大きな不満を抱いていました。60年体制とは、安全保障についてはアメリカに任せ、日本は有事の際に備えて自衛隊を保持します。安全保障についてはアメリカに任せている間、日本は経済に力を入れようというものです。この戦後の60年体制があったからこそ、日本は先進国となり、現在の経済規模まで発展したと言えます。
では、なぜリベラル派はこの60年体制に不満を持ったのでしょうか。答えは、その体制を維持するための60年日米安保に対して不満を持っていたからです。この原因として2つ挙げられます。
まず1つ目はアメリカに安全保障を依存している点です。当時、国際情勢は冷戦状態にありました。そんな中、左翼の中で共産主義が一般的で、その共産主義国であるソ連と敵対するアメリカに依存するということはリベラルにとって耐え難いものとなっていました。
そして2つ目は自衛隊の存在です。リベラル派の考え方は基本的に戦争や対立を好みません。そのため、リベラルにとって自衛隊は戦うための軍隊として写ってしまったわけです。
このような点からリベラル派は60年体制に不満を持っていました。そのため、60年安保闘争や学生運動など、リベラル派の政治行動は過激化します。
このように命をかけて政治を良くしようとするリベラルにとって、政治的関心が薄かったりなかったりする人を良く思わなかったのです。一生懸命に日本を良くしようとしているのに、あいつらは何もしてないとなるわけです。
そうして、リベラルの間ではノンポリという言葉が次第に使われるようになっていきました。
ノンポリは3種類存在する?
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一言にノンポリといっても、実は様々な種類が存在します。
今回はノンポリの中でも代表的な3つのノンポリについて説明します。
学生運動に参加しなかった学生
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まず一つ目はノンポリという言葉が生まれた際のノンポリです。
学生の多くはリベラルや60年安保に反対し、それを表すために学生運動を行なっていました。しかし、中には学生運動に参加しなかった学生も存在します。これらの学生は皆ノンポリと呼ばれました。
ノンポリと呼ばれた学生の中にはもちろん、右翼だったり、保守派の学生もいたはずです。これらの学生はもちろん、学生運動を行わないわけですが、政治に関心はあるわけです。関心はあるのにノンポリと呼ぶのは意味的に間違っています。
このような点からも、ノンポリという言葉はリベラルから見たノンポリという意味合いが強く、必ずしも政治的関心に関係していないということがわかります。ノンポリという言葉にはリベラルからの嘲笑だったり小馬鹿にした意味合いが少なからず含まれてしまいます。そのため、ノンポリと呼ばれる人でも政治的関心のある人がいました。
単に学生運動に参加しないというだけでノンポリと呼ばれてしまっていたのです。
政治的関心はあるが、学生運動を嫌った学生
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上に挙げたような、政治的関心はあるが反リベラルの人以外にも、政治的関心はあるものの、ノンポリと呼ばれた人はいました。
それは、過激化していくリベラルに対してついていけなくなった元リベラルです。戦後の反戦という点から、60年前後、日本にはたくさんのリベラル層がいました。しかし、安保闘争や学生運動が日に日に過激化したことで、次第にライトな層が離れていくこととなります。
そして、このライトなリベラル層は特定の党派に属することを嫌いました。つまり、自分は右翼だったり左翼だと明言しないようになっていきました。これらの人たちのことをノンポリの中でも特にノンセクトラジカルと呼ぶようになりました。
ノンセクトラジカルの人が政治的な発言をしなかったために、現代の日本においてあまり若者同士で政治的な発言をすることはなくなったという意見もあります。
ノンセクトラジカルが生まれなければ今でも左翼はもう少し勢いがあったかもしれません。ノンセクトラジカルが生まれたことで左翼の人数は少なくなってしまいました。
無党派の消極的無党派
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まず、無党派には2種類の無党派がいます。
1つ目は積極的無党派です。この積極的無党派は敢えて無党派となっている人のことです。政治的な関心はあるけど、特にどの党も応援せず、その選挙ごとに投票先を選んでいる人のことです。マニフェストや国際政治や周囲の風潮に合わせて投票しています。積極的無党派は日本の中でかなりの数の人数がいます。
積極的無党派に対して、消極的無党派がいます。消極的無党派というのは、政治的な関心の低さから、どの政党も支持していない人のことを指します。政治に関心がなさすぎると政党にも興味がなかったり、選挙すら行かない可能性もあります。そして、この消極的無党派を死語になっていますが、ノンポリと呼ぶこともあります。
積極的無党派とノンポリと呼ばれる消極的無党派が日本では大多数を占めているために、選挙の結果はこの無党派がどこに投票するかで大きく変わるというのが現代日本の政治の現状です。
ノンポリは日和見主義?
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ノンポリは日和見主義という声もありますが、本当に日和見主義なのでしょうか。
そもそも、日和見主義の正しい意味はなんでしょうか。ここではそんな疑問を解決します。
ノンポリの姿勢
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これまでに見てきた通り、ノンポリとは政治的な関心が薄かったりなかったりする人のことを指します。
そのため、政治に対して一歩引いた姿勢で見ています。政治に関して、特に関心が強いわけではないので傍観していることになります。
日和見主義とは
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日和とは天気のことです。そこから日和見という言葉が生まれました。
日和見主義とは、空模様を見ることや、見る人のことが元々の意味です。そこから、戦況を伺って、有利な方につこうという人のことを指すようになりました。
ノンポリは日和見主義ではない
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ノンポリは日和見主義かどうかという話題がたまに議題に上がりますが、ノンポリは日和見主義とは言い切ることができません。
日和見主義とは、有利な方につくために状況を見ていることを指します。それに対して、ノンポリ は政治的な関心が薄いため、そもそも政治の状況を気にかけていません。
ノンポリは無関心で、日和見主義は関心があって観察していることなので、ノンポリを日和見主義ということはできません。ぱっと見でノンポリは日和見主義と思いがちですが、日和見主義ではないので注意しましょう。
オタクはノンポリなの?
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オタクも若干死語になりつつありますが、オタクはノンポリと言われることがごく稀にあります。
そこで、オタクは本当にノンポリなのか、また、最近のオタクについて解説していきます。
オタクと政治は何も関係ない
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そもそも、オタクとノンポリとは無関係なわけです。
オタクの趣味趣向と政治はそこまで関係ないのは、普通の方なら理解できると思います。オタクは自分の趣味に熱中していますが、政治に対して関心がないとは限りません。そもそも、政治にやたら詳しい人は政治オタクと言われるかもしれませんし、オタクとノンポリにはなんの関係もありません。
むしろ、オタクやノンポリといった言葉は若干の差別的な意味が含まれています。両方、嘲笑の意味合いが含まれているためにオタクはノンポリと呼ばれるようになったのかもしれません。
少なくとも、オタクだからといってノンポリと決めつけるのは誤りです。
なぜオタクとノンポリの関係が言われるようになったのか
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オタクとノンポリの関係が言われるようになったのは2つの要因があると考えられます。
まず一つは宇野常寛さんの存在です。この方がテレビに出演した際、「ノンポリのオタクなので」と発言しました。この発言をしたのは、政治について素人なので、詳しいことはよくわかっていませんということが言いたかったためだそうです。
しかし、2012年の若者でノンポリという死語を知っている人は少なかったため、ノンポリとオタクという言葉が結びつけて考えられるようになってしまったのです。
そして2点目に、オタクというイメージであると考えられます。オタクと聞くと、部屋に閉じこもってアニメを見たりゲームをし続けている光景が思い浮かぶと思います。
それに対して学生運動と聞くと、若者のパワーが爆発しているように感じます。そのため、学生運動をしていない学生=大人しく、落ち着いている=オタクというイメージがついてしまったのです。完全に印象やイメージだけで物事が語られてしまっています。オタクだからといってノンポリなわけではありません。
政治的関心の高いオタクは多い
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オタクがノンポリに見られている傾向は年配の方の中では確かにあるかもしれません。しかし、現代のオタクはむしろ、政治的な関心が強いということをご存知でしょうか。
ネット社会の普及によって、今までは数少ない友人しか持たなかったオタクはSNSで遠くにいる、共通の趣味を持つ人とも繋がれるようになりました。SNSとオタクがこのようにうまく合いました。SNSは匿名性が高いこともあり、他のメディアと比べても政治に関して発言しやすい風潮にあります。
そのため、SNSを通して政治に触れ合う機会が多くなり、自然と政治に対して関心を持つようになっていきました。
また、最近ではネトウヨと呼ばれる、ネットを通して右翼的発言をする人も多くなりました。オタクの政治的関心はむしろ、一般人よりも強いかもしれません。
ノンポリは現在死語?
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いかがだったでしょうか。
ノンポリという言葉はもはや死語になっているので聞いたことのなかった方も多くいたと思いますが、イメージをつかめたでしょうか。
ノンポリという言葉には単純に政治的無関心という意味以外にも左翼的な視点や嘲笑といった意味が内在しているので、ノンポリという言葉を使用する際には注意して使用しましょう。