NFTと仮想通貨は新たなギャンブルなのか?

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Statistaによると、NFTの世界市場規模は異常なまでの急成長を遂げており、2018年から2020年にかけて10倍に成長しています。別のレポートによると、現時点で、仮想通貨は約1万種類あるそうです。アクセス性が高まり、投資のハードルが下がっているのです。

しかし、取引プラットフォームにおいては、匿名のユーザーから安全性は不確かなウェブリンクが送られることもあり、プライバシーリスクとなります。さらに、暗号資産プロジェクトに関しては、内部における問題や価値の虚偽など詐欺の危険性が常に伴います。仮想通貨とNFTがギャンブルとみなされる理由とその危険性、起こりうる問題から身を守る方法を詳しく見ていきましょう。

NFTと仮想通貨はギャンブルなのか?

端的にいえば、答えは「イエス」です。確かに、人気のオンラインカジノでお金を賭けるのとは違いますが、NFTと仮想通貨は同じメカニズムで動いています。買い手と売り手が仮想通貨を取引し、価格が上昇したら出金して利益を得ようとします。しかし、仮想通貨の価値は期待や盛り上がりなどによって恣意的に変動するのです。つまり、NFTと仮想通貨は確実性のないギャンブルなのです。

利益を得る可能性もありますが、投資資金を大量に失う可能性もあります。最終的には確率の問題なのです。価格変動などNFTと仮想通貨の特徴にも、ギャンブル的側面が表れています。

価格変動

仮想通貨は高い価格変動率から不確実なものですが、価格高騰の可能性を検討すると、リスクに見合う価値があると感じる人が多いようです。例えば、仮想通貨起業家のシーナ・エスタビは、2021年3月にTwitter共同創業者のジャック・ドーシーによる最初のツイートをNFTとして290万ドルで購入しました。しかし、2022年4月6日、このNFTが売りに出された時の最高入札額は9,968ドルで、同氏は結果的に大損したのです。さらに、ビットコインのような仮想通貨でも価格は非常に激しく変動します。例えば、2017年1月に700ドルだった価値は、2017年12月には2万ドルにまで上昇しました。しかし、その後、価格は急落し、2018年2月では6,200ドルまで落ち込んだのです。

NFTや仮想通貨への投資の危険性とは?

トレーダーや投資家以外にもNFTや仮想通貨の人気は高まっていますが、危険が孕んでいます。以下は、当該投資において気をつけなければならない危険のトップ3です。

依存症

Castle Craigによると、NFTや仮想通貨の取引依存症にはいくつかの症状があるそうです。

・5分おきにチャートやマーケットをチェックしたり、徹夜で取引したりする。

・NFTや仮想通貨を購入するため財産を質入れする。

・常に大儲けや巨額のリターンを得られると信じる。

・損失を取り戻そうとさらに投資する危険な負け追い。

こうした取引はギャンブルであり、取引依存症は深刻な問題です。

損失

トレンドをチェックせずにNFTや仮想通貨へ盲目的に投資することを決めてしまうと、激しい価格変動を理由に損失を被るかもしれません。仮想通貨は数日から数時間のうちに価値が上がったり下がったりするものです。例えば、2021年2月、ビットコインの価格は19時間で約58,000ドルから約47,700ドルに下落しました。また、ジャック・ドーシーの最初のツイートもNFTの取引で損失を出した例です。

さらに、市場操作や詐欺によって仮想通貨を失うこともあります。一部のトップレベルのトレーダーが、特定の仮想通貨やNFTに関して人工的に盛り上がりを作り、一儲けする市場操作が行われることもあります。詐欺師があなたの個人情報にアクセスできた場合には、仮想通貨全てを失う可能性さえあります。ブロックチェーンにおけるその可能性は低いですが、デバイスに保存されたデータにアクセスすることは可能ですから。

無規制

暗号通貨は、市場管理する規制委員会が存在しない分散型資産です。そのため、問題発生時に対処が難しくなります。例えば、取引中にプロトコルが変更され、仮想通貨を失ったとしましょう。しかし、中央当局の管轄ではないため、相談できる特定の窓口がないのです。

NFTや仮想通貨への投資時、どう身を守るのか?

どのような投資でも100%安全ということはありません。NFTと仮想通貨にはそれなりの危険性が伴いますが、こうしたリスクは適切なアプローチで回避可能です。ご自身を守る3つの方法をご紹介いたします。

事前調査や研究をする

インターネット上の投稿などを見ていると、「盛り上がり」に乗りさえすれば利益が出るなんて戯言が並んでいますが、人は不都合なことには目を瞑るものです。成功した話の裏側には、NFTや仮想通貨取引で全財産を失い、後悔している人が何百万人もいるのです。

こうした投資をする際には、常に「盛り上がり」だけを追うことは避け、「取り残されることへの恐怖や不安(Fear of missing out:FOMO)」が判断を鈍らせている可能性があると認識する必要があります。特定の仮想通貨やNFTの取引や価格変動の傾向を常に調査し、専門家などにまずは相談してみましょう。一部の悪質なトレーダーは、盛り上がりを市場操作の道具として使用することがあることを忘れないでください。

大きな期待を抱かないようにする

仮想通貨やNFTへ投資する場合、巨額なリターンを得ることに執着しないことです。結局は投機的投資を行っているのです。一攫千金を念頭に置いていると、巨額なリターンを期待して無謀な投資選択をしてしまう可能性があります。

上限額を設定する

NFTや仮想通貨に投資をする際には、入金上限額額を設定するようにしてください。そうすれば、負け追いをしなくて済みます。また、取引に費やす時間の制限を設定するのもいいでしょう。スクリーンタイムを減らすことができれば、仮想通貨取引依存を未然に防ぐことができます。

結論

NFTと仮想通貨の取引はギャンブル依存に非常に近しい依存症を引き起こす可能性があり、管理当局が存在しません。こうした危険性に対して、ご自身の身を守ることができる方法を覚えておきましょう。トレーダーの皆様は、投資する前に該当市場を調査・研究するようにしましょう。また、取引に用いる資金限度を設定することで、不必要なリスクを回避できます。また、国によって取引条件や法律要件が異なるため、これらも把握しておく必要があります。

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