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皆さんはフー・ファイターという言葉をご存じでしょうか?
フー・ファイターは英語でfoo fighterと書き、第二次世界大戦中に連合国軍のパイロットや水平、地上兵たちが、ヨーロッパ各地や太平洋上空で目撃した、未確認飛行物体もしくは空中の奇妙な光球などを言う言葉です。
これはヨーロッパ兵だけでなく、当時の敵国でもあった日本やドイツの兵士にもみられています。まだUFOや空飛ぶ円盤といったものが認識されていなかった時代において、宇宙人やエイリアンという考え方もなかったため、兵士たちはその怪しい光を、敵軍の秘密兵器と考えて恐れました。
フーとはフランス語の「火」からきていると思われますが、アメリカ軍が俗語で日本軍のめちゃくちゃな飛び方をするパイロットを侮蔑後で「フ―」と呼んでおり、そのことから動きが早くて不規則な動きをする飛行物体を表現する時に「フーファイター」という言葉になったと考えられています。
ちなみに目撃情報の多くは第二次世界大戦中であった1941年から1945年頃ですが、その後に勃発した1950年から1953年の朝鮮戦争でもフーファイターの目撃情報が報告されています。
ここではそんなフーファイターの目撃情報の詳細や、真相・正体について述べていきましょう。
フーファイターの目撃情報まとめ!
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フーファイターなるものがどのような物体を指すのかは、理解していただけたでしょうか。未確認飛行物体というとUFOですが、まだそんなものを知らない戦時中だったために、謎の光球には「フーファイター」という名前がついたのです。
では、当時、フーファイターはどのような目撃情報があったでしょうか。フーファイターの真相を述べる前に、色んな国の兵士たちが敵軍の秘密兵器であると恐れた光球・フーファイターの目撃情報を紹介していきましょう。
【謎の光球フーファイター目撃情報その1】原子力発電所の上空を飛行
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1945年の夏に、アメリカのワシントン州で新人パイロットの訓練を行っていた男性が、100キロ以上離れた場所にある原子力発電所の上空を高速で移動する物体をレーダーで発見しました。
彼はその原子力発電所の責任者でもあったため、すぐに戦闘機に乗り込んで物体を追跡、自分の目で確認したそうです。
その物体は飛行船3つ分ほどの大きさであり、流線形だったこと、窓から定期的に何らかの蒸気が噴出しているのを見た、と本人が後に言っています。
当然更に近寄りたかったのでしょうが、当時の戦闘機は高度11300メートルまでしか飛べず、物体はかなり高度が高かったために近づけなかったということです。
彼が見ていると、そのフーファイターは更に上空へと高速で移動、消えていったそうです。
【謎の光球フーファイター目撃情報その2】UFOと一緒に飛んだ飛行機
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1943年、アメリカのパイロットの男性は、カリフォルニア州の上空を飛行中、サンディエゴの方向に謎の飛行体を発見しました。
その飛行体は円盤のような形をしており、彼の運転する飛行機に近づくとすぐ隣を並走したそうです。思わずパイロットはカメラを構えますが、それが軍の秘密兵器であれば写真を撮ることで多額の罰金が発生する、と考え、撮影を断念してしまいます。
その後、謎の物体は海にむかって蛇行しつつ高速で消えていったそうです。これはパイロットが絵にして書き残しています。
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1943年、バルト海岸近くにある労働収容所につとめていたフランス人の男性は、砂の上に突き出た何かわからない物体と、その物体の前にいた女性らしきものをみつけます。
女のような体をした全身が黒、髪の毛が金色のその人は、フランス人男性では理解できない言葉を話していましたが、動作からその砂に埋まった物体を掘り出したいのだ、とわかったそうです。
彼は彼女を手伝って掘り出し作業を実行、謎の物体を掘り出すことに成功します。すると、女性はベルトにある釦に触れ、物体の扉をあけて乗り込んだと思ったら、光ながら上空へと消えていきました。
普通に考えたら金髪の黒人女性かな、というところですが、フランスにも当時黒人はいましたので男性がそうと思わなかったということは違ったのでしょう。
【謎の光球フーファイター目撃情報その4】イタリアに現れたUFO
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1942年にイタリアのトリノで任務についていたイギリスランカスター爆撃機の乗組員全員は、90メートルほどの巨大な空中船を目撃したそうです。
巨大空中船の下には4つの赤いライトが付いており、毎時800メートルほどで移動していたとか。その後、突如消えたそうです。
これはイギリスの国防省の報告書に書いてあるのですが、その爆撃機の船長はその時から3か月前にも同じものをみたと書かれています。
乗組員は軍が秘密裏に行っている何らかの実験だと思っていたそうですが、現在でも正体は謎のままです。
【謎の光球フーファイター目撃情報その5】ドイツで小さな円盤に襲われる
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1943年の10月14日には、アメリカの爆撃機がドイツのシュヴァインフルトに空襲にいった後、基地にむけて帰る途中に銀色の小さな円盤が編隊の中に現れたそうです。パイロットによると、円盤は厚さ2.5cmほどで直径は7.5cmくらいだったとのことです。
その銀色の小さな円盤を振り切ろうとしますが出来ず、エンジンや尾部に衝突されてしまいます。しかし、基地に帰ってから確認すると、機体には一切影響がなかったそうです。
【謎の光球フーファイター目撃情報その6】緑色の発光体に追跡される
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一番古いフーファイターの目撃情報は、1941年の9月です。イギリスの兵員輸送船プラスキ号が、インド洋で満月の半分くらいの大きさがある、緑色の発光体に追跡されたそうです。
目撃した水平たちは上官に報告、船は追跡を振り切ろうと頑張りますが、結局1時間くらいは追跡されたとのこと、相手の正体がわからないため、乗員は恐怖に包まれたと言われています。
フ―ファイターで唱えられた仮説まとめ!
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フーファイターと呼ばれ、不可解な高速で動く光球の正体は何か、で当時の人々は色んな説を生み出したのですが、戦時中ということもあり、いずれも軍の秘密訓練などではないか、という類のものでした。
1953年の1月にはアメリカのCIAによって招集された専門家たちが、フーファイターの調査を行っています。しかしその時には「現在の自然科学の知識の範疇を超えるものではないというのが全員の考え」であるとされ、何等かの自然現象であるのが真相だろうと結論付けられました。
その時から現代においては、科学的な仮説がいくつか出ています。謎の光球・フーファイターの科学的仮説とは何かを、3つほど紹介していきましょう。
【謎の光球フーファイターとは何か?仮説その1】放電現象説
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フーファイターの真相・正体の前にある仮説には、放電現象があげられています。
先端がとがった物質は、その先っぽに静電気がたまることによってコロナ放電が起きることがある、というのがその根拠です。
コロナ放電が起こることによって、青白い発光現象があることは実験で確認されており、飛行機の先端にそのコロナ放電がおきて、飛行機に光が付いてくるといった誤解が生まれたのではないか、という説です。
しかしこれは悪天候の時という条件があり、パイロットたちの証言とは異なることも確認されています。
【謎の光球フーファイターとは何か?仮説その2】球電現象説
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別の仮説には、フーファイターは球電現象ではないかというものがあります。
球電現象とは、これも同じく悪天候の時に自然発生したプラズマのかたまりが戦闘機と干渉し、たまのような形の小さな雷として現れた、ということです。
電気の小さな塊が飛行機によって引っ張られたので、飛行機についてきているという風に思えたのではないか、と考えられたのです。
しかしこれも、当時フーファイターを目撃したパイロットたちの言葉とは矛盾点が多くあるため、可能性としては低いと思われています。
【謎の光球フーファイターとは何か?仮説その3】強烈なストレス下での幻覚説
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いくつものフーファイターが目撃されたのは、第二次世界大戦でも最後の方であり、緊迫した状況でした。どの国も金も資源も人材も不足しており、満身創痍の状態だったのです。
戦闘機を操るパイロットたちは、当然心身消耗の状態でした。常に極度の緊張状態を強いられ、敵軍の戦闘機の影が見えたら即撃ち落さなければ自分の命が危なかったのです。
そんな強いストレス状態の中にいると、人間は追いつめられたあげく幻覚を見るようになります。一種の集団ヒステリーもあげられますが、つまりフーファイターは幻覚だったのではないか、という仮説があるのです。科学的仮説を受け入れられない人たちの間では、この幻覚こそがフーファイターの真相であると言われています。
現在のフーファイター目撃情報とは?
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戦時中に目撃されることが多いフーファイターは、現在では未確認飛行物体、つまり頭文字をとったUFOと称されますが、今でも時々世界のいたるところで確認されています。
真相の話する前に、2018年にアイルランドでの目撃情報がある、最新のフーファイターについて紹介しましょう。
【アイルランドのフーファイター・1】パイロットの証言
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2018年の11月にアウルランドのケリー海岸沿いにて、3機の航空機がUFOと遭遇したというニュースが駆け回り、フーファイターの再来か!?とオカルトファンを喜ばせています。
航空機専門サイトである「Airlive」で公開されたことによると、11月9日の午前6時47分、ブリティッシュ・エアウェイズの女性パイロットから、「光る飛行物体が高速通過していった。近くで軍事演習が行われているのか」という問い合わせがアイルランドのシャノン空港航空交通管制室に入ったそうです。
管制室はレーダーを確認し、レーダー上ではパイロットが指摘した飛行物体は一切うつっていないこと、近くで軍事演習も行われていないことを述べます。すると女性パイロットは、「航空機の左手からすごい速さで現れ、北の方角へ飛び去って行った」と言いました。
ところがこの無線会話を聞いていた他のパイロットも、「11時の方向にまばゆい光がマッハ2くらいのスピードで飛んで行った」と述べ、同時刻に同じ地域を飛んでいた別のパイロットからも「飛行物体は複数あり、まばゆい光を放ち同じ軌道を飛行していた」と連絡が入ったそうです。
【アイルランドのフーファイター・2】住民と乗客の証言
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複数のパイロットが目撃情報を上げたこのフーファイターは、地上でも目撃されていました。同じ時刻にアイルランドの軟部地域の住民たちから、明るい光が左右に動きながらホバリングしていると新聞社に通報していたことが分かったのです。
そして、当時飛行機に乗っている客が、窓からこの光球たちを撮影していたことも分かりました。台湾在住のUFO研究家であるスコット・ワリングという男性が、その時撮った写真を自分のブログに発表して話題になっています。詳細は伏せられているのですが、アイルランドでフーファイターの目撃情報があった時に撮られた写真だそうです。
【アイルランドのフーファイター・3】アイルランド航空局のコメント
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アイルランドで複数の目撃証言があがったこのUFO騒ぎについて、アイルランド航空局は「調査をすすめています」とコメントしたまま、その後は沈黙している状態です。
パイロットたちの目撃情報や住民たちの通報、実際にその写真があることで、フーファイター、UFOの存在はますます確信されていっているようですが、政府からは正式なコメントは出ていません。かなり科学の進んだ現在であってもその真相・正体ははっきりとしないのでしょうか。
フ―ファイターの真相・正体とは?
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フーファイターの様々な目撃証言と一番フレッシュな目撃情報、そして科学的仮説を紹介してきました。実際にUFOを目撃した当時の多くのパイロットたちが話す様子と、科学的仮説があまり一致していないため、一応説明はつくけれど・・・という状態のようです。
では、結局フーファイターとは何なのか、その正体や真相を紹介していきましょう。
【フーファイターの真相・正体その1】正体はつかめていない
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戦争が終わってからはフーファイターの目撃情報は少なくなり、どんどん忘れ去られていきました。その後でオカルト話に人気が集まり、UFOにさらわれた、とか、エイリアンをみたとかいう話が出てきて、UFOの存在が話題となった時、思い出されたのです。
しかし残念ながら、現代になっても当時のフーファイターが何だったのかは解明されていません。目撃した人達の記録から考えるに、科学的仮説ではちょっと違うのではないかと思われるからです。
少数ですが写真も存在していますが、技術もまださほどなかった時代ですので、光の反射だろうということで片付けられてしまいました。2018年のアイルランドで撮られた写真は解明できるのではないか、と思われますが、アイルランドも無言を貫いたままです。
これからのフーファイターの研究に期待がかかります。
【フーファイターの真相・正体その2】極度の緊張状態が原因かもしれない
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科学的仮説のところでも説明しましたが、実際にエイリアンや地球外物体が確認されたという報告はありませんので、やはり緊張状態の人間の脳が見せた幻であろう、というのが真相であり、結論だとする人もいます。
人間の脳はまだ全て解明されていませんので、何等かの刺激があって、多くの人が似たような「フーファイター現象」を見たのではないか、ということです。
【フーファイターの真相・正体その3】現代でも時折みられる
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現代でもフーファイターの目撃情報はあります。現在ではフーファイターという言葉は使われず、UFOを見たという話しになるのですが、目撃した人達がみんな非常な緊張状態にあったわけではありません。例えば前述したアイルランドの件では、ほとんど緊張していない住民たちも目撃していました。
そのため、緊張状態がもたらす一種の幻覚が真相だ、という話も揺らいでいるのが実情です。
フ―ファイターまとめ!
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まだUFOの話が世界中を駆け巡る以前、主にヨーロッパの上空を飛んでいた戦闘機のパイロットたちの間では、発光しながら凄い速さで空中を飛び回る物体をフーファイターと名付けて警戒していました。
当時はこの謎の光球は、敵軍の秘密兵器や軍の秘密裏の作戦だと思われていたのです。
しかし、パイロットたちがこの光球から実際に何らかの被害を被ったわけではなかったので、戦争が終結すると次第に忘れられていったのでした。
現在でもこの正体ははっきりとわかっていませんが、いくつかの科学的仮説は出されています。これから未来にかけて、フーファイターの正体が何であったのか、真相はどういうことであったのかがわかることがあるかもしれません。