水槽の脳とは?現実は「水槽の中の脳」が見ている夢って本当!? | ToraTora[トラトラ]

目次

  • 1 水槽の脳とは?
  • 2 水槽の脳の概要を解説
  • 3 水槽の脳仮説が唱えられたワケ。
  • 4 水槽の脳が参考になった作品を紹介!
  • 1 水槽の脳は本当なのか?

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引用: Pixabay

皆さんは「水槽の脳」という言葉を聞いたことはありますか?

何の予備知識もなく聞くと、魚などを飼う「水槽」と「脳みそ」が合わさる「水槽の脳」について「いったい、何のことだかよく分からない」という方も多いでしょう。ともすれば、水槽の脳と聞くだけでマッドサイエンスのようなことを思い浮かべる方も多いのではないのでしょうか。

確かに、複数の水槽があって、その中に脳が入っている現場を想像するのは奇妙に感じられるところがあります。

では、この「水槽の脳」というのは、何のことを指すのでしょうか?

水槽の脳の概要を解説

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引用: Pixabay

「水槽の脳」というのは、平たく言うと、哲学的な解釈のことを指します。しかし、いきなり「水槽の脳」と言われると、何がなんだかよく分からない方もいるでしょう。

「水槽の脳」について初めて聞いた方にも分かりやすいように、水槽の脳に関する、詳しい概要や解説などのいろいろなことについて見ていきましょう。

1、我々が体験している現実は、実は夢!?

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引用: Pixabay

この「水槽の脳」というのは、我々が実際に体験していると思っている現実が実は夢なのではないかという概念のことを指します。脳の細胞が死なないように培養液などが水槽の中いっぱいに張られているところに、脳みそだけが置かれていて、脳みそだけがあたかも現実を体験しているかのような夢を見ているという概念を水槽の脳と言います。

例えば美味しいディナーを食べているということは、現実世界に起こっていることと我々は認識しています。食感もありますし、味もしますし、熱いか冷たいかなどの体感もありますので、現実世界に起こっている事でまさか水槽の脳の夢ではないと信じて疑いがないでしょう。

しかし、それらの実感できる感触でさえも「水槽の中の脳みそだけが感じているのではないか」という疑問が「水槽の脳理論」といわれています。つまりは現実も水槽の脳が夢を見ている、ただのバーチャルリアリティーではないかということです。

我々が日常生活を送るにあたって、まさか現実世界が水槽の脳が見ている夢等と考えることはないですが、このようにして考えると、現実世界だと思い込んでいたものが本当はただの水槽の脳の夢ではないかと言われると、否定できない一面があります。

2、現実に水槽に脳があるのではなく、「意識」に対する疑問定義

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この「水槽の脳」というのは、決して実際にそのようなものがあるということを指すのではなく、そもそも我々が現実だと信じている意識に対する疑問提起のことを指します。

生まれた時からずっと、意識を持って生活をしているので、その時点から疑問点が浮かばないところはあります。

しかし、この意識ということから疑い始めると、本当に現実世界のことが実在するのかという疑問が生まれてきてしまうところがあります。ともすれば、本当にただの水槽の脳の夢であったとしても、水槽の脳が事実かどうかの確認は難しいです。

皆さんは、今こうしてパソコンいやスマホ等を使って色々な知識を調べていますが、今触っているパソコンやスマホ、タブレットは本当に実在するのか、そもそもネットを使って調べものをしている皆さん自身が本当に実在するのか、現実に体験していると思っているけれど、実はただ脳みそが感じているだけなのではないかなど、疑問に思い始めるとそれが尽きない一面があります。

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このような話を聞くと「水槽の脳?そんなことがあるわけがない。」と笑って終わりにするという方も多いでしょう。中には「水槽の脳なんて、バカバカしい」と考えもしない方もいる可能性もあります。

しかし、水槽の脳理論について身近に感じられるのは、我々が夜眠っている時に見る夢を想像してみると、その概念が理解しやすいでしょう。例えば夢の中で追いかけられ必死に逃げてきたけど、そこで目が覚めて「あー、夢だった。良かった。」と感じたという経験がある方はきっと多いことでしょう。

夢の中で、まさか「これは夢だ」と認識している方はそんなに多くありません。ごく稀に夢だと気づく人はいますが、そのケースも稀です。大抵の場合は、夢の中では現実だと思い込んで、必死にその現実に向き合っていますが、目が覚めるとそれが夢だったと気がつくのです。

そして夢を見ている時は、夢遊病の方などは除いて必然的に体を横たえて眠っている形になっています。ですので、「実際に体験した」と思っていても、実際はただ眠っていただけなのです。

水槽の脳理論についても、「実際に体験した」と思っていても、実際はただ水槽に脳がある状態であるという事が水槽の脳理論の考えです。

体験していないのに、あたかも体験したかのように思っているところが、「水槽の脳理論」を実感できる事なのではないのでしょうか。

4、正しい知識、意識も所詮夢?

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このように考えていくと、そもそも我々が正しい知識と考えてきたこと、今意識を持って色々と行動していることについても「所詮、水槽の脳の夢なのでは?」という疑問が浮かんできます。

具体例を挙げると、正しい知識というのは「科学が全て」という考え方が、それにあたるのではないのでしょうか。

怪奇現象などについて取り上げると、科学的に証明できないことは信じられないという方は一定数います。ですがこの科学的な証明というのは、そもそも正しい知識なのでしょうか?

そして我々が現実世界だと思っていろいろとしている事も、所詮水槽の脳の夢で実は何もしていないのではないかという疑問も生まれてきます。

このようなことが「水槽の脳理論」の一つなのです。

5、我々が使っている言葉の意味も現実なのか?

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このように「現実がひょっとしたら水槽の脳の夢なのではないか」と思うことによって、さらには、そもそもの言葉の概念の意味も現実なのかどうかという疑問が浮かんできます。言葉は昔から使われていて、時代によって進化している現状があります。

しかし、この「言葉」が生み出された時代を知る人は誰もいません。確固たる根拠がない以上、その言葉の意味、言葉の形成も、そもそも存在しているのかというような疑問も生まれてきます。

もっと掘り下げて考えていくと、ひらがなの「あ」という字はそもそも何なのかというような疑問も生まれてきます。「A」という言葉の意味すら何なのかというようなところから掘り下げていくと、この言葉も現実なのか、はたまた我々が勝手に実在すると思っている水槽の脳の夢なのかというような疑問が生まれてきます。

文字を使うという文化を持つ我々は、言葉をも形として残すことができます。だからこそ、有って然るべきものと思っており、疑問にすら思わなかった方も多いでしょう。

しかし、この成り立ちから疑い始めると、言葉の存在すら現実のものかが分からなくなります。

6、実在していると思っているものは、現実に実在しているのか?

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このようなことから、実在していると信じていることについて、そもそもこれは現実なのかというような疑問も生まれてくるのです。このように何もかもを疑うと、本当に正しいもの、絶対的な存在とは何かということが揺らいでくる一面があります。

仮に本当に水槽の中に脳がある状態であったとしても、我々は普段生活している時、まさか自分がただの水槽の中の脳だとは思わずに生きています。それもそのはずで、暑さ寒さとかも感じますし、どこかを打てば痛いですし、食べ物を食べると美味しいです。

だからこそ、我々は意識があり、それこそが現実なのだと思ってしまうところがあります。しかしこのような色々な事に関する存在への疑問が、水槽の脳と言うものなのです。

水槽の脳仮説が唱えられたワケ。

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この「水槽の脳」というのは 1982年に哲学者ヒラリー・パトナムによって確立された理論です。もちろん何の理由もなくただ漠然とそのような理論を確立させたわけではありません。

水槽の脳理論を確立させたことには理由があります。今や、この水槽の脳理論については広く知られているところがあります。多くの方が、「そういえば本当に、この自分の意識そのものが現実なのだろうか?」と思っている人が多い根拠なのでしょう。

だからこそ、2000年代に突入しても、1982年に確立された理論について、未だに議論が起こっている一面があります。

では、水槽の脳仮説というのは、何故そのような事が唱えられているのでしょうか。

水槽の脳仮説が唱えられた理由は形而上学的実在論の否定

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形而上学的実在論とは、人間が存在をしていると認識する事と、実在する世界の存在の在り方には違いがあるという事を前提とした考え方です。

形而上学とは哲学として捉えられており、古くはソクラテスの時からあったものです。ソクラテスは、倫理や徳について考えた哲学者として有名です。それゆえに、様々な名言を残しています。

中世ではアリストテレスも形而上学を取り扱っています。アリストテレスは主に「神」についての存在証明をしていた一方で、「普遍」「存在」など、ゆくゆくは「水槽の脳」仮説にたどり着くまでのテーマについての哲学においても有名です。

このように形而上学を具体的に、且つ端的に言うと「存在」について深く追求していくというものです。「水槽の脳」は、この「存在」についての否定であると言えるでしょう。

一見、水槽の脳の理由と考えられる懐疑論、懐疑主義は?

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懐疑主義とは、原理、認識について根拠が定かでない物については排除していくという考え方です。水槽の脳理論に当てはめて考えると、客観的に考えた上で、そもそも人間の意識そのものが、実は不確かなものなのではないかというように疑いを持つような考え方の一つを指します。同意語として懐疑論とも言います。

それは私たちが普遍的だと信じているものが、必ずしもそうであるとは限らないと言ったものです。

しかし、ヒラリー・パトナム自身が、懐疑論が水槽の脳仮説を確立した根拠である事を否定しています。

水槽の脳が参考になった作品を紹介!

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このように大変興味深い水槽の脳理論ですが、水槽の脳理論の参考になるような映画や小説など芸術作品は色々とあります。

では、主な水槽の脳理論の参考になる作品を紹介していきましょう。

マトリックス(映画)

マトリックスと言うと多くの方がご存知でしょう。1999年に発表されたアメリカの映画です。キアヌリーブスが主演していることでも非常に有名です。

この映画の内容としては、大手ソフトウェアに務めるプログラマーの男性が主役で、ある日謎のメッセージを受け取るようになることから始まります。さらには、この世界はコンピューターによって作られた世界だということを知らされるという話です。そこから、コンピューターからの支配から逃れるべく、仮想世界との戦いが始まります。

このように知らされる前から、主人公は「ひょっとしたら自分は夢を見ているだけで、現実に存在していないのではないか」というような疑問を抱いています。このような考え方が水槽の脳理論です。

このように映画にして見てみると、意外と我々も水槽の脳理論が当てはまりそうな感じがするという方もいるでしょう。

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「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」は小説となっており、主にSF小説と分類されています。

端的に言うと第3次世界対戦が未来で起こった後の世界が舞台で、リック・デッカードという主人公が、8体のアンドロイドを「処理」するという話です。

この世界では現実に存在するであろう人や動物、昆虫もいる一方で、実は精巧に作られた機械も入り混じっているという世界観です。この精巧に作られた機械である人や動物などであっても、プログラミングによって精巧に作られた感情や記憶というものがあり、純粋な人間からしても、どちらが本当に人間でどちらが機械なのかというような区別すらつかない一面があるのです。

ともすれば、実は機械である人や動物でさえも、自分自身が機械であるなんて夢にも思っていないところも、水槽の脳理論の参考になると言ってもいいでしょう。 

ゼーガペイン(アニメ)

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ゼーガペインとは 2006年4月6日から同年9月28日まで、テレビで放送されていたアニメです。主人公は廃部寸前になった水泳部を立て直そうと必死になっている高校生キョウです。

キョウは、このように水泳部を立て直そうと頑張っている、この世界こそが現実だと思っていました。しかし、シズノ先輩に呼び出されて、人がいない廃退した都市で人型兵器「ゼーガペイン・アルティール」に乗る事になり、戦う事になります。

 高校生としての日常生活を送る方が長かった為に、このように呼び出されて敗退した都市で戦うことになったほうがバーチャルの世界だと信じていました。我々に置き換えても、想像に難くない現象です。

しかし、後に水泳部を立て直そうと必死になっている高校生活の方が幻で、実は廃退した世界こそが現実ということを知らされます。そして 現実だと信じ込んでいた高校生活は、実はゲーム上のデータで、実在していると思っている他の人は幻影だったということを知らされます。

このようなストーリーも水槽の脳理論を軸にしたアニメといってもいいのでしょう。

水槽の脳は本当なのか?

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引用: Pixabay

このように現実と信じていたことが、実は現実ではなく、ただの夢だったと言われてすぐに信じられる方もそんなに多くはないでしょう。

確かに水槽の脳理論は、実際に水槽の脳を目視することはできないことも挙げられています。

したがって、この水槽の脳というものを目撃した人はおらず、水槽の脳理論が本当なのかどうかを目視して確認した人は誰一人としていません。しかし「そのようなものがあるはずはない」と否定するには、根拠が弱いところがあります。

現実世界においても、ないものの証明というのは非常に難しいところがあります。だからこそ、水槽の脳理論については今なお、肯定派と否定派が交わることがなく、平行線をたどっている所があるのでしょう。

皆様は水槽の脳は、本当だと思われますか? 

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