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中二病だったことがあるという方は多いでしょう。
大人になってから思い出すと、周りの人に迷惑をかけた記憶や、恥ずかしくなってしまうような自分の発言、でも楽しかった青春の思い出などが蘇ってきて、歯がゆい気持ちになります。
そして中二病には、女子の場合も男子の場合もいくつかのパターンがあります。グロテスクなものを好む子、第六感があると信じだす子、こっそりとノートをつける子など、様々です。このパターンの中で、自分が経験したものと同様な中二病をこじらせている子の気持ちは、大人としても想像できることもあるでしょう。
しかし、自分の子供や親せきなどの周囲の中高生が、自分が経験したことのないタイプの中二病をこじらせていたら、どうでしょうか。どのように対処してよいかわからず、困ってしまうかもしれません。
また、中二病の経験がまったくない大人や、少し大人びた中高生なら、周囲の人が中二病をこじらせていたら、驚いてしまうかもしれません。
この記事では、そんな中二病に困った方のために、男女別の対処方をご紹介していきます。現在中二病の子に困っている方も、もしかしたらうちの子も?と感じている方も、ぜひお読みください。
あまり不安にならずに、対処できる方法が見つかるでしょう。
扱いづらい中二病の対処法を紹介!
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中二病をこじらせた思春期の子に対して、どのように対処していったらいいのでしょうか。この先の項目で、対処法を一つ一つご紹介していきます。
ただし、対処法を試す前に、忘れてはいけないことがあります。それは、その子の中二病がどのようなものであるかをきちんと把握するということです。
例えば、そもそも男女で様子が違うというのはもちろん、家族とあまり関わろうとしなくなる子、自分はすごいと威張りたくなる子、いつもは普通にふるまっていて、一人の時はこっそりノートに何かを書き綴っている様子の子では、対処法はまったく異なります。
ほかにも、実は隠れた能力を持っているのではないか、など自己肯定感とは別の次元で「自分は特別だ」と考るようになった子と、自分に自信がなくて、闇があるような振る舞いをする子を例にとっても、対処法は異なることがお分かりいただけるでしょう。
その点を踏まえて、男女別の対処法を見ていきましょう。
中二病の対処法5選【男子編】
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まずは男子の場合からご紹介していきます。特にお母さんは、自分とは性別が異なるため、経験したことがないような様子が見られ、困惑してしまうかもしれません。
まず押さえておきたいのは、男子の場合で女子と異なる点です。具体的に言うと、周りに「自分はすごい」ということをひけらかしたがるタイプが多いということでしょう。
中二病では、自意識が過剰になることによって起こる行動が多いと言われています。その自意識が暴走して、男子の場合は周囲に間接的に自慢する方向に向かうわけです。
それでは、実際に対処法を見ていきましょう。
【1】否定しない・過保護にしない
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こちらは、どんな中二病の子にも当てはまる対処法で、最も大切な対処法です。
例えば、息子が「邦楽なんかかっこ悪い、時代は洋楽だ」と言い出したとします。これに対して親が、「そんなこと邦楽が好きな子の前で言うな」といった注意をしたり、逆に「自分にも教えて」と優しく声をかけてみたりします。すると、前者では否定されたことによる強い反抗が、後者では照れ隠しのための反抗の態度が返ってくるでしょう。
否定されることはもちろん誰でも嫌ですが、自意識が高まっている中二病の子に、一方的な大人の立場からの否定は響かず、逆効果になってしまうことが多いです。また、優しく聞き返すなど、過保護にされるのも、早く自立したい気持ちでいっぱいの子からすれば、恥ずかしい気持ちになるのは想像に難くありません。
親としては、「そうなんだね」程度の、どっちつかずの態度を取りながら、どうしても言ってはいけないことを言ってしまった時にだけ、それはいけないことであるとわかるような、理性的な叱り方を心がけるといいでしょう。
【2】叱り方を論理的にする
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中二病になるほど成長したのですから、物事をよく考えられている面も増えてきている年齢です。
その反面、まだ子供の面も多く、親としてはまだまだ子供、「ダメ」と一言、叱って言うことを聞かせたいという気持ちになることもあるでしょう。
でもそのような態度では、中二病の子は反抗するばかりです。叱る場合は必要最低限、論理的な言い方で叱り、後から蒸し返すことをしないようにすると良いでしょう。特に男子の中二病の場合、自意識が過剰で、自分は唯一無二の存在であると思っていることが多いです。
なるべく子ども扱いせず、成長中の自意識を軽んじないように叱ってみてください。
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先述の2項目では、どんな子にも当てはまる対処法をお伝えしました。こちらからは、タイプ別にご紹介していきます。この項目では、「虚弱体質がかっこいい」と思っている子向けです。
このようなタイプの子の場合、体調が悪いからと言うものの、本当に体調不良であるかはわからないくらい軽い症状に見えたり、休んでいてもどこが悪いのか伝えてくれなかったりします。
親として、体調が悪いと言っているわが子が心配になってしまうのは当然です。しかし、毎回仮病であっては、心臓に悪いだけです。こういった子には、普段からよく目を光らせておいて、本当に体調が悪い時を見抜こう、という気持ちでいるの良いでしょう。
ただし、気を付けなければならないのは、こういった子が後述する「グロテスクなものが好き」タイプを同時にこじらせて、自傷行為をしてしまう時です。もしそのような行為が見られたら、すぐにでも止めましょう。
【4】成長したととらえる
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どの子にも当てはまりそうですが、最も効果があるのが「メジャーなものを批判したくなる」「自分は何者かになりたい」タイプの子に対してです。このタイプでは、特に親が不安になるような行動が増えるわけではありません。
しかし、「世の中ダメだ」「俺がビッグになって世の中を変える」などと言い出すので、親としては、本当になる気があるなら応援しよう、という気になってしまうものです。しかし本気にして、具体的なアイデアを求めてはいけません。大きくなったな、世の中に目が向くようになったんだな、ととらえて、「頑張ってね」と励ます程度で十分でしょう。
もし本気の様子が見えるのであれば、親も応じて本気で応援できると、未来はぐっと明るくなります。
【5】子供の行動を把握しようとしすぎない
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これは、特に「グロテスクなものが好き」「自分には何か特別な力が宿っている」「ノートに秘密の書き物をしている」タイプの子に効果的です。このタイプは、女子のほうが多いですが、男子にも一定数います。
これらのタイプの子は、男の子でも女の子でも、部屋にこもって何かをしだしたり、今まで見たことがなかったノートや持ち物、ラインのやり取りが目に入ったりして、気になることが多いでしょう。それを、知ろうとしたり、読もうとしたりしては絶対にいけません。
その子にとって一番見られたくないものを見てしまったとなると、信頼関係にかかわることです。確かにグロテスクなものからは遠ざけておきたい、まして性的なことなど考えていたら心配で仕方がない、というのが親心です。
しかし、実際に問題に直結しそうな、動物を殺していたり、危険な性交渉に及んでいたりするという様子が見えないならば、そのノートは見ないでおきましょう。
中二病の対処法5選【女子編】
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ここまで、男子の中二病への対応を紹介してきました。
ここからは、女子の中二病の対処法について触れていきます。しかし、男女で共通していることは多々ありますので、気になったところは性別関係なく、実行してみるといいかもしれません。
【1】否定せず、ほめる(容姿、考え方など)
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女子の中二病では、男子にも増して「個性」を気にする子が多いです。
例えば、男子の中二病が「自分を大きく見せたい」と考えがちなのに対して、女子は「他の子とは違う自分でありたい」と考える、ということになります。それで、男子と比べて起こしやすい行動が、「グロテスクなものが好き」「自分には何か特別な力が宿っている」「自分には霊感がある」というタイプのものになるというわけです。
この時期の女子は、見た目にコンプレックスがあるという子も多いでしょう。なぜなら、他人とは異なる見た目でありたい、美しくありたいのに、どうやらそうではなさそうだと気付いてしまう時期だからです。誰かに注目してほしいのに、容姿や性格では注目してもらえないから、そのような行動に出ているとも言いかえられます。
そこで、親や周囲の人はその言動を否定することなく、折を見て「かわいい、美人になった」と褒めながら、中二病の症状を否定せず、屈折した気持ちに寄り添ってあげましょう。
【2】女の子なんだから、と言わない
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この言葉に縛られてしまう子は多いと言えます。
例えば、女になることから逃げたくて、一人称を「僕」「俺」にする子がいるのというのが代表的な例です。「自分なんかかわいくないのに」と感じてしまっている子や、女の子らしく振る舞うのに恥じらいがあったり、抵抗を感じていたりする子に対して「女の子らしく振舞いなさい」と注意するのは、その子を苦しめてしまう可能性があると心得ましょう。
子供から大人の女性にならなければならない、という戸惑いを感じやすい子の苦しみは、たとえ同じ女親でも理解しきれないことがあります。そこに「女の子らしさ」を求めると、より中二病をひどくこじらせる原因になってしまうでしょう。
褒めることで女の子としての肯定感を持たせつつ、しかし「女の子なんだから」と言わないことが、中二病からだんだんと抜け出す道を作ってあげることにつながります。
【3】趣味を詮索しない(アニメ、BLなど)
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中二病の女の子の中には、アニメ好きが転じて、BLを好むようになる子がいます。親としては、もし娘がBLを好きだったら、過激な内容すぎてどうしても理解できない、やめさせたいと悩んでしまう案件でしょう。
しかし、そこでBL好きを叱ってはいけません。もう好きになってしまった以上、きっぱりやめられることはないだろうからです。もしBL好きに気づいても、まずはパソコンやスマホの検索結果や部屋などを詮索しないことです。そして、通信料超過や学業に著しく影響があった時だけ、理由は聞かずに、「うまく折り合いをつけられるような方法を考えなさい」という叱り方をしてください。
BLを好きになってしまう理由には、【2】で述べたような「女になること」の気恥ずかしさや、容姿のコンプレックスからくる恋愛への自信のなさがあります。
具体的に言えば、美人で人気者のヒロインに感情移入することに気後れしてしまうから、ヒロインの出てこないBLにはまるということです。そのため、自分がBLの恋愛を真似をしようとすることはありません。
そのため、知識不足で男性と関係を持ってしまう危険は少ないともいえるので、BL自体は過激ではありますが、あまり心配しすぎず、詮索せず見守りましょう。
【4】体調不良を見極める
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これは男子の方でもご紹介しましたが、女子にも共通して言えることです。
特に女子の場合では、「か弱い」女の子を演じることで周囲の男女に心配してもらえるため、そうしていることが多いでしょう。男子の時と同様、本当に体調が悪い時だけ見逃すことがないように、目を光らせておくのが良いと言えます。
女子の場合の「か弱さ」の演出は、例えばピルケースを持ち歩いて病気をほのめかしたり、不意にできた傷を、包帯などでやけに大げさに手当てをしたりするなどです。そのような行動があっても、自傷している、処方されていない薬を飲んでいる、などの危険な行動がなければ、見守るだけで良いでしょう。
【5】心配しすぎない
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女の子だと、危ない目にあうのではないか、おかしな男と交際していないか、などと心配になることが男の子より多いです。
その分過保護になってしまい、中二病による子供の行動の変化も、一つ一つ気になってしまうことがあります。しかし、中二病をこじらせている間はそこまで心配する必要はありません。
というのは、自分が「女」になることを拒否していたり、それに対して戸惑っていたりするなど、実は恋愛とは少し離れたところで、自分を見つめている時期だからです。
心配しすぎず、異変は見逃さず、中二病の女の子と付き合っていくと良いでしょう。
中二病の人とはうまく付き合おう!
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以上、中二病の男女の対処法をご紹介いたしました。
様々な行動の変化が起こる時期ではありますが、大人は冷静に、本人も持て余してしまっている気持に寄り添うように対応できると、関係がうまくいきます。悩んでいる子の気持ちを想像しながら、中二病の子の成長を見守りましょう。