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最近、ホワイト国という言葉をよく聞く聞きますよね。
「ホワイト国ってよく聞くけど詳しくはわからない。」、「なんで韓国が除外されたの?」など疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
今回はホワイト国についてわかりやすく解説して日韓問題の真相についてまとめていきたいと思います。
ホワイト国の定義を確認!
ホワイト国の名前の意味
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はじめに、ホワイト国のホワイトってどういう意味なのでしょうか?
ホワイトは日本語だと「善意・純粋」といった意味もあり、日本でも無実な人に対して「シロ」と呼んだりして、白には「潔白」の意味もあります。
また、企業に対してもホワイト企業、ブラック企業と言ったり、名簿などの一覧などではホワイトリスト、ブラックリストといったように反対の言葉として使われています。
つまり、ホワイト国とは「貿易の輸出管理体制がしっかりとしている国」のことをいい、日本が信頼に値すると認めた国という宣言になります。
ホワイト国は日本にとって信頼における国
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日本はいろいろな国と貿易をしています。
日本が輸出するもののなかには、大量破壊兵器の原料になるものも多くあります。
そのような品目を輸出するときには厳密なチェックをしています。
ナイフや銃などだけではなく、ミサイルや危険なガスなどの材料になるものも規制の対象になっています。
ミサイルには様々なセンサーやコンピューター、カメラなどの電子機器が使われます。また。危険なガスには様々な化学製品が使われています。
そのような兵器や危険な物質を作るときに使うことになる資源を輸出する際には細かいチェックが必要になりますが、毎回申請をして承認を得るのはとても時間がかかります。
ホワイト国は必要最小限の規制で良いと認められており、「貿易の輸出管理体制が厳密に実施されていると日本政府が認めている国」で、さらに言うと「大量破壊兵器や通常兵器の製造に使われる物品、軍事目的として転用されるリスクが少ない国」のことを言います。
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日本にとって安心して信頼できる国の証である「ホワイト国」。
「ホワイト国」をどの国に認定するかは、アメリカや世界のどこかの組織が決めているのではなくて、日本自ら決めています。
日本政府が「輸出の際の経済産業省へ届け出や許可を義務付けた制度(キャッチオール制度)」の中で、どの国に対して優遇処置を取るかを決めています。
そのため、ホワイト国から韓国を外すという話も、日本政府自らの判断で決めることができ、このような大きなニュースになったのです。
日本は他国を4ヵ国に分類
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ホワイト国の意味について、簡単に解説しました。
では「ホワイト国」じゃない国は、どういう名称で呼ばれているのか見てみましょう。
日本で定めている「輸出貿易管理令」という政令では、輸出相手国をつぎの4つに分類しています。
では一つずつ見ていきましょう。
非ホワイト国とはなにか
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「非ホワイト国」は、そのままですが「ホワイト国」に該当しない国のことをいいます。
「優遇処置を受けていない普通の国」とも言えますね。
「ホワイト国」とは逆の「リスクの懸念がある国」を、日本政府は「懸念国」と「武器輸出禁止国」とに定めています。なので「非ホワイト国」は「ホワイト国」に認められていないけど、「懸念国」や「武器輸出禁止国」までリスクがない国という位置付けになります。
あくまでホワイト国は優遇措置がある状態で、ホワイト国から除外されて日ホワイト国となったとしても、ほとんどの国は非ホワイト国のため日本政府が主張している「優遇措置が行われない通常の状態に戻るだけ」ということになります。
懸念国とはなにか
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日本にとっての「懸念国」は、日本から輸出した物質が大量破壊兵器の製造に用いられる懸念がある国のことをいいます。
日本の「懸念国」にはつぎの3ヶ国が指定されています。
たしかに兵器に関する報道がよくあって、兵器のイメージがある国ですね。
武器輸出禁止国・地域と重複する国もありますが、今後大量破壊兵器の製造・使用などが行われると疑わしい国といったカテゴリーになります。
武器輸出禁止国とはなにか
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日本にとっての「武器輸出禁止国」は、紛争や戦争のために武器として用いられる可能性の高い国のことです。
武力兵器や核兵器の製造の可能性があるので、武器に用いられる物質の輸出が禁止されている国を言います。
日本が指定している「武器輸出禁止国」はつぎの10ヶ国。
- アフガニスタン
- イラク
- レバノン
- 北朝鮮
- アフリカ
- コンゴ民主共和国
- 中央アフリカ共和国
- リビア
- ソマリア
- スーダン
- 南スーダン
このうちイラクと北朝鮮は「懸念国」にも「武器輸出禁止国」にも指定されています。
キャッチオール規制とは?
キャッチオール規制の概要
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キャッチオール規制は2002年に大量破壊兵器の開発などを規制する目的で導入されました(大量破壊兵器キャッチオール規制)が、一部の仕向地に対して通常兵器の開発、製造又は使用のために用いられるのを規制する目的で2008年に規制が拡大(通常兵器キャッチオール規制)されました。
一部例外を除いた原則すべての貨物・技術(リスト規制品目を除く)を規制対象としているため、キャッチオール規制と呼んでいます。
日本は色んな国々と貿易しています。輸出する際に気を付けなければいけないことがあります。
それは輸出した貨物が、戦争や紛争に利用される可能性のある核や兵器の材料となるものを輸出しないようにすることです。
一言で言えば、「軍事転用される可能性がある物」ということですね。
全てを厳しくチェックするのは、時間がかかりすぎます。
そこで、日本が定めたホワイト国に対しては、簡単な手続きにして、スムーズに輸出できるようにしていきましょう!ということにしました。
アジアでは、ホワイト国には韓国のみが入っておりましたが、韓国がホワイト国除外になったことで、今後は厳しくチェックするようになります。
リスト規制とは
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リスト規制とは、その名の通り輸出に際して許可が必要になる物や技術をリスト化したものです。
下表のように分類されています。
これに該当するものを輸出する場合は、経済産業大臣の許可が必要になります。 ・武器 ・ 原子力 ・ 化学兵器 ・生物兵器 ・ミサイル ・先端材料 ・材料加工 ・ エレクトロニクス ・コンピューター ・通信関連 ・センサー・レーザー等 ・航法関連 ・海洋関連 ・推進装置 ・その他
・機微品目
の16項目からなっています。
リスト規制に該当しないからと言って、すべての物や技術を輸出や提供できるわけではありません。
キャッチオール規制とは
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リスト規制ではハイレベルな技術、製品の輸出を規制しているのに対して、キャッチオール規制はリストに載っていないハイレベルでは無い技術・品目も兵器の開発などに用いられる可能性があると判断される場合は経済産業大臣の輸出許可が必要となります。(リスト規制の補完をする位置付け)
例えば、市販パソコンを輸出しようとした場合、多くの機種はリスト規制の対象にはなりませんが、キャッチオール規制の対象にはなるため、経済産業大臣の許可が必要になります。
ただし、ホワイト国に輸出する場合は許可なしで輸出が可能です。
ホワイト国に認定されるメリットは?
貿易がスムーズになる
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これだけ?と感じるかもしれませんが、ホワイト国に認定されていないと厳しいチェックが必要になります。
貿易に時間がかかるため人件費もかかります。
ホワイト国に認定されていると信頼できる国として認められているため手続きが簡単で輸出入がスムーズになります。
日本にとってホワイト国はどこ?【2019年最新】
ヨーロッパのホワイト国
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- オーストリア
- ベルギー
- ブルガリア
- チェコ
- デンマーク
- フィンランド
- フランス
- ドイツ
- ギリシャ
- ハンガリー
- アイルランド
- イタリア
- イギリス
- オランダ
- ノルウェー
- ポーランド
- ポルトガル
- スペイン
- スウェーデン
- スイス
- ルクセンブルク
南北アメリアのホワイト国
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アジア・オセアニアのホワイト国
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日本にとってのホワイト国は、ヨーロッパが一番多いんですね。
日本からの距離はあまり関係ない印象です。
これら26ヶ国については、日本の「ホワイト国」なので輸出・輸入に関しては、手続きを簡略化できる優遇処置があります。
日本が韓国をホワイト国から除外!
韓国のホワイト国除外の経緯は?
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従来から韓国側の輸出管理(キャッチオール規制)に不十分な点がありました。
不適切事案も複数発生していましたが、日韓の意見交換を通して韓国が制度の改善に取り組み、適切に運用していくとの信頼があったが、近年は日本からの申し入れにも関わらず、十分な意見交換の機会がなくなっていました。
日本政府は安全保障上に問題が発生したとしていますが、その問題が韓国が日本からの輸出物資で兵器に転用可能な物資を第三国に輸出している、いわゆる密輸入の疑惑があるからだとしています。
その輸出先として言われているのが、北朝鮮、イラン、シリアなどの兵器の所持をしている国家です。
この疑惑に対して韓国政府はあいまいな返答をしているため、ホワイト国としての信用を失ったとして除外に踏み切ることになりました。
キャッチオール規制のホワイト国の名称が変更
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今回韓国がホワイト国から除外されたのを機に、優遇措置を取る国を「ホワイト国」から「グループA」に呼び名が変更されました。
韓国は、2004年にホワイト国入りしており、優遇措置を受けていましたが、2019年8月2日、ホワイト国から除外されることとなりました。
韓国は今後は、2004年以前のホワイト国入りしていない時代と同様の手続きを取る必要があるということです。
日本は韓国に対し、「通常兵器キャッチオール規制」を求めています。
この制度は、食品と木材など除く全品目を、兵器転用を防ぐ対象にしていて、日本だけではなく、アメリカ、ヨーロッパ各国等が導入しています。
また、貿易管理体制について、日本の経済産業省には担当する部署に約100人以上の職員が配置されている一方で、韓国には担当者が少なく体制が不十分だと指摘されており、韓国の貿易管理体制の充実を求めています。
ホワイト国除外によって韓国への影響は?
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韓国がホワイト国除外になることで、今まで審査の必要な軍事転用の恐れのある物資リスト以外の物資については審査を受けずに済むというホワイト国の優遇を受けていました。
しかし、ホワイト国除外により、リスト以外の物資にも日本の厳しい審査が課せられ、その期間はおよそ90日間と言われ、その種類は「1000品目以上」にも上るのではと言われています。
これにより、円滑な物資の供給が滞り、韓国経済の主力である、半導体市場に影響が出ると予想されます。
特に、「サムスン」などの電子機器の企業は多大な影響が考えられ、供給不可の可能性も考えられています。
また、石油事業、自動車産業にも多大な影響がでると予想されており、韓国経済は大きなき窮地に立たされてしまいます。
韓国のホワイト国除外で日本人への影響は?
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韓国のホワイト国除外で日本人にも影響が起きます。
韓国人観光客の減少による商業圏の売り上げの減少や、韓国に進出している企業の売り上げの減少が考えられます。韓国国内では反日運動も起きているため日本人に対する影響は大きいです。
また、日本と韓国間の渡航者の減少が起きて、韓国ー日本間の飛行フライトの減少します。
一連の日本政府による輸出管理措置に対抗しての「反日運動」などによる、日本企業への影響が考えられます。
実際に、北九州空港の韓国ー日本便が1日3便だったのが、週3日3便に減少するなどの影響が出ています。
韓国による対抗措置は?
ホワイト国から日本除外
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韓国は2019年8月12日、輸出管理で優遇するホワイト国から日本を除外すると発表され、2019年9月から実施する方針を明らかにしました。理由として、不適切な貿易慣行を挙げた。詳細には踏み込まなかったが、日本への対抗措置とみられています。
韓国は日本へ「中間材」を大量に輸出しているので、輸出をストップすれば日本にも影響がおこります。
食品や廃棄物などの(輸入での)安全措置強化
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2019年08月02日、日本をホワイト国から除外に加えて、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は対日本での食品や廃棄物などの安全措置強化を強化するとしました。
輸入に対する措置の厳格化となります。
世界貿易機関(WHO)への提訴
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WTO (世界貿易機構)の一般理事会が行われ、そこで今回の日本が韓国に行った輸出管理強化の不当性を韓国側が一般理事会に議題にあげるよう提起し、世界的に議論されることとなりました。
韓国としては日本の輸出管理強化の不当性を世界の世論に訴えかける絶好の機会ではないでしょうか?そして、ここで世界の賛同を得て日本に輸出管理強化の解除を迫りたい構図となります。
一方、日本側としては、「安全保障上に問題があるため、輸出に対しての特別優遇を自国の判断で解いただけのこと、WTOのルール違反にはならない」と主張しています。
冷え込む日韓問題。
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さて皆様いかがでしたでしょうか?
今回はホワイト国とは?どこ?わかりやすく解説【日韓問題の真相まとめ】と題してお送りさせていただきました。
なんとなく「ホワイト国」については理解できましたでしょうか?
ホワイト国は、輸出規制が徹底していて、安心して取引できる国々を指します。
日韓関係を巡って、どのような展開になるのか。このままだと韓国の日本に対する感情は益々荒ぶることになるかもしれません。
どうにか、この事態が安全に収束していくことを願います。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。