マイクロキメリズムとは?妊娠や臓器移植で起こる不思議な現象を徹底解説!

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マイクロキメリズムとは?

引用: Pixabay

皆さんもご存知とは思いますが、人間というのは心臓も血管も筋肉も全て細胞が集まって構成されていて、それにより体全体が出来上がっています。

しかし近年、その自分の体内にある細胞の中に他人の細胞が存在している可能性がある、と驚くような話が発表され世界中で大きな話題となったんです。

実はその現象が今回ご紹介する「マイクロキメリズム」になります。自分の中に他人の細胞があるなんてとても信じられない話ですが、しかし実際に世界ではこのマイクロキメリズムの現象が見られた人、つまり他人の細胞が体内から発見された人も確認されているんです。

しかもこのマイクロキメリズム、特別珍しいものというわけでも特定の人にしか起こらない現象、というわけでもありません。妊娠や臓器移植などをすることによって世界中の誰にでも、もちろん私達の体内でも普通に起きる可能性が高い現象だという風に言われているものなんです。

つまり私達にまるで関係ない話というわけでもないんですね。

ではそんなマイクロキメリズムが自分の中で起きるなんて、厳密にはどういうことなのでしょう?一体どうしてそういう状態になってしまうのでしょうか?

自分にも起こるかもしれないことと言われると非常に気になってきますし、真相を知りたくなってきますよね。

妊娠で、なんて言われたら女性は特に不安になってしまいますしね。

そこで今回この記事ではマイクロキメリズムがどういうものなのか、どうしてそういう現象が起きるのか、という詳しいことについてご紹介をしていきたいと思います。

 

マイクロキメリズムの概要は?


引用: Pixabay

マイクロキメリズムは生物学的に言うと、一個体の中に遺伝情報の異なる複数の細胞が存在する、という現象を指す言葉になります。

つまり簡単に言うと、1人の人間の中に違う人間の細胞が存在する、ということであり、自分の中に他人の細胞がある、この現象が起きることを言うんですね。

ではどうしてそんな、自分の中に他人の細胞が存在する、なんていうことが起きてしまうのでしょう?他人の細胞が一体どこからどうやって自分の体内に入ってきてマイクロキメリズムが起きるようになってしまうのでしょうか?

マイクロキメリズムの原因として最も可能性が高いのが、実は妊娠・臓器移植・輸血という風に言われています。妊娠は胎児が母親のお腹の中にいて胎盤で繋がるようになるわけですし、臓器移植や輸血は人の臓器や血液を他の人の体内へと移す行為なわけですよね。

ですからそれだけ人から人へ細胞が移動し、マイクロキメリズムが起こるチャンスだって生まれるようになるということです。

特に妊娠は母親と胎児が10ヵ月という長い期間ずっと胎盤で繋がれているわけですから、細胞が相互移動する可能性も非常に高く、マイクロキメリズムも起きやすくなると言われているんです。

その証拠に、出産後母親の中から息子の細胞が見つかったり、あるいは逆に息子の体内から母親の細胞が見つかった、なんていう実際のマイクロキメリズムの事例も報告されているんですよ。

つまり分かりやすくまとめると、マイクロキメリズムは妊娠・臓器移植・輸血などによって人の細胞が他人の体内へと移ること。中でも特に妊娠をした母親とその子供の間で起こりやすくなる現象、ということになるんですね。

 

マイクロキメリズムの影響は?


引用: Pixabay

他人の細胞が自分の体内に移動してきて存在するようになる。

それがマイクロキメリズムということが分かっていただけたと思いますが、他の人の細胞が自分の中にあるなんて考えるとやはり少し怖くなってきますよね。

他人の細胞が体内にあるだなんて果たして大丈夫なのか?

マイクロキメリズムによって体にはどんな影響が出るものなのか?そこのところも非常に気になってくるのではないかと思います。

そこで続いてはマイクロキメリズムが実際に体に与えるようになる影響についてもご紹介をしていきましょう。

マイクロキメリズムは発見されたばかりの現象なので実際のところはまだまだ謎も多いのですが、現段階で分かっていること・予想されていることについてまとめていきたいと思います。

 

【1】マイクロキメリズムはずっと続く?

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引用: Pixabay

マイクロキメリズムとは他人の細胞が自分の体内に移動するだけではありません。

他人の細胞が自分の体内に移動してきて、そして存在し続ける。ここまでの現象をマイクロキメリズムと言うようになるんです。

つまりマイクロキメリズムの現象はすぐに消えるとかそういうものではなく、1度体内で起きるとその後もずっと続くようになるもの、という風にも考えられているわけなんですね。

実際に世界ではそんなマイクロキメリズムに対する考えを理論づけるような事例もいくつか確認されています。

例えば先程お話したように、出産後母親の体内から息子の細胞が発見されたなんていう事例もマイクロキメリズムにはあるわけですが、その事例の中には出産後数十年経ってから息子の細胞が発見された、というケースも確認されているんです。

また逆に息子の体内から母親の細胞が発見されたという事例の中にも、成人した男性から発見されたというケースが確認されているんですね。

そういった様々な事例から、移動してきた他人の細胞は定着し数十年存在し続けるのではないか、マイクロキメリズムの現象は体内で数十年間続くようになるのではないか、という風に考えられるようになったのです。

もちろんそれについてもまだ謎が多い状態で、今後もまだまだ研究が必要とのことですが。とにかくマイクロキメリズムはすぐに消えることなく、体内にしばらく残る可能性が高い、という考えが現段階では濃厚になっているんですね。

 

【2】自己免疫疾患が起こりやすくなってしまう

引用: Pixabay

これは少し心配な影響になってしまうのですが、実はマイクロキメリズムが体内に存在し続けることで自己免疫疾患という疾患が起こりやすくなってしまうのではないか、という話も浮上してきているんです。

自己免疫疾患とは、体内で異物を排除するという役割を持つ免疫系が自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に攻撃をしてしまい、そのせいであらゆる症状を引き起こしてしまうという疾患のことを言うのですが、

要はマイクロキメリズムの現象が起き他人の細胞が自分の体内に存在していると、自分自身の免疫系がその他人の細胞を異物だと思い込み過剰に攻撃をするようになってしまい、それにより周囲の自分本来の細胞までダメージを受けるようになり、その結果自己免疫疾患が起きるようになってしまうというわけなんですね。

ちなみにマイクロキメリズムによって自己免疫疾患が起こると、アトピー性皮膚炎・喘息・1型糖尿病・不妊症などといった様々な症状が出てくるようになってきます。時には悪性関節リウマチ・クローン病・多発性硬化症といった深刻な難病が引き起こされることもあると言われています。

実際にマイクロキメリズムになったことで自己免疫疾患が起き、こういった症状になってしまったという人の事例も確認されているんですよ。

もちろんこれもまだ色々研究をしている途中なので、100%確実にそうなるというわけではありませんが、マイクロキメリズムによって他人の細胞が自分の中に定着し続けると、こういう悪い影響を受けてしまう可能性もあるわけなんですね。

やはりマイクロキメリズムというのは他人の細胞が自分の体内に存在するようになり体にそれだけの変化を与えているわけですし、全くノーリスクというわけにはいかないのかもしれませんね。

 

【3】逆に病気を改善してくれる可能性も

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引用: Pixabay

そんな病気のリスクが高いマイクロキメリズムですが、実は人の体に及ぼすのは悪い影響だけではないということも考えられてきているんです。

なんとマイクロキメリズムには逆に病気を改善してくれる可能性がある、という驚くような影響があることも報告されてきています。実際にこれもある事例があります。

人間ではなくマウスによる研究になるのですが、妊娠したマウスに心筋梗塞を起こさせてその時の心臓付近の細胞の状態を調べる、という研究をある機関が行ったところ、マイクロキメリズムによって胎児から母親の体内に移ってきたと思われる細胞がその心臓付近に集まってきて、まるで修復するような働きを見せたというんです。

厳密には修復とまではいかないようですが、心筋梗塞を起こしてダメージを受けた心臓に胎児から移ってきた健康的な細胞が集まり、そして傷付いた心筋の細胞に分化するような働きを見せたようなんですね。

このことから、マイクロキメリズムによって他人から移ってきた細胞は体内で病気を引き起こしてる細胞に反応・刺激をし、その病気を抑える、もしくは改善するような効果があるのではないか、と考えられるようになったわけです。

実際他の研究でも、母親の体内でダメージを受けた臓器や組織に胎児由来の細胞が集まるような様子が見られ、この理論の信憑性もより高まってきているんですよ。

つまりマイクロキメリズムは人にとって悪いものというだけでなく、良い影響を与えてくれる可能性も十分高いということです。マイクロキメリズムはただただリスクだけがある、というものではないのかもしれませんね。

 

【4】子供の顔が似なくなってしまう、なんてことも

引用: Pixabay

世の中にはよく「実の子のはずなのに両親と全く顔が似ていない」「両親とは違う顔の特徴がある」なんて人もいたりするものですよね。

そしてそういう人達というのは大抵「気のせいかな」「よく見れば似ているところもあるかもしれない」なんていう風にそこまで気に留めないか、あるいは「もしかして母親が不倫をしたのか?」なんて変な疑いをかけてしまったりするのですが、

実はその現象もマイクロキメリズムの影響によって起こっているものではないか、と考えられているんです。

つまりマイクロキメリズムの影響によって、子供の顔が両親に似なくなってしまう、ということが起こる可能性も十分考えられるということなんですね。

何故ならお話してきたように、マイクロキメリズムというのは人から人へ細胞が移って体内に定着するという現象なわけで、それにより他人の遺伝子が体内に入ってしまうというも当然有り得るわけです。

ですからもし母親が過去に臓器移植や輸血をしてマイクロキメリズムを起こしていたら…?その時に臓器や血液を提供してくれた人の遺伝子が母親の体内に残ってしまい、そしてその後出産した子供に影響を与えてしまった。こういうことが起こる可能性だって考えられるようになってくるわけです。

また母親の妊娠・出産が2回目という場合は、1回目の妊娠でマイクロキメリズムが起こり1人目の子の胎児の細胞が移ってきている可能性が高いですから、その影響で2人目の子が父親よりも1人目の子に似てしまう、なんてことが起こる可能性だってあるんですよね。

その場合1人目の子も父親の子供なわけですから、そこまで大きな違いはないのかもしれないですし、十分父親に似るかもしれませんが。

とにかくマイクロキメリズムが起きれば他人の遺伝情報を持った細胞が体内に入って存在し続けるということになるので、こういう現象が起きてしまうのも仕方がないということなんです。

ですのでこういうことが起きてもあまり気に留めないようにするというのは正解かも。また女性の皆さんは、もし子供の顔が似ていないことで旦那さんに責められるようなことがあれば

その時はこのマイクロキメリズムの理論を説明して、旦那さんを説き伏せてしまうのが良いと思いますよ。

 

マイクロキメリズムに注意しよう!

引用: Pixabay

「マイクロキメリズム」今回この記事で初めて知ったという方も多かったかもしれませんが、いかがだったでしょうか?

自分の中に他人の細胞があるだなんて、信じられないような話ですし少し怖いとも思いますが、でもこうしてマイクロキメリズムの概要やどうして細胞が移動するのかという仕組みをきちんと知ってみると、「なるほど」「確かに」と納得できるものですよね。

妊娠中母親と胎児は胎盤でずっと繋がれているわけですし、臓器移植や輸血は他人の体内にあった臓器・血液を自分の中に移動してくるわけですから。そういった時に一緒に他人の細胞が移動してきてマイクロキメリズムが起きるようになる、というのも確かに有り得る話ではありますもんね。

ただしお話したように、マイクロキメリズムによって体内に入ってきた他人の細胞はその後もずっと自分の中に定着し続けるので、それだけ色々な影響を受ける可能性も十分考えられるようになってきます。

良い影響もありますが、病気にかかりやすくなるというリスクも出てきてしまうかもしれません。

ですので妊娠・出産を経験した方や臓器移植・輸血をしたことがあるという方は、「自分には関係ない」なんて思わず、マイクロキメリズムについてある程度知っておいて「こういうことが起こることもあるんだ」という風に注意はしておいた方が良いかもしれません。

妊娠・出産をする女性は多いですし、臓器移植も輸血もいざという時必要なことなので、マイクロキメリズムを完全に防ぐなんてことは無理かもしれませんし。注意をしたからといって安全というわけでもありませんが。

でもやはりこういう知識を持っておくというのは決して損になることではありませんし、役立つことも多くなってきます。対処できることもあるかもしれませんし、先程も言ったようにもし旦那さんに浮気を疑われてもきちんと理論的に説明ができますしね。

なので今回この記事で知ったマイクロキメリズムのこと、今後もぜひ忘れずに頭の中に入れておいて、多少でも注意をするようにしてみてくださいね。

マイクロキメリズムについてはこれから様々な研究でまだまだ分かってくることもたくさん出てくると思うので、もし何かマイクロキメリズムのことで発表されるようなことがあれば、その時もぜひ気にかけるようにしてみてください。

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