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子供の頃、皆さんは3秒ルールという言葉を聞いたことがあるでしょうか。ほとんどの方がこの3秒ルールを「聞いたことがある」とお答えになるのではないでしょうか。
筆者ももちろん3秒ルールは聞いたことがあり、実際に3秒ルールを落とした食べ物に適用し、セーフにし、食べ物を拾い食いする行動を取った経験もあります。
今回の記事でははその3秒ルールについて、「いつからあるの?」「本当にセーフ?」「科学的根拠はあるの?」「不二家には3秒ルールがあった?」等の謎を徹底調査していきたいと思います。
それでは、本題に入る前に「3秒ルールとは?」ご存じない方のために、簡単に説明しておこうと思います。
3秒ルールとは、一般的には食べ物が床、ないし地面に落下した際に3秒以内に拾う行動を取れば、セーフということで、食べ物を捨てずに食べることができるといういつからか広く認知されるようになったルールのことを指します。
地域によってこのセーフの秒数が3秒ではなく、5秒、10秒、15秒等細かな違いはありますが、要は落下した食べ物を〇〇秒以内に拾えばセーフだというのがこのルールの大前提です。
では、3秒ルールについての「いつから」や、「セーフの基準」「科学的根拠の有無」「不二家と3秒ルール」について調査しましたので、本編をご覧ください。
3秒ルールはいつからあるの?
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まず1つ目は3秒ルールはいつからあるの?という問いに対してですが、これに関しては諸説あるようで、調査の中で3秒ルールがいつからあったかに関する様々な意見を散見しました。
なぜ3秒?
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そもそもまず「いつから」ということをお話しする前に、3秒ルールの「3秒」はどこから生まれたのかというところから説明すると、こちらに関しては一番有力だったのが、バスケットボールの3秒ルールが由来であるという意見でした。
バスケットボールの3秒ルールとは、ペイントエリアと呼ばれる他の区域でと呼ばれるコート内の他の区域とは異なった色で塗られている制限区域で、攻撃側のプレイヤーは3秒を超えてとどまる行動は出来ないというものです。
もともと、長身の選手をその区域に立てて攻撃を優位にさせないために作られたそうです。
そもそもの3秒ルールというのがこのバスケットボール用語発祥のようで、そこから食べ物に対する3秒ルールが生まれたという説が濃厚のようです。
実際、〇〇秒という点だけで見ると、アメリカでは食べ物に対してセーフなのは5秒ルールがメジャーな認識のようです。
また、日本国内で見ても、先述の通り、5秒だったり、10秒だったり、15秒だったりと地域間でバラバラです。余談ですが有名な辞典サイトでは食べ物に関してセーフとなるのは5秒ルールと記載されています。
3秒ルールはいつ生まれた?
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さらに3秒ルールの「いつから」に関して最古はその起源を元の皇帝チンギス=ハンまで遡ります。その時代は12時間までセーフだったりと、その〇〇秒に関してはかなりあいまいな点も多いようです。
ただ、3秒ルールという言葉の「3秒」にフォーカスを当てた時にその「3秒」というのはバスケットボール由来のものであるという意見は有力です。
しかし、もう一つこの「3秒」という部分に関して有力な意見がありました。それはプロレスの3カウントから来ているのではないかという意見です。
プロレスでは、相手が身動きをとれないように相手の体を固める行動は、試合に決着をつけるという意味から、フィニッシュホールドと呼ばれます。
審判が、フィニッシュホールドを決めたと判断したところから、1,2,3と3カウントがとられ、カウントが終了するとゴングが鳴らされ、試合は決着します。
どうやら3秒ルールの「3秒」はこのプロレスの3カウントから来ているのではないかという意見もあり、こちらもかなり有力な意見ではないかと思います。
他にも3秒ルールの「3秒」に関する意見がありました(例えば、巨人軍の長嶋茂雄終身名誉監督の現役の時の背番号だからなど)が、非常に少数であることと、やや具体性を欠いています。
ですので、ここではその後の「いつから」という部分を調査していく上では除外して、「いつから」をバスケットボールと、プロレスの2本に絞り話したいと思います。
バスケットボールが由来
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まず、バスケットボールの3秒ルールが由来という点で「いつから」の調査を進めると、日本では、戦後に1956(昭和31)年メルボルンオリンピック、1960(昭和35)年ローマオリンピック、1964(昭和39)年東京オリンピックと日本代表が3大会連続で出場している時期がありました。
惜しくも成績は振るわなかったようですが、この頃にバスケットボールが日本人の間で少し認知され始めたのではないかという説があります。
また、同時代を国内経済で見た場合、1954(昭和29)年より始まった高度経済成長の影響で右肩上がりに日本の景気は上昇し、それと同じくして食文化も和食から洋食へと変化を遂げていったという時代でもあります。
戦後まもなくは、日本も貧しく、そもそも落ちていたものであろうが何であろうが、3秒ルールとか以前に見境なく食べていただろうと思いますし、そう行動せざるを得ないことが多かったと思います。
しかし、その後日本は、いつからか経済も発展し、家計も潤い、モノもカネも充足し始め、庶民の行動にも変化が表れ始めた時代に移行していきます。
そういった背景から食べ物も基本は落ちたら捨ててもいいけれど、反面、食べ物を粗末にするとよくないという思想の下、いつからかすぐ拾えばセーフという考えができたのでしょう。これが3秒ルール形成のきっかけだと言われています。
そういったことと、日本国民に浸透してきたバスケットボールの中の3秒ルールがシンクロして「3秒以内ならばセーフ」という考えが生まれたと考えられます。
となると、日本に3秒ルールが浸透したのは1954(昭和29)年~1964(昭和39)年の昭和30年代であることが有力であると思われます。
プロレスが由来
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次に、プロレスの方から3秒ルールにおける「いつから」を見ていきたいのですが、プロレスは、戦後しばらくたって国民的人気を博すようになりました。
黎明期のプロレスの人気を支えたのは、「力道山」、「テレビ放送開始」という二つの大きな要因でした。
力道山は、戦前、戦後まもなくは大相撲の力士で、西関脇まで昇進したのち、プロレスへと転向した異色の経歴の持ち主で、彼の必殺技空手チョップが大きな体のアメリカ人を倒す姿は、敗戦後の日本の大きな原動力の灯となり、たちまち人気を博しました。
また、力道山の人気を後押ししたのは1953(昭和28)年に開始したテレビ放送でした。テレビという新しいメディアを通じて、彼はたちまち国民的ヒーローになったのです。
それと共にプロレスも爆発的な人気になり、日本国民の大多数が認知していくことになり、長きにわたり国民的スポーツとして君臨しています。
いつから3秒ルールはあるのか
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本題に戻りますが、先述と同様で、この時代を経済的な側面から観測した時、やはり1954(昭和29)年の高度経済成長と重なります。
加えて、プロレスは、バスケットボールの比ではないくらいに国民の認知度が高かったことを考えると、3秒ルールがプロレスの3カウントを由来としているという説もかなり有力です。
そして、お気づきかと思いますが、こちらも1953(昭和28)年~ということになりますのでバスケットボールの説と年代的には1,2年の誤差はあるものの、こちらも同様に昭和30年代に3秒ルールが浸透したと考えられることになります。
したがって、「いつから」3秒ルールができたかというと昭和30年代に3秒ルールは出来上がり、少しずつ形を変えながら3秒ルールは広まって全国区になっていったという説がほぼ有力なのではないかと思います。
ただし、3秒ルールの由来がバスケットボールか、プロレスか、はたまたそうでないかは甲乙つけがたいと思います。
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しかし、3秒ルールにおける「いつから」という議論でいくと実はもう一つ有力な説があるのです。いつからかというとそれは、1970年代、すなわち昭和40年代の後半から50年代に始まったとされるものです。
3秒ルールがセーフという話は、実は当時の小学生たちが言い始めたのが発祥で、それがいつからか全国で広まったとされる説です。
1970年代になると全国で完全に学校給食というものが広まり切った年代になりますが、それに加え、体育や、部活動を通してバスケットボールは、皆が知ることになり、またプロレスもこの頃はTV中継を通じて大人気でした。その他のコンテンツも充実し始めた時代でした。
そんな中、ある子供が、給食の時間に食べ物を床に落下させてしまった。その子供はその日の体育で習ったバスケットボールのあるルールを思い出します。
そう、3秒ルールです。授業中に先生の言っていた「3秒以内はセーフ」の部分を思い出し、「まだ、3秒経っていないからセーフ」と言って落とした食べ物を拾い上げて面白がってそれを食べる行動に出ました。
それを見ていた同級生も面白がって3秒ルールなのでセーフというルールの下、同様の行動に出ます。これがまた口伝でどんどん伝わっていき、科学的根拠のないこの3秒ルールがセーフという噂はいつからか全国に広まったとされるものです。
この説は、たくさんの人が支持していて、確かにこの年代の方はほとんどの人が3秒ルールについて知っているようでした。そして、比較的セーフ派の人も多いように思います。
今も昔も小学生は噂や、それに伴う行動を取るのが大好きです。彼らが3秒ルールを広めたという「いつから」が1970年代から説はなかなか有力なのかもしれません。
結局「いつから」3秒ルールが適用されたか、はっきりしない部分もありましたが、恐らく、早くとも昭和30年代、遅くとも昭和50年代初期には3秒ルールが存在していたと考えられます。
それ以外の年代が発祥であるとする資料は皆無だったので、このあたりが、いつから3秒ルールがあったかの答えかと思います。
3秒ルールは本当にセーフ?
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3秒ルールはいつからあったの?という3秒ルール「いつから」論に引き続き、3秒ルールは本当にセーフかどうかという3秒ルールのセーフ、アウト議論について説明しようと思います。
3秒なら大丈夫?
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まず、何をもって3秒ルールをセーフとするか。
すなわちセーフの基準についてなのですが、生命が危ぶまれること、体調に不良をきたさないこと、一切変化が起こらないことなど。どれかによってセーフの基準は変わっていくと思います。
一番多かったのは体調に不良をきたさないこと。これをセーフの基準にしている意見がほとんどでした。常識的に考えて生命に危機が生じるかどうかの実験なんて非人道的ですし、セーフとはいいがたいと思います。
一切変化が起きないことというのも、人間の体というものは、日々、変化しているので、細かく見た場合実証がかなり難しいと思います。ただ、こちらも一切変化が起きないという定義を普段通りという考えでいくならばセーフに入る思います。
食べ物によってセーフの時間は違う!
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また、3秒ルールのセーフ、アウトは食べ物の種類にもかなり依存すると思います。これが例えばから揚げとかなら、3秒くらいならいけそうな気もしますし、実際に筆者もそういった行動に移したこともあります。
しかし、例えばアイスクリームなど柔らかい汚れが目に見える食べ物だと3秒も落ちたものは個人的には無理な気がします。セーフではなくアウトです。
その点に関しては人それぞれで、「いや、何であれ、もう絶対に落ちた食べ物は食べない」という全面的にアウトの完全アウト派の方もいれば、「ほとんどの食べ物でセーフだよ」完全セーフ派という方もいるかもしれません。
これは生育環境や、親の指導、根本的な性格、行動に対する意思決定など、今現在までその人が作られてきた全ての環境、要因、行動などによって大きく変わってしまうと思います。
3秒ルールにおいてこの食べ物がセーフでこの食べ物がアウトというのは非常に線引きが難しいように感じます。
落ちた場所によってセーフの時間は違う!
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さらに、落ちた地面の先が何か?は3秒ルールにおいてセーフかアウトか決めることにおいて最大の要因だと思います。
まずは、大きく分けて屋内か、屋外ということになりますが、食事をする環境は屋内が圧倒的に多いので、屋内から考察していこうと思うのですが、屋内と言っても、材質は、フローリングや、カーペット、畳、またそれ以外のもので分けられます。
さらに、そこがきちんと清掃されているかどうかという問題があります。
こちらに関しては、清掃されていない場合、度合いにもよりますが、圧倒的大多数が3秒ルールがセーフではなく、アウトを選ぶという意見が多く見られました。
3秒以内であろうが目に見えて汚れている所に落ちた食べ物を拾うという行動を取る人は限りなく少ないようです。
バクテリアやウイルス等肉眼で見えない菌ならまだしも、清掃されていない場合ほこりやごみ等、目に見えて不衛生なものが食べ物に付着するのでセーフにはならないのです。同様の理由で畳、カーペットも抵抗がある方が多くこちらもセーフにはならないようです。
また、屋内で3秒ルールがセーフかアウトかを考えうる他の要因として、自宅か外食かという側面でも考えられます。その場合外食では落ちた食べ物はセーフではなくアウトだという意見が大半でした。
こちらは衛生の面からも、もちろんセーフではなくアウトなのですが、加えて人の目があるというのが大きいようです。
日本人は特に他との調和、悪く言うと人の目を気にする民族ですから、その点の方ががセーフにならない大きな要因のようです。人が見ていると落ちた食べ物を拾う行動を取る人は皆無のようです。
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一方、屋外においては3秒ルールがセーフかアウトかどちらでしょうか。これはほぼセーフの方はおらず、アウトという意見でした。
中には手で払って食べるという強者もいましたが、たとえ3秒であってもセーフにはならないようです。3秒ルールがセーフ、アウト以前の問題でした。
なぜかというと、まず、先述の外食の話と同じで、他者の目が存在するからです。そのような奇異に見られる行動はセーフにはなりません。それに加え一番大きな要因はやはり、衛生上の問題によりセーフとはならないようです。
屋外では、地面となりうるのはアスファルトや、土や、砂などです。普通に目に見えて食べ物に汚れが付着するので不衛生ですし、ほぼ絶対にセーフではないと考える方が多いです。
見た目以前に何しろ不特定多数の人間が土足で幾度も踏んだところに落下した食べ物は心象的にも間違いなく不衛生ですから、3秒ルールでセーフは通用しないようです。
落ちた地面の先が何か?という点でセーフかどうか見ると一概には言えませんが一般的には大きな要因は2つです。他者の目がないということ、肉眼で確認できる汚れが付着していないということだと思います。これがセーフになるかならないかの基準だと思います。
少し角度を変えて年齢ということを基準に見てみたところ、それによっても3秒ルールにおけるアウト、セーフの判定に誤差があるようです。
どちらかというと年配の方(60歳以降)は3秒ルールに関してずいぶん寛容な意見が見られれ傾向にありました。結論から言うと圧倒的にセーフ派が多く、3秒どころか手で払えばセーフ。下がよっぽど汚い場合以外はセーフ。などかなり寛容でした。
その背景には、セーフとかアウトという基準以前にモノを粗末にしてはいけないという思想があるようです。
そして、30~50歳代の方はセーフ、アウトの意見が割れていました。完全アウトから、状況や場面によるというもの、ほぼ完全にセーフだというものなど、多種多様でした。
どちらかというとこの年齢層は下に行けば行くほどアウト寄りで、その逆はセーフという傾向にありました。
しかし、それより下の年齢になると、アウトの方は非常に多く、セーフは完全に少数派でした。ありえない。そもそもそんなルール知らない。という方までいました。
半数まではいきませんが3秒ルールの存在すら知らない方も見受けられました。3秒ルールがセーフなんてとんでもないという感じです。
加えて、どちらかというと男性はセーフ派が多く、女性はアウト派が多いことも挙げておきます。
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これらは何を示唆しているかというと、60代以上の方は若くとも昭和30年代前半生まれ、30歳までは大体昭和30年代後半~昭和60年代の昭和生まれ、それ以降は平成生まれが大多数ということになります。
つまり、1つ目に挙げた3秒ルールはいつからあるの?の答えとした昭和30年代~50年代に3秒ルールができたという内容と3秒ルールの認知度、また、それに伴うセーフ、アウトの判断基準などが完全一致ではないですが、重なっているということです。
さらに、昭和生まれの人までは3秒ルールが知れ渡っていてセーフの人が多いけれども、平成生まれ以降知らない人が多く、また、そのような行動を取ることへの抵抗があり、セーフ派が少ないということも分かります。
これは平成以降は3秒ルール、それに伴うセーフとされる行動、思想がいつからか廃れていったということの一つの証明になるのではないでしょうか。
ここまで、3秒ルールは本当にセーフという観点で見ていきましたが、その人の性別、性格、生育環境、状況、場所、行動など多種多様な要因があるので、一概にセーフ、アウトは決定しづらいです。
しかし、3秒ルールにおけるほぼセーフに近いもの、ほぼアウトに近いもの等はうっすら理解いただけたのではないでしょうか。
ただし、これらは全て科学的根拠に欠く意見であり、簡単に言えば、3秒ルールがセーフかそうでないかはその人や、モノ次第ということになってしまいます。
科学的根拠を持たない意見を答えとするのは、少し説得力に欠けるので、本当に3秒ルールがセーフなのかをもっと突き詰めて調査しなければなりません。
それでは、その3秒ルールがセーフなのかどうかという科学的根拠に関する内容は、次の見出し「3秒ルールの科学的根拠はある?」に移り、説明したいと思います。
3秒ルールの科学的根拠はある?
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こちらでは科学的根拠を元にしながら、前述の3秒ルールはセーフかどうかという内容を突き詰めて参りたいと思います。
この3秒ルールという思考を元にした行動がセーフなのかどうかについては、各国の多数の人が科学的根拠に基づいた実験を用い、調査しています。国境を越えて皆、3秒ルールがセーフかどうかやはり気になっているようです。
まず、最初に紹介するのは、イギリスにあるアストン大学のアントニー・ヒルトン教授が実施した実験です。教授は科学的根拠に基づく実験を行う前に500人を対象に「落ちたものを食べるという行動をしたことがありますか」というアンケートを取ったそうです。
結果は87%の方が「ある」と答えたそうです。イギリスと日本でまた微妙に違うとは思うのですが、3秒ルールセーフ派が非常に多いです。
また、それよりも、イギリスでは女性の方が割合として「ある」すなわち3秒ルールをセーフと判断した人が多かったことにやや驚きました。
その結果を受け、教授は様々な食べ物を様々な材質の床に落とし、その時間を測定し、食べ物にどれだけ有害なバクテリアが付着、繁殖するかの科学的根拠に基づいた実験を実施しました。
その結果、「目に見えて汚れた場合食べるべきではないが、明らかに汚染されていなければ、室内の床に数秒落ちたくらいでは、食べ物に有害なバクテリアが付く可能性は低いということの科学的根拠を示した」と教授は発表しました。すなわちセーフだということだと思います。
また、食べ物の種類によってそれは異なるという見解も示しました。具体的には堅い食べ物の方が、柔らかい食べ物に比べて有害なバクテリアが付く可能性は低く、食べ物の種類によってもセーフかアウトかは異なるということでした。
イギリスなど欧米では3秒ルールではなく、5秒ルールだと聞きますが、この結果は3秒ルールにおけるセーフが科学的根拠に基づき、証明されたとも言えます。ただし、教授は科学的根拠に基づいて証明されただけで、安全を保障するものではないとも付け加えています。
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次に紹介する、科学的根拠に基づく実験は、2007 年にアメリカのクレムゾン大学の研究チームによって実施された実験です。
科学的根拠に基づく実験の内容はアントニー・ヒルトン教授の実験と類似していて、食べ物を落とし、拾い上げた時、最初に比べ菌がどれだけ増殖するかというものでした。
しかし、結果はアントニー・ヒルトン教授とはやや異なり、「5秒であろうが、それ未満であろうが、菌の数はほぼ変わらないし、むしろ最初の清潔とされていた状態で菌が多数存在することの方が問題である」との科学的根拠に基づいた見解を発表しました。時間における菌の増殖という点ではセーフ?になるのでしょうか。
3秒ルールにおけるアウト、セーフで言うとこちらはやや微妙です。なぜかと言うと菌自体の数はほぼ変わらないという点で見るとセーフ寄りなのではないかと思いますが、元々汚いということなので、そもそもアウトのような気もするからです。
さらに、2012年、イギリスのメトロポリタン大学は、ジャムを塗ったパン、茹でたパスタ、生ハム、ビスケット、ドライフルーツなどを3、5、10秒間床に置き、バクテリアの付着量を科学的根拠に基づき調査しました。
その結果は塩分や砂糖を多く含んでいる食品ほど菌による汚染が少なく、すぐに拾えば食べても人体に有害な影響は及ぼさないであろうという科学的根拠に基づいた結果を発表しました。
一方でパスタやドライフルーツからは敗血症の原因にもなりうるクレブシエラ菌が検出されるなど科学的根拠に基づいた危険も示しました。
つまり、いつから放置したなどの時間にはあまり関係なく、落とした物によっては拾って食べても大丈夫な可能性が高い。つまりセーフということが科学的根拠より示されたと言えます。
ただし、こちらもセーフと言えばセーフですが、安全を保障するものではないようなので非常に複雑です。
その他にも様々な3秒ルールにおけるセーフ、アウトの判断を科学的根拠に基づく実験、科学的根拠に基づいた証明等がなされています。
これらは要約すると地面に食べものを落とし、拾う行動をとったとしても、科学的根拠が示しているのは、菌はほぼ増殖することはないし、時間もほぼ関係ない。ただし、状況、環境によっても違うし、安全を保障するものではないということです。
このことは、すなわち、3秒ルールは科学的根拠から照らし合わせた場合かつ、一定条件の下ではセーフといえばセーフであるということではないでしょうか。
あくまで科学的根拠に基づく実験において、食べ物を落とすという行動をとった場合に3秒ルールはセーフであるというだけで、前述のように様々な要因があるので重ね重ねですが安全を保障するものではないのでご理解ください。
不二家には3秒ルールがあった?
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最後は不二家には3秒ルールがあった?という少し違った切り口で話を進めようと思います。
不二家とは、1910(明治43)年創業の100年以上続く老舗の、洋菓子、ケーキを製造、販売している会社で、人気キャラにはペコちゃんやポコちゃんなどがいます。不二家のケーキを食べたことのある方も非常に多いと思います。現在は山崎製パンの子会社になっています。
その不二家の3秒ルールとは、2007(平成19)年に起きた不二家埼玉工場での18件の消費期限切れおよび賞味期限切れ原料の使用問題にまで遡ります。
この不二家が起こした問題をもっと詳細にみていくと、不二家は2006(平成18)年10月と11月の計8回にわたり、埼玉県の不二家埼玉工場でシュークリームを製造する際に、賞味期限が切れた(実際は不二家の「社内規定の使用期限」が切れた)牛乳を使用していました。
このことは、同年11月までに社外プロジェクトチームの調査によって判明し、11月13日に不二家の管理職など約30人に向けてこの件に関する報告書が配布されました。
この報告書の中に「マスコミに知られたら、雪印乳業の二の舞になることは避けられない」という表現がありましたが、これは不二家に委託された外部コンサルタント会社が危機意識を喚起する意図で使った表現だったとされています。
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結局このことは内部告発を受けた報道機関の手によって世間に公表されることになりました。その後、不二家は2007年まで消費期限切れの材料を使用しただけではなく、日常的に不衛生な材料の使用があったと報告したのです。
その騒動のさ中、不二家内に「床落とし3秒ルール」というものがあったと一部マスコミが報じました。
この「床落とし3秒ルール」というものは、先述の3秒ルールを適用し、床に商品を落としても3秒以内に拾い上げたならばセーフであるというものです。こちらに関してはいつから実施されていたのかは分かりません。
その際、不二家の広報担当者は「床落とし3秒ルール」に関して「そういう事実があったということは現在までに確認されていません。初めて聞きました」とコメントしたようです。
この報道がなされた当時、不二家の行動に対し世間は怒り、株価も下落し、100年近く築き上げた不二家の実績や信用は地に落ちてしまいました。
また、この一連の騒動をきっかけに他社でも食品偽装が相次いで発覚し、新語・流行語大賞のトップテンに「食品偽装」、今年の漢字に「偽」が選ばれてしまうなど、社会現象にもなりました。
いつから、そのような行動が不二家内に蔓延していたのかは定かではないですが、小さな一つ一つの意思決定行動が不二家という会社に最悪の結果を招いたのです。そしてそれは、言わずもがな当然の結果であろうと思います。
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不二家にこの3秒ルールがあったかどうかは定かではない部分もありますが、火の無い所に煙は立たないもので、3秒ルールはあったのではないかと思います。なければない方がもちろん良いに決まっていますが今となっては具体的な証拠もわからない部分も多いです。
3秒ルールがあったと仮定して話を進めますがいくら科学的根拠に基づいてセーフでも、安全を保障するものではないですし、心象的には3秒ルールがセーフかアウトかの判断はその人次第になります。
また、不二家が提供していたのは商品です。例えば外食に行って食べていた料理を落としてそれを店員さんが拾い上げる行動を取り、「3秒ルールだからセーフです。食べてください。お金はもらいます」なんて言おうものならば、たちまち争いが起こってしまいます。
3秒ルールがセーフかアウトか、科学的根拠があるかないか、もはやそのような問題ではないと思います。自分の口に入ることを想定し、作業をし、行動していたならば、そんなことは起こりえなかったのではないかと思います。
あれから10年以上が経ち、不二家は今も続いていますが、多くのものを失ってしまったと思います。不二家が今も続いているのは、意識改善、経営努力による賜物であることは間違いないでしょうが、不二家ブランドは明らかに全盛期の力を失ったように思えます。
恐らく以前は、不二家で誕生日ケーキや、クリスマスケーキを買っていた各家庭からの信用もまだ大半を取り戻せていないと思います。
今回は不二家の話でしたが、不二家だけの問題ではなく、一度失った信用を取り戻すのは本当に難しいことです。自分自身の行動を見つめなおし、今一度自分に置き換えて思考し、行動していくことが大切だと思います。
3秒ルールまとめ
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今回は、3秒ルールについて調査したことを以下にまとめていきたいと思います。
3秒ルールとは?:3秒(地域や国によってその秒数は異なる)以内であれば、落とした食べ物を拾っても食べられる。すなわち、セーフであるというルール。
3秒ルールはいつからあるの?:3秒ルールの「3秒」の部分に関しては、有力な説としてバスケットボール由来説、プロレス由来説の大きく2つがあり、「いつから」という点では、早くとも昭和30年代、遅くとも昭和50年代前半にできたという説が有力である。
3秒ルールは本当にセーフ?:これに関してはその人が育ってきた環境や、要因によって判断基準が異なり、また、食べ物の種類や、落とした先などによってもかなり違い、かつ、年代、性別によっても大きく異なるが、限りなくセーフに近い条件、アウトに近い条件は存在する。
3秒ルールの科学的根拠はある?:各国の有識者達が科学的根拠に基づき3秒ルールがセーフなのかアウトなのかという実験を実施している。その結果は菌の増殖という面で見ると圧倒的にセーフの結果が多い。しかし、それは安全を保障するものではない。
不二家には3秒ルールがあった?:過去になされた報道などにより、3秒ルールは「あった」可能性はある。その結果信用を失い、100年続く不二家ブランドは今もその信用の完全回復には至っていない。
いかがでしたでしょうか。
今回は昔から有名で、広く知れ渡っている3秒ルール、それに伴うセーフはあるのかないのか、科学的根拠はあるのかないのか。また、会社単位でその3秒ルールに基づいて行動してしまった不二家などについて調べていきました。
調べていて、正直3秒ルールの深さについて驚きました。筆者はどちらかというとセーフ派ですが、皆さんはどちらでしょうか。
3秒ルールセーフ派の皆さま、くれぐれも安全を保障するものではないのでご注意ください。