シュレーディンガーの猫の意味とは?実際どうなのか検証まとめ! | ToraTora[トラトラ]

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皆様はネットサーフィンをしている時、シュレーディンガーの猫(もしくはシュレディンガーの猫)という単語を目にしたことはありませんか?哲学の話を扱う物語だったり、タイムパラドックスが題材の話にも登場したりします。

ですが、そのほとんどの場合は名前だけ登場するけどシュレーディンガーの猫の内容は詳しく解説されなかったりするのが大半ではないでしょうか。

筆者は数年前にとある小説でこの言葉を初めて目にしたのですが、その時は単語のみで中身はさっぱりわからず仕舞いでした。とりあえず「ファンタジーな内容に関することなんだ」とかフワッとした感じです。

実際そこまで深く調べなくても話の雰囲気は理解できたので、筆者もいちいち深くは追及せずに話を読んでいたのです。ところが、こちらのシュレーディンガーの猫、調べてみると色んな意見があってとても面白い内容になっています。

小説を書く際などは、これ一つで一つの題材として書けそうです。ファンタジーや想像、仮定の話が好きなかたには是非知って頂きたいです。

シュレーディンガーの猫の意味を解説!

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それでは、シュレーディンガーの猫とは一体なんなのか。どういう意味なのかを実際に解説していきたいと思います。

これを知っていると、アニメや小説、漫画のお話がもっと面白くなるかもしれません。

【1】元は量子力学の命題

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そもそもシュレーディンガーの猫とは、漫画や小説の中で創造された造語などではなく、大雑把に言えば現実でされた思考実験の一つです。シュレーディンガーさんが飼っていた猫だとか、猫がなにかの暗喩であるとかそういったことではありません。

単語だけ見ると猫というところに注目がいきがちですが、例えばシュレーディンガーの犬だったりハムスターだったりしても考え方としては変わらないでしょう。

元は19世紀末から20世紀初頭から始まった量子力学(量子論)に遡ります。1926年、量子力学の実験に関してこれを数式にして現す方程式が発見されました。この数式の基礎を固めたのが理論物理学者のエルヴィン・シュレーディンガーという人物であり、その基礎方程式のことをシュレーディンガー方程式と言います。

この数式の発見というのは、それまでの物理学としての考えに対して重要なことでしたが、完全なものではないとエルヴィン・シュレーディンガー自身も考えていました。

しかし、その翌年の1927年、ニールス・ボーアという人物を主としたコペンハーゲン学派がまた新たな発表をします。ここからがシュレーディンガーの猫の内容に関係していく部分であります。

その発表というのが、「事象は重なり合った状態で存在している」というものです。これは「そうである状態」と「そうでない状態」は重なり合っている、つまりあるとも言えるしないとも言えるが、自身もしくは他人がそれを確認して初めてあるかないかがわかる(事象が定まり結果は発見した状態に収束していく)ということです。

この考え方にはシュレーディンガーや、かのアインシュタインなど多数の人物から否定的な意見を寄せられました。ですが、様々な実験や実証を元にこの考え方も次第に量子力学では認めらめるようになっていきます。

これに対して1935年にシュレーディンガーが発表した思考実験がシュレーディンガーの猫、と呼ばれるものです。思考実験とは、呼んで字のごとく想像の実験です。

【2】シュレーディンガーの猫の内容

@tuna106がシェアした投稿 – 2017年12月月5日午後7時18分PST

さて、それではシュレーディンガーの猫について実際に触れていきましょう。思考実験なので、ご覧いただいている皆様にも想像していただきたいと思います。

用意する物は蓋があり密閉状態にできる不透明な箱、少量の放射性物質とその放射能の測定器。この測定機に青酸ガスの発生装置を繋げておき、放射性物質が原子崩壊すると測定器が反応して青酸ガスが発生して箱の中に充満するようにしておきます。

この放射性物質が一時間の内に原子崩壊を起こす可能性は50%とし、箱の中に一匹の猫を入れて密閉します。

専門的な用語が多くて頭の中に入ってきにくいですが、要するに一時間の内に半々の確率で毒ガスが発生する装置を作り、その中に猫を入れて一時間放置してみましょう、というものです。

その結果、一時間後に猫が生きているか死んでいるか、果たしてどちらでしょうか。これがシュレーディンガーの猫の実験内容です。飽くまでも思考実験ですので、実際の猫が犠牲になっていたりはしません。そして、猫が生きているか死んでいるかという部分も然程大きな問題ではありません。

なぜなら、シュレーディンガーはこの思考実験を通して別のことを言いたかったからです。これに関しては、次の項目で説明します。

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シュレーディンガーの猫の実験において、実験結果は猫の生死の部分ではなく、その実験内容そのものにあったと言えます。では実験の内容を踏まえて今一度ご説明いたします。

まず、初めに用意した放射性物質ですが、これが原子崩壊する確率を50%としています。この50%というのが前の項目にありました「事象が重なり合っている」という状態に当てはまるわけです。量子力学において原子が崩壊するというのは確率的にしか説明できません。

事象が重なり合っているというコペンハーゲン学派の発表に当てはめれば、原子が実際に崩壊している、いないに関わらず、崩壊しているかどうかはこの実験の観測者が一時間後に自分の目で確認して、そこでようやく崩壊している、もしくはいないという事象に収束していきます。

次に、シュレーディンガーはこの事象を同じ実験の中で猫の生死という部分に当てはめました。前述した事象が重なり合っているということを踏まえれば、猫が原子崩壊で発生した毒ガスによって生きている確率も死んでいる確率も50%となります。

観測者は一時間後に放射性物質の入った箱を開けるわけですから、同じ箱に入っていた猫も生きている状態と死んでいる状態が重なり合っている、という事象になっており、その生死も観測者が箱を開けることでどちらかに事象が収束されていくことになります。

この2つの事象が重なっている状態という部分がシュレーディンガーの提唱したこの実験の一番の問題点であり、シュレーディンガーの指摘したかったことと言えるでしょう。

【事象は重なり合うのか】

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この問題点ですが、まず着目していただきたいのは放射性物質という専門的なものより、猫の生死が重なり合っているという部分です。皆様は、猫が生きているか死んでいるか、2つの事象が重なり合っているということが考えられるでしょうか。

難しい事はおくとして、普通に考えればまず考えられないと思います。なぜなら、一つの箱に「生きている状態の猫」と「死んでいる状態の猫」が一緒に入っていることになるのです。

シュレーディンガーは、この有り得ないという状態を一つの実験の中において量子力学に結び付け、また、同じ事柄を身近な猫という存在に結び付けて、より理解しやすくまとめたのだと思われます。

この実験でシュレーディンガーは、放射性物質が崩壊するかしないかの事象が観測者によって収束されるならばイコール猫の事象も50%の確率で収束しているはず、ならば猫の事象が有り得ないのであれば、またイコール放射性が崩壊するという事象も絶対ではない、と言いたかったのではないでしょうか。

つまり、この実験は事象が重なり合っているという解釈の誤りを指摘するために行われたものだと思われます。

【シュレーディンガーの猫の実験のまとめ】

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ここでは最後に、シュレーディンガーの猫がなんの意味であったかをまとめていきたいと思います。シュレーディンガーの猫という実験を踏まえて、その実験の大まかな道筋をまとめます。

まず、シュレーディンガーの猫で指摘したかったのは、量子力学の確率解釈の問題点です。それまでの量子力学においての原子の状態は放射線を放出する、または放出しないという2つの事象が重なり合うということで表されていました。

これを実験の中で猫と一緒にすることによって、上記のことが正しいならば猫もまた放射線を浴びて死んでいる、または放射線が発生せずに死んでいない、という事象が重なり合っていることになります。

しかし、この猫の状態というのは現実的には考えにくく、したがって放射線が放出する、しないという量子力学の考え方も誤りがあるのではないか、ということです。

この量子力学というものを猫に当てはめることによって、問題点を考えやすくしたのがこのシュレーディンガーの猫という実験です。シュレーディンガーの猫は、確率解釈の誤りを証明しようとしたものだったのです。

シュレーディンガーの猫は実際どうなの?

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このシュレーディンガーの猫は、実際に誤りを証明できたのでしょうか。

【実際に実験がもたらしたこと】

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実は、この思考実験が行われた後もこれに対して様々な意見、解釈がなされたようです。

ここではその内の幾つかを代表的に取り上げていきたいと思います。ここから出てくる多数の解釈は、より哲学的な考え方になってきます。

まず、どの様な解釈があるのか大きく分類してご紹介します。一つは、この思考実験を行う要因となったコペンハーゲン解釈があります。

さらに1957年のエヴェレットの多世界解釈、ファインマンの解釈、アンサンブル解釈、トランザクション解釈、と一つ一つを説明していくと大変長くなってしまうため内容は省略させていただきますが、シュレーディンガーの猫は実際どうなの?という疑問に関しては、新たな意見や問題点が議論される新しい大きな課題となったと言えるかもしれません。

その点で言えば、シュレーディンガーの猫の実験は誤りを指摘するという結果を成功させたとは言いがたいです。ですが、後年の現在に渡るまでその疑問部分を語られているということにおいて、この実験はある意味成功したと言えるのではないでしょうか。

【猫は実際どうなったのか】

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前述の通り、これは思考実験であり、実際に猫を用いて試されたわけではありません。

猫の生死は実際に重なり合っていたのか、いなかったのか、その答えとなるものは恐らく未だないでしょうし、それを私たちが導き出すのは大変難しいことだと思われます。

なにせ、これを追求していけば哲学的な考えに行き着くものですから、頭を悩ませるには重い議題となりそうです。私たちが観測した猫は生きていたのか、死んでいたのか、はたまたその両方であったのか、どの答えが正解なのでしょうか。

【現代でのシュレーディンガーの猫】

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シュレーディンガーの猫は、現代でも小説や漫画、ゲームなどでたびたびその名前を目や耳にすることがあります。

さらに、このシュレーディンガーの猫に対する解釈の内の一つ、エヴェレットの多世界解釈というのはパラレルワールドのことを指しており、こちらは主にSFを題材とした作品に多く用いられていたりします。

もしご興味のあるかたは、こちらのエヴェレットの多世界解釈を読んでみると面白いかもしれません。現代でも、シュレーディンガーの猫はそれをもとに様々なところで大きく影響をもたらしていると言えます。

【哲学】シュレーディンガーの猫まとめ!

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いかがでしたでしょうか。今回はシュレーディンガーの猫について解説させていただきました。パッと聞いただけでは可愛らしい響きですが、その内容は実に深いもので考えさせられるものがありました。

全体のまとめとしては、まずシュレーディンガーの猫とは理論物理学者、シュレーディンガーの思考実験のことであり、その中で登場した猫からシュレーディンガーの猫という名前が出来あがったものです。

そしてシュレーディンガーの猫は量子力学の実験でもあり、一つの説に対して反論するために発表されたものでした。この実験で猫が実際にどうなったのかを言及するものはありません。

実験の内容から量子力学と猫という身近な存在を共に例に挙げることによって、2つの事象が重なり合うことはあるのか、という部分を指摘するための実験でありました。

その結果、また新しい解釈が色々と生まれ、量子力学の新たな1ページを開いたものでもありました。パラレルワールドやパラドックスの存在は、現実には難しい考え方かもしれませんが、もしもあると仮定すると大変面白い話になるかもしれません。

この現象を取り扱う漫画や小説などの娯楽作品もあることから、まだまだ考えられることがあるものと思われます。現実には考えられないことだからこそ、想像の予知が生まれて色んな発想から素晴らしい作品も創作されるのでしょう。

皆様も、このシュレーディンガーの猫を元に今までの作品をもう一度見返してみると、面白い発見があるかもしれません。

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