引用: Pixabay
1995年に起きた、現在も未解決として扱われている事件をご存じでしょうか。その事件とは「八王子スーパー強盗殺人事件」です。
1995年7月30日に事件は起こりました。場所は東京都八王子市のスーパーマーケット「ナンペイ大和田店」です。ナンペイ大和田店が閉店した後にスーパーマーケットで働いていた女性スタッフが殺害されました。
そのうち2人はアルバイトの女子高校生だったといいます。
この事件は警視庁でも重大事件として取り扱われ、「大和田町スーパー事務所拳銃使用強盗殺人事件」という正式名称がつく事件となります。この事件は別名「ナンペイ事件」「八王子スーパーナンペイ事件」とも呼ばれています。
現在も未解決事件となっていますが、警視庁は強盗殺人容疑で捜査を続けています。この事件の未解決に伴い、事件の不透明さと不可解な事件であることが、ここからご紹介する概要で解き明かされていきます。
では、八王子スーパー強盗殺人事件についてをご紹介していきます。スーパーナンペイ大和田店で何が起きたのか、そして事件からどのような背景が見えるのか、亡くなった遺族などの情報についてをご紹介していきます。
事件が起きて数十年が経とうとしていますが、近年で判明した証拠や事件の詳細もご紹介していきながら、事件の本質についてをご紹介していきます。過去の悲痛な事件をたどりながら、二度とこうした事件が起きないことを願うばかりです。
八王子スーパー強盗殺人事件の概要!
【1】 1995年7月30日の午後9時15分に事件が起きる
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事件が起きたのは同上の日にちと時刻のことでした。
八王子市大和田町にあるスーパー「ナンペイ大和田店」の2階にある事務所で研寿を所持した何者かによって女性スタッフが殺害されます。
被害者はパート従業員の47歳の女性、そしてアルバイト従業員の16歳の女性と17歳の女性、いずれも女子高校生でした。
【2】 奪われた痕跡等は見当たらない
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殺害に至るまでの犯行時間は数分間だったとの証言があります。それは被害者のパート従業員である女性を迎えにくる知人が来るまでの時間と言われています。
ここで事件の特徴がわかります。それは殺害現場となった事務所から金品などのものが持ち去られていなかったことです。金庫盗も開けられた様子はなかったといいます。
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殺害された女性スタッフ3人の様子は、女子高生2人が粘着テープで口をふさがれ、2人のお互いの右手と左手を縛れた状態だったといいます。その状態から至近距離で拳銃を発砲された様子が見受けられ、2人いずれも即死状態だったということです。
一方、パート従業員の女性は拘束等されておらず縛られた様子はなかったものの、銃把で殴りつけられた様子があり、その後金庫の前に突き飛ばされたものとみられています。女子高校生が2人殺害された後に、左右の額に銃口を押し付けられ殺害されたとみられています。
【4】 使用していた拳銃について
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犯行で使用されていた拳銃は、フィリピン製のスカイヤーズビンガムと判明しています。
この拳銃の情報から、「銃の知識に詳しいもの」であると推測され、実際に使用されていた拳銃は性能が悪く、命中率も低いものであると判明しています。
つまり、至近距離からの殺害には提起しているからこそ使用したものであるという推定があります。
また、殺害をした犯人が拳銃を所持していたことから暴力団関係の人物ではないかという推測も挙げられます。事件が公になった際、各メディアが犯人についての情報を公開する際に拳銃を所持していたことから暴力団関係者ではないかという推察をし、情報がかく乱したという事実もあります。
【5】 事件から見える犯人像
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事件現場には様々な証拠が発見され、証拠の一つである足跡が計10個採取されました。そのことから実行犯は1人であると断定され、足跡から靴のサイズは26センチであると判明しています。
また、殺害の様子からも拳銃の扱いに慣れているものであると推測されます
殺害された3人はいずれも拳銃で頭部を撃ち抜かれた際、脳幹を見事に撃ち抜かれていたことからも判断されます。
また、粘着テープには犯人のものとみられる指紋の一部が付着していたことから、犯行時は素手で行っていたものと勘がれられます。また、粘着テープからミトコンドリアDNAを検出することができ、そのDNAがどの被害者のものと一致しなかったことから犯人のものであるという証拠もあります。
発見された足跡から、靴底のゴム部分が広島製のゴムメーカーの製品であることや、その靴が吉祥寺店や調布店で販売され取り扱っていることも情報として挙げられました。
【6】 犯人の報道について
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当時不可解な点が多い殺害事件ということから全国のメディアが事件を放送し、大きな話題となっています。週刊文春では「犯人の実名を挙げた暴力団関係者の手紙が存在する」と報じ、「実行犯として元自衛官の実名を挙げていた」とも告白しています。
また、日本テレビ等の報道各社は、別の事件で収監されている2002年に銀行強盗未遂で
逮捕された犯人が関与していると報道します。
その理由は、使用していた拳銃が強盗未遂の事件を起こした拳銃と酷似していることなどから関与が浮上していましたが、2007年7月に名誉棄損が認定されています。
そのことから、現在も班員が逮捕されておらず、犯人への目星も立たないままなのです。
【7】 目的情報の可能性を呼び掛けている
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事件が起きた当日、外ではお祭りが催されていました。普段よりも人通りが多かった中で起きたのです。
この八王子スーパー強盗殺人事件について、「ザ!世界仰天ニュース」で取り上げられた際にスーパーの中で不審な人物を利用客が目撃していたといいます。
それは閉店1時間前のこと、その時刻に何も買わずに店内で周りの様子をうかがう男がいたというのです。目撃した情報によると、被害者となった女子高生のうちの一人、稲垣則子さんとその男性とやり取りがあったという目撃情報もあります。
そして、警視庁の調査から、閉店直前にスーパーを利用していたというお客の情報提供を呼び掛ける掲示がされているのをご存じでしたでしょうか。 事件当日、午後の8時56分に生精算をして、スーパーナンペイの駐車場へと向かった男女が最後の利用客だったようで、そのお客が犯人に関する目撃情報、そして事件に関係のある情報を持っている可能性があるとのことです。
詳しくは警視庁のホームページ等に掲載されています。
【8】 近年、八王子スーパー強盗殺人事件の新たな情報が
近年、八王子スーパー強盗殺人事件の新しい情報が公開されました。それは犯人が使用していたとみられる靴が9足公開されたとのことです。
靴のサイズは26センチで、生産時期は1990年から1994年の間で、現在は製造されていないとのことです。
これらの情報から、過去の情報から靴を使用していた人が発見されるなどした場合には速やかに情報提供をしてほしいと呼び掛けています。
さらに、八王子スーパー強盗殺人事件のもう一つの新たな情報は、事件当時採取していた指紋と一致する男が発見されたとの情報です。
指紋は女子高生が縛られていた粘着テープから採取されたもので、その指紋とほぼ一致した人がいるといいます。
しかし、一致した人物はニュースの一報があった2015年の10年前にすでに死亡していました。日本人の男性で、病死で死亡しています。
指紋が一致した男性は、八王子に土地勘があると警視庁が発表しています。指紋が一致したこもかなりの有力情報であるという発表もされています。調査から、この男が拳銃の使用に長けたものなのか、現在も調査中とのことです。
【9】 普段から事務所は施錠されていないことがあった
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殺害現場となった事務所は、普段からドアの施錠をしていなかったようで、以前泥棒が入ったことがあるそうです。
そのため普段から施錠をしていなかったこと、そして閉店直後に3人が事務所に入った直後に襲われたと考えられます。
【10】 盗まれたものはなかった
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事件現場から、盗まれたものが見当たらなかったこともあり、様々な事件の関連性が推測されましたが、殺害された稲垣則子さんが倒れていた場所が金庫の前であったことから、犯人は稲垣さんから暗証番号を聞き出そうとしたところ断念し、殺害したという説もあります。
八王子スーパー強盗殺人事件の被害者情報まとめ
【1】 被害者1:稲垣則子さん(当時47歳)
ナンペイ大和田店のパート従業員だった稲垣則子さん。
前田寛美さんと矢吹恵さんが銃殺されたのちに殺害されたとみられています。
【2】 被害者2:前田 寛美さん(当時16歳)
ナンペイ大和田店のアルバイト従業員、前田寛美さん。
当日非番でしたが、中学時代から友人の矢吹恵さんとお祭りに行くために一緒にいたとみられています。
【3】 被害者3:矢吹 恵さん(当時17歳)
ナンペイ大和田店のアルバイト従業員、矢吹恵さん。
前田寛美さんと同じ女子高校生でした。夏休みのため、ナンペイ大和田店でアルバイトをしていたそうです。
八王子スーパー強盗殺人事件の被害者遺族の現在まとめ!
被害者となった3人の遺族についての情報は見当たりません。悲痛な事件の上、未解決の事件として取り扱われ長い年月が経っているためと思われます。
八王子スーパー強盗殺人事件から23年目となり、懸賞金の応募期間を延長するという発表がありました。
その情報公開に伴い、靴の情報公開や、新たに事務所に女性のDNA型が検出されたたばこの吸い殻が11本残されていたことも新たな情報として公表しています。
八王子スーパー強盗殺人事件の真相!
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現在、ナンペイ大和田店の跡地は駐車場となっています。ナンペイ大和田店は一度店舗名を変えて営業を再開しましたがうまくいかずに閉店しました。
このような事件が起きてしまったというイメージは、店舗を経営する経営者にとってもイメージダウンにつながるものとなったと考えられます。
さて、ここまで八王子スーパー強盗殺人事件についてをご紹介していきましたが、犯行現場の様子等をここでまとめてみます。
事件の発見時、事務所の鍵は開いていたこと。そしてなくなった3人は違う形で殺害されていたこと。
この不可解な点は、上記で少しご紹介した稲垣則子さんの殺害現場の様子から考えられます。
稲垣則子さんは金庫の前で倒れた状態で発見されています。しかし、拳銃を発砲した場所は3人だけでなく、金庫にも拳銃跡があったそうです。
そのことから、稲垣則子さんに何らかの指示を犯人が出し、それを拒否したために殺害されたとみられています。
さらに、金庫をこじ開けようとした痕跡もあったことから、これらの事件は強盗事件と関係性があると考えられています。犯人がどうして断念したのかは不明ですが、事件の痕跡から見えてくる事件の理由も明らかとなっています。
また、10年ほど前に死亡した男以外にも、八王子スーパー強盗殺人事件に関与していたと思われていた男性をご存じでしょうか。
この事件について情報を持っていう可能性があるとして、カナダ在住の中国人の男をカナダから日本へ引き渡すことが認定されます。詳しい関与はわかりませんが、何らかの関係性があるという見解です。
しかし、カナダと日本では罪人の引き渡しを認める罪人の引き渡し条約が締結されておらず、カナダの裁判所で認めるかどうかの審議があり見事可決して許可が下ります。
このカナダ在中の中国人は、以前他人の名義で日本から出国したため逮捕状を取っていたため、可決して日本に送還されると同時に有罪判決を受けています。
しかし、この中国人の男は事件と関係性がなく、警視庁の任意聴取でも有力な情報を得ることができませんでした。そして男性は事件に関与がなかったと判断され、カナダに帰国することとなります。
この事情聴取は、後に弁護人が「起訴はナンペイ事件の取り調べを目的にしており違法」だと指摘しています。
そして、この数十年たった後に、指紋が一致した男性を発見します。この男はすでに死亡していますが、捜査関係者の取材からこの男が「強盗でもやりませんか?」と、周囲に話を持ち掛けていたという証言もあります。
さらに、この男の元同僚が暴力団関係者であることも情報として挙がっています。警察の任意の事情聴取にも生前受けていたようですが、事件当日は「ソフトボール大会に行っていた」とアリバイがあると主張していたようです。
事件が数十年と経ち、長く苦しい日々が続いてきた遺族にとっても、事件の進歩は報われる思いであると感じます。
しかし、時が経ちすぎたこともあり、当時の事件の証拠や指紋等は厳重に保管されていたとしても関与していたとみられる男性がすでに亡くなっていたとなると、居たたまれない思いであることは間違いありません。
さらに、事件の現場の証拠から、女性のDNAが検出されたたばこの吸い殻も発見されていることから、事件の関与をほのめかす人物は病気で亡くなった男性だけではないのかという憶測も事件の詳細が迷宮入りする事実でしょう。
しかし、事件は未解決のままですが、数十年の時を得て有力な情報が出てきました。
非常に悲痛な事件であったことから、早期に解決を願うご遺族の方の意向もあります。近年公開された情報をもとに、昔のことをしっかりとたどり思い出して有力な情報提供を求めます。
そして、一刻も早い事件解決を願うばかりです。