和歌山毒物カレー事件の概要!現場や動機&冤罪・次女真犯人説まとめ

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和歌山毒物カレー事件とは?

引用: Pixabay

和歌山毒物カレー事件をご存知でしょうか。

和歌山毒物カレー事件とは、和歌山県和歌山市園部で発生した毒物混入の無差別殺傷事件のことです。無差別的な殺人事件、また、ヒ素を使った人為的な殺人として、当時は多くニュースに取り上げられました。

そんな大事件である和歌山毒物カレー事件ですが、現在も林眞須美は犯行を否認しており、真犯人は不明、さらに、冤罪説も流れています。

犯人とされている林真須美は、現在死刑囚として監獄中ですが、一体どういった理由から冤罪説が流れているのでしょうか。また、犯人である林真須美の動機は何なのでしょうか。

今回の記事では、事件当時の現場の様子や、真犯人説が浮上している人物についても合わせて述べていきます。ぜひご覧ください。

 

和歌山毒物カレー事件の概要は?

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1998年7月25日の夕方ごろ、和歌山県和歌山市園部地区で、夏祭りが行われていました。

そこで起こったのが、和歌山毒物カレー事件です。概要についてお話していきます。

 

夏祭りの現場の様子


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現場は、毎年、地域で恒例となっている夏祭りでした。

例年通り、老若男女が楽しく参加する夏祭りだったと言います。地域仲も非常に良い地域だったそうです。

また、この毎年恒例の夏祭りでは、自治会の女性らが調理するカレーがおいしいと評判でした。お祭り当日の朝から、長時間煮込むことで、野菜や肉の旨味がしみ込んだ人気のカレーだったそうです。

ですが、その夏祭りの場所で販売されていたカレーに毒物が混入されていたことで、大事件になりました。そのカレーを食べた人のうち、67人が中毒症状を起こし、4人が死亡してしまったのです。後に、和歌山毒物カレー事件と言われます。

 

死亡した人は?


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多くの人には、『和歌山カレー事件』という名称で呼ばれ、連日テレビで報道するニュースになりました。無差別の殺人であった点などが、人々から注目を集める理由だったと考えられます。

実際に、病院の場所に搬送されたのは、カレーを食べた67人で、腹痛や吐き気などを訴えていたそうです。死亡したのは、4名でした。

  • 地元の小学校に通う小学4年生の男子児童
  • 地元の公立高校に通う高校1年の女子生徒
  • 園部第十四自治会の会長
  • 同じく、園部第十四自治会の副会長

死亡した被害者4人は皆、この夏祭りで配布されたカレーを食べていたそうで、死亡した当初からカレーに異常があったのは明らかでした。

ただ、会場で食べた人もいれば、自宅に持ち帰って家族と食べていた人もいたなど、4人とも異常を起こしたシチュエーションや場所は様々だったと言われています。

実際にカレーを食べていた人の証言を聞くと、「何も味がしなかった」「おかしいとは思ったけれど、毎年美味しいカレーだから構わず食べた」「作ってくれた人に悪いから全部食べた」「お祭りという場所だったからあまり深くは考えなかった」と言います。

皆、食べていた当時から、少しながら違和感は感じていたようです。

 

当初は食中毒とされていた…?

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当初は、現場に嘔吐者がたくさん出ていたこと、また、お祭り会場の場所で、食後すぐに死亡した人がいなかったということもあり、食中毒によるものと判断されていました。保健所が、現場の判断で、そう発表していたのです。

しかし、お祭り当日の夜に死人が出始め、食中毒ではないのではないかという見解が拡がります。和歌山県警は吐瀉物を検査することを決定しました。

そこで、青酸の反応が出たことから、カレーで嘔吐した原因は青酸中毒によるものだと判断されました。

しかし、その後、学識者などからの指摘を受け、警察庁の科学警察研究所が改めて調査したところ、亜ヒ酸の混入が判明したのです。

そこで、食中毒でもなく、青酸中毒でもなく、ヒ素という毒物が混入していた事件概要が明らかとなります。

明らかな人為的な殺人であることがわかり、警察による調査が始まります。

 

どうして林眞須美が犯人になったのか?

 

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事件当時、被告人として起訴されていたのが、無職の女性・林眞須美(はやし ますみ)です。

そもそも、林眞須美は自治会員の一人としてカレーの係に携わっていました。そこで、見張りの役になっていたため、事件現場の中枢に関わっていました。

その見張りは、ガレージに置いてあるカレーの鍋の場所をただ見張り続ける単純な仕事でした。シフト制にして、自治会員などの近隣住民が交代でカレー鍋の場所に行き、見張りを行っていたと言います。

事件当時、現場では、林眞須美が、娘である次女と一緒に2人でカレーを見張っていました。そこで、毒物を入れていた現場の目撃証言があったわけではありませんでした。

直接的に逮捕に繋がった理由は、毒物として使用されたヒ素が、林の自宅という場所にあったからです。

警察庁の科学警察研究所が検査した結果、カレーに含まれていたヒ素が、林眞須美の自宅場所にあるヒ素と一致し、それが理由となり、逮捕に繋がります。

 

なぜヒ素を待っていたのか?

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では、なぜ林がヒ素を持っていたのか、ということですが、そこには真っ当な事実がありました。夫・健治が、かつて白アリ駆除会社を経営しており、そこでヒ素を使用したというのです。

廃業後もヒ素を所持していたため、家にあったということでした。

白アリ駆除において、ヒ素の効果は非常に強力です。耳かき1杯分を床下場所に散布するだけで、その後の白アリ駆除が一切必要なくなると言われています。

このため、ヒ素を含んでいる駆除剤は、白アリ駆除に多く利用されているのです。業界では、白アリ駆除業者の90%以上が、駆除現場で、このヒ素を含む駆除剤を利用していると言います。

白アリ駆除する際に利用していたヒ素を処分しきれず、長い間、自宅に放置していたのでしょう。

 

ヒ素を利用して保険金犯罪を繰り返していた?

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ただ、廃業後しばらく時間がたっているのに、ヒ素が大量に家にあるのは少し違和感を感じます。そこには、驚くべき事実がありました。

それが、保険金詐欺です。林眞須美は、プロの保険金詐欺師でした。夫・健治に、ヒ素を飲ませて、高度障害保険をもらっていたのです。

これは、和歌山毒物カレー事件の発生後、林眞須美が起こした恐ろしい犯罪として、明らかになります。

保険金を詐取するために、夫・健治にヒ素を飲ませ、故意的に多発性神経炎を発症させていたんだそうです。このため、普段からヒ素を多く利用していたのだと考えられます。

自ら夫・健治がヒ素を飲んでいたのか、死刑囚・林眞須美が隠して飲ませていたのか詳しいことはわかっていません。

ですが、林眞須美の母親は、急な脳卒中で命を落としており、そこには、1億4000万円の保険金がかけられていました。普通に考えても、人が亡くなってもらえる保険金は、こんなに多くありません。異常な金額であるため、この林眞須美の母の死にも、事件性が感じられます。

このため、世間一般では、林眞須美が夫・健治にヒ素を飲ませていたのだと考えられています。

もしかしたら、林真須美が、夫・健治を殺そうとしていたことも考えられますが、夫・健治もヒ素を自分が故意的に飲んでいたこと自体は認めているため、真相ははっきりとしていません。

ただ、ヒ素を用いて、夫婦ぐるみで保険金詐欺を繰り返していたことは事実です。詐取した金額は8億円に上るとも言われており、非常に悪質な犯罪を、ずっと行っていました。

 

和歌山毒物カレー事件の犯人・林真須美は収監中

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林真須美の現在はというと、2019年現在も大阪拘置所に収監中です。現在も、死刑囚として、監獄生活を送っています。

2009年に、和歌山地裁に再審請求を提起し、祭り会場に残された紙コップのヒ素が自宅から発見されたものとは異なることを主張していましたが、真実は明らかになっていません。

京都大学研究者も、事件当時のヒ素の鑑定方法は問題があり、最新技術で再鑑定をするべきだと述べています。

 

和歌山毒物カレー事件の現場詳細まとめ

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和歌山毒物カレー事件が起きた現場は、お祭り会場です。お祭り会場で販売されたカレーに、ヒ素が混入していたことで、事件になりました。また、当日販売されるまで、煮込み続けられていたカレーは、ガレージにありました。

そこで、ガレージでカレーを見張っていたのが、林真須美であり、また、自宅にヒ素があったため、犯人となっているのです。このため、林真須美が犯人である理由は

  • カレーを見張っている際に、確かに事件現場におり、ヒ素を入れる機会があった
  • 林真須美の自宅内の場所にはヒ素があり、カレーに入っていたヒ素は、東京理科大学教授の中井泉による鑑定の結果場では、同一とされた

の2点を根拠に判断されています。

つまり、現在、死刑囚として監獄中の林真須美ではありますが、完全な物的証拠があるわけではなく、状況的証拠や消去法によって、有罪判決がされており、林真須美本人も、罪を認めていない状況です。

このため、現在も「冤罪なのではないか」と考える人がいる不可解な事件なのです。

 

和歌山県和歌山市園部の事件現場の現在は

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和歌山毒物カレー事件の現場である和歌山県和歌山市園部の夏祭りの場所は、現在、個人宅が立っていると言います。

悪質な事件であったこともあり、面影を残さないようにしているのでしょう。まるで、何かがあったかのような跡は一切ありません。

林真須美の家族6人が暮らしていた自宅現場も、2002年に何者かに放火され、全焼してしまい、今は残っていません。公園になり、多くの幼児が遊んでる場所です。

 

林真須美の動機は?【和歌山毒物カレー事件】

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林真須美は1961年生まれです。

出身は、事件の起きた和歌山で、有田市内の小さな漁村で幼少期を過ごしました。上にお兄さんが2人いる、3人兄弟でした。

父親は控えめで、母親もまじめな性格だったそうです。母は、保険の外交員として働いていました。では、この事件を起こす動機はどこにあったのでしょうか。

 

林真須美の幼少期

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林真須美の両親は共働きだったそうで、林真須美自身が、女性ということもあり、よく家の手伝いをしていたそうです。近所では、有名な負けず嫌いな性格で、いろいろなことに活発に取り組む子供だったと言います。

ピアノが得意だったそうで、近所の子にはよく自慢したり、披露したりしていたそうです。

両親は共働きだったこともあり、お金に不自由なく育ったのではないか、と、幼少期の林真須美と親しかった友人や小学生のときに同じクラスだった友人は言います。明るく可愛いらしく、友人の多い性格だったみたいです。

 

林真須美の思春期(10代)

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林真須美と言うと、逮捕以前のメディア・報道陣に水をホースでぶちまけたこともあり、その乱暴的で大きな体型の姿が印象的な人も多いでしょう。ですが、思春期の林真須美の体型は、非常に痩せ型で控えめだったと言います。

ただ、性格は少し厄介だったそう。当時の林真須美を知る友人は、普段は静かな子だったけれども、負けず嫌いだった、と言います。

特に、普段は穏やかですが、怒るとヒステリーを起こすのは、学校やクラスでウワサになっていました。特に、テストの点数が悪いときや、小学生のとき、クラスのイベントで自分の思う通りにいかなかったときに機嫌がすぐ悪くなった、と言います。

高校は、和歌山県立の高校に進学しています。甲子園にも出場している箕島高校です。在学中にも、甲子園には出場しており、荒れている様子などが一切なく、スポーツが盛んな健全な高校でした。ただ、その分、厳しい規則も多く、林真須美としては、窮屈な環境だったのかもしれません。

高校卒業後、林真須美は、看護学校に進学しました。そんな中、何かの縁あってか、林真須美は、夫・健治に出会います。

驚くべきことに、夫・健治は、当時は35才でした。林真須美は、当時19才だったので、一回り近く年が離れています。さらに、林真須美と出会った当時の夫・健治は既婚者だったと言います。

ただ、当時から、白アリ駆除を仕事にしており、会社を経営していたため、林真須美の目には、非常に魅力的に映ったようです。実際に、その時の健治は、金遣いが荒かったと言います。

いつから交際したのかはわかりませんが、二人は出会った当時から深い仲になっていました。

当時の林真須美の友人などが証言しています。このときの林真須美の性格はよくはわかりませんが、友人のいる活発な存在ではあったようです。

 

林真須美の成人期(20代)

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林真須美は、1983年、22才の時に、夫・健治と結婚します。

出会ってから3年。夫・健治が、嫁と離婚した後すぐのことでした。ちなみに、夫・健治にとっては、以前2度の離婚経験があったので、これが3度目の結婚でした。

知り合ってから3年たっていたこともあり、結婚後しばらく、2人の仲は良好でした。しかし、やがて、夫・健治のキレやすい性格がDVを生みます。

新居はアパート。夫婦共働きで、貧乏生活を送るところからスタートでした。和歌山毒物カレー事件の報道を見ると、死刑囚・林真須美と夫・健治は裕福な暮らしをしていたように見えますが、もとはただの貧乏人だったのです。

結婚後、林真須美は、飲食店でのアルバイトなどをしていました。夫婦喧嘩やDVも多かったようですが、その後、長男と長女が生まれます。そこで、生活に新たな風が吹くと思いきや、夫・健治の白アリ駆除の会社が倒産してしまいます。

業界の都合もあったようですが、一番大きかったのが、夫・健治が真面目に仕事に取り組んでいなかったことでしょう。もとから、ギャンブルが好きで、大金を手に入れると機嫌が良くなる、そんな荒々しい男性でした。

長男は、札束を持って機嫌よく荒ぶる父の姿を、今でも覚えていると言います。

 

林真須美の中年期・保険金詐欺(30代)

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そうして、夫婦内で、保険金詐欺に手を染め始めるのです。

前述した、ヒ素を夫・健治に飲ませただけではなく、ヒ素を利用せずとも、さまざまな手法で、保険金詐欺を行います。

林真須美は保険外交員としての就業経験があり、さらに、林真須美の母も保険会社に勤めていたため、知識があったのです。

夫婦ともに無職であるのに、生まれて間もない子供から小学生・中学生の子供4人を抱えながら、敷地360平方メートルを超える豪邸に住んでいるなんて、もとよりおかしな話です。

現在明らかになっている事件概要以下の通りです。

  • 夫・健治がバイク事故を偽装し、約2000万円を手に入れる
  • 死刑囚・林真須美がバーベキューの炭火に、自転車で突っ込んでしまい両足火傷を偽装、約500万円手に入れる
  • 死刑囚・林真須美の67才の母親が脳卒中で死去し、保険金1億4000万円を受け取る(保険金を1億4000万円もかけていたとは考えづらいので、何らかの意図的な曲筆の可能性あり)
  • 夫・健治が飲むくず湯にヒ素を盛る(母同様、死亡保険金1億4000万円をかけていた)
  • 知人男性にヒ素入り牛丼を食べさせ、約500万を得る
  • 入院中の夫・健治にヒ素を飲ませて、手足を痙攣させて、症状を偽る。高度障害保険金1億3000万円を得る
  • 知人男性にヒ素入りうどんを食べさせて殺人未遂をする

林真須美はこれだけの保険金詐欺、および殺人未遂を起こしています。

林真須美は、会社を経営する裕福な年上の男・健治と結婚したはずだったが、倒産などがあり、思ったように裕福に暮らせませんでした。

昔から、負けず嫌いだった性格、また、気に入らないことがあると機嫌が悪くなったり、ヒステリックを引き起こしていたりしたその精神性から、保険金詐欺に手を染めたのではないか、と言われています。

 

林真須美の中年期・和歌山毒物カレー事件(30代)

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和歌山毒物カレー事件では、無差別に63人がヒ素中毒、4人が亡くなっています。

もとより、保険金詐欺で8億円以上を騙し取っていた人ですので、こういった異常な犯行を起こすというのは、十分に考えられる気がします。

また、林真須美は、近隣住民から非常に嫌われていたと言います。地域の人の話では、挨拶を無視するような人もいたそうです。

この状況にイライラした林真須美は、どうしても怒りが抑えきれず、カレーに毒物を盛り、和歌山毒物カレー事件を起こしてしまったのかもしれません。

過去の人間性から見ても、負けず嫌いな面やヒステリックを起こしている点から十分な可能性を感じます。

ですが、ここで、林真須美を犯人だと考えた際に違和感を感じるのが、”無差別”だという点です。

和歌山毒物カレー事件は、今までの犯罪同様に、保険金目的ではありません。そのため、林真須美に金などの実利的なメリットは一切ありません。

また、近所でも、林宅が以前白アリ駆除会社を経営していたことは周知の事実でした。当日カレーの見張りまでしていた林真須美がヒ素を入れれば、自分が真っ先に疑われてしまうのは明らかです。

そんな「動機なし」「リスクあり」の犯行は、今までの林真須美が起こしてきた犯罪とは少し違っています。犯罪心理学的にも、長年保険金詐欺を行ってきた林真須美は”知能犯”です。

手当たり次第に人を殺してしまう和歌山毒物カレー事件のような無差別殺人を起こすとは考えづらい、と考える人もいます。

 

林真須美に冤罪説浮上?【和歌山毒物カレー事件】

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そこで、和歌山毒物カレー事件では、現在、冤罪説が強く囁かれています。そもそも、事件当時から、冤罪の可能性は囁かれていました。

大きな理由としてあげられるのが、直接証拠がないこと、また動機がないことです。状況証拠は多くあり、その積み重ねだけで有罪だとされていますが、よく間構えれば、不自然な点も多いのです。では、だからといって真犯人がいるのでしょうか。

ここでは、学識者の発言とともに、冤罪と考えられる理由を紹介していきます。

 

動機がない(田原総一郎)

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批判を承知であえて言えば、本人が容疑を否認し、確たる証拠はない。そして動機もない。このような状況で死刑判決が確定してよいのだろうか。(田原総一朗)

田原さんは動機のなさを理由に、冤罪を主張しています。

確かに、保険金詐欺も明るみに出ておらず、6人家族で幸せな生活を送っていた林真須美には、地域住民を無差別に殺人する動機がありません。

そもそも、お祭りに参加する人すべてが食べる可能性のあるカレーに毒物を入れてしまうと、林真須美の家族を亡くしてしまう可能性もあるわけです。

事件当日、林真須美は、長女と三女を家に残して街のカラオケに出かけたと言います。そして、出かけるにあたって、子供たちにカレーを食べないようにとは一切指示していません。

もし、林真須美が毒物を混入していたのならば、長女や三女も一緒に連れて出かけてしまい、カレーを食べさせないようにしたはずです。

ですが、子供たちのために晩ご飯も用意せず、子供たちを置いて出かけているのは、林真須美が毒物を入れていないからだと言える気がします。

死刑囚・林真須美は、現在も、監獄から子供に誕生日やお祝い事の度に電報を出していると言います。そんな子供思いの4児の母が、リスクある殺人を行うというのは、全く動機がなく、確かに考えにくいかもしれません。

 

物的証拠がない(大谷昭宏さん)

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私のわだかまりも、この「状況証拠のみ」と「動機未解明」の2点にある。

事件に、林被告宅にあったヒ素が使われたことは間違いない。ただし、そのヒ素に足があったわけではあるまいし、勝手にカレー鍋に飛び込むわけがない。

だれかが林被告宅のヒ素をカレー鍋まで持って行ったことは確かなのだ。だが、果たしてそれは本当に林被告なのか、どうしたって、わだかまりが残るのだ。(大谷昭宏)

大谷さんも、状況的な証拠のみで判断されていること、また動機不明であることを指摘しています。

たしかに、大谷さんの言う通り、林真須美のヒ素が使われたことは、当時の鑑定結果では、明らかになっています。ただ、林真須美が入れた証拠は一切ないのです。また、入れる動機も一切ないのです。

もしかすると、何者かが、林真須美に嫌疑がかかるように林真須美の自宅にあるヒ素をどうにかして入れたのかもしれません。真犯人を具体的に提示することはできませんが、少なくとも、証拠不十分・動機不明だということは、確実にいえます。

 

警察官に無理やり発言させられたのではないか(小田幸児さん・弁護人)

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2審判決は「誠実に事実を語ったことなど1度もなかったはずの被告人が、突然真相を吐露し始めたなどとは到底考えられない」と言ったが、これは実質的に黙秘権侵害です(小田幸児 ・林真須美の1審、2審、上告審弁護人)

1審では、捜査の段階から公判に至るまで、林真須美は、完全黙秘を貫き通していました。一切、自分の主張を通さなかったのです。法律上、どんな被告人であっても、黙秘権があるので、当然の権利行使です。

林真須美がこの和歌山毒物カレー事件の真犯人でないとしたら、真実概要と違うことを少しでも言わないよう、また、裁判結果が自分に不利に進まないよう黙秘をするのは、当然です。

だが、この林真須美の黙秘が、世間やメディアを大きく刺激します。週刊誌などが、黙秘について批判的文章を書いたことを筆頭に、「黙秘をするということは、自分が犯人である自認だろう」という世論が生まれてきます。

また、遺族も、「黙秘のせいで、事件の真相が分からない」として、1万人分もの署名を提出します。黙秘に対する世論の非難があまりにも大きすぎたのです。

さらに、真偽はわかりませんが、無理やり自白を促すような暴力が、あったと言います。

『「毒婦」和歌山カレー事件20年目の真実』(著者:田中 ひかる )によると、やはり、自白の発言をするように暴力を受けていた可能性があると言います。

その結果、控訴審から、林真須美は、冗長に話し始めます。ですが、これは、立派な権利侵害でしょう。

自身は黙秘権を行使していたのにも関わらず、メディアをはじめそれを大批判し、さらには、署名まで作り、検察による暴力すらあったかもしれない。この状況が、林真須美に対する権利侵害であり、公正な裁判ができていないというのです。

 

林真須美が見張りを離れた際に、真犯人が毒物を入れたのではないか(林真須美の娘)

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母がカレー鍋の見張りを離れた時間は、20分以上あり、他の人物が毒物を入れる機会はあった。

林真須美の娘・次女は、事件当時の現場で、一緒にカレー鍋を見張っていました。そこで、20分以上現場を離れた時間があったと言います。

このため、この離れた時間に、真犯人が毒物を入れたのではないかという考えです。

ただ、事件現場にいた次女は、当時小学生であり、さらに、林真須美と家族関係にあることもあり、その主張は、証拠として利用されることはありませんでした。

 

和歌山毒物カレー事件の真犯人は林真須美の次女?


真犯人として囁かれているのが当時小学生だったとされる次女です。林真須美は、カレーを見張っている間、小学生の次女もずっと一緒だったと証言していますし、次女も一緒だったと証言しています。

カレー鍋の見張りをバトンタッチした女性も、次女と被告人がガレージの中で一緒に並んで座って、なごやかに話をしていた。と証言しており、その概要は、裏がとれています。

次女の話によると、林真須美が20分以上離れた瞬間はあったが、自分はカレー鍋のそばを離れなかったと主張しています。

午後0時から午後1時にかけて、白いTシャツを着て首にタオルを巻き、髪の長い女性が、1人でカレー鍋の周りを歩き回り、西鍋の蓋を開けた。そして、その女性は被告人であった。

これは、近所の女性高校生の証言です。

ですが、この証言には矛盾があります。被告人が当時来ていたのは黒のTシャツ、さらに、髪も長くはなかったのです。そして、女子高校生の証言にピタリと当てはまる人物は、小学生の次女です。

お祭り当日、そしてカレーを見張っていた時間の次女は、白のTシャツを着ており、髪も長く、首にタオルを巻いていたそうで、まさかに女子高生の証言とピッタリと一致しています。

女子高生も、通りかかったときにチラッと見ただけであり、詳しくはっきりと顔を見たわけではないと言うので、見間違えた可能性も十分にあり、真犯人が次女だという可能性はあります。

林真須美は、和歌山毒物カレー事件当日、現場で、首にタオルを巻いてもいなかったし、髪も長くなかったのです。このことは、カレーの見張りを交代した女性や、お祭りに参加していた人など多くの人が証言しているため、確かな事実です。

また、2019年5月、死刑囚・林眞須美の長男は、ツイッターにこのような画像を載せています。刑務所にいる母からの手紙です。

ここには、私は、平成10年7月25日当日は、「黒色のTシャツ 黒色の長ズボンです。白のTシャツは私ではありません。」と強く主張しています。また、子供達は白のTシャツでした。

と証言しているので、当時小学生である次女が真犯人である可能性が出てきます。この手紙内でも、自分の犯行を完全に否定しています。

林真須美は、自白もしておらず、さらに、物的な証拠もない状況で、女子高生の見間違いの発言の可能性があります。

小学生とはいえ、ヒ素を鍋に入れることの危険性や概要は理解していたでしょう。小学生の次女が真犯人である可能性は、十分にあるのです。

また、真犯人が次女であった場合、さらに可能性として考えられるのが、次女を真犯人だと理解した上で、林真須美が罪を被っている可能性です。

真犯人が本当に次女であった場合、林真須美は実の母であるため、罪を被ったり、裁判で黙秘し続けたりしたことの辻褄が合います。

 

和歌山毒物カレー事件の本当の犯人はだれ?

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いかがでしたか。

もう事件から、20年以上が経とうとしていますが、この事件で亡くなった人は4名。体調不良を起こした人が67名と、遺族にとっては忌まわしき事件です。

そして、これが冤罪で、真犯人が他にいるとしたら、さらに大変な事件になります。果たして、本当に死刑囚・林眞須美の犯行なのか。それとも当時小学生だった次女が真犯人なのか。はたまた、全く別の誰かの犯行なのか。

事件の概要が全て明らかになっていないため、真犯人が誰なのかは、誰にもわかりません。現在、死刑囚・林眞須美は監獄中です。いずれ、死刑は実行されるでしょう。

今も、真実はわかっていません。

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