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皆さんは、自分の学歴に自信がありますか?
現代の日本社会では、終身雇用制度が崩壊しつつあり、転職に抵抗を示す人達も少なくなってきたように感じます。企業側も若い労働者が減少の一手をたどる中、即戦力となる人材が欲しいと考えており、転職サイトでも経験者を求める求人が目立つようになりました。
また転職の理由もさまざまで、スキルアップの為やチャレンジしたい分野の企業へ転職、ライフスタイルの変化やさらなる好条件の企業へ転職など、それぞれの理由で転職する人も増加しています。
しかし、未だに日本が学歴社会であることは払拭できないことも現状です。特に新卒で大企業に入社する為には、やはり一流大学でなければ厳しい現実があります。
就職活動や社会生活の中で、自分の学歴に自信が持てない場合に劣等感を抱くことを学歴コンプレックスといいます。ここでは、学歴コンプレックスを抱く理由や心理、特徴について具体的に説明しましょう。
学歴コンプレックスの意味とは?
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コンプレックスとは、意識の中に存在する劣等感や不満を表した言葉です。
学歴コンプレックスとは、自分の学歴に自信がないことや、他者の学歴と比べて劣等感を抱いている、また自分の学歴のことを恥ずかしいと感じていることを指します。これは、自分にはないものを他者が持っているという嫉妬心が強いことの表れでもあります。
しかし、学歴コンプレックスは、心理的な逃げ場所になっている場合もあります。
自分を責めるというよりは、心理の中で第三者として存在している自分を責めたり嫉妬心をぶつけることで、悲しいという心理や傷ついた心理、嫉妬する心理を慰めようとしているのかもしれません。
学歴コンプレックスを発症してしまう理由は?
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学歴コンプレックスを発症する理由には、さまざまな心理が重なっていると考えられます。
ここでは、どのような理由で学歴コンプレックスを発症してしまうのか紹介します。
【1】受験失敗で学歴コンプレックスを発症
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学歴コンプレックスを抱えている人の過去をさかのぼると、受験の失敗を経験している人が目立つことが特徴です。
学歴によって大きな挫折を味わった経験がある、親が自分の学歴を認めてくれなかった、親の期待に応えられなかったことなどが、大きな心理的理由に関わってくるといわれています。
自分が学歴に関することで大きく傷ついた経験が、心理の中に埋め込まれたことが理由となります。以後の人生で、失敗や挫折を経験する度に全て学歴コンプレックスに繋げて考えてしまう心理が働いてしまうのです。
【2】就職活動で学歴コンプレックスを発症
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学歴コンプレックスを発症する理由の中に、就職活動で受けた学歴差別も大きな理由とされています。
企業側が新卒採用にかけるコストは、平均で約500万円といわれています。1人当たりに換算すると約50万円以上になります。これは、企業規模が大きくなるほどコストはかさみ、大企業では総額1億円以上になるといわれています。
企業側は莫大なコストを支払っても、将来自社を支える優秀な人材を確保したいという理由があるのです。
しかし、莫大なコストがかかる分、採用する側も慎重にならざるを得ないのが特徴です。やはり、優秀な学生が欲しいと考えれば、偏差値の高い大学から人材を獲得する為に、企業側も必死になります。
しかし、世間で「Fランク」といわれている大学の学生達は、企業の採用試験を受ける権利さえ与えられない場合もあります。このように、大学によって就職活動の選考から事前に除外されてしまうことを「学歴フィルター」といわれています。
このように、「学歴フィルター」により就職活動で、同じスタートラインに立つこともできない学生も多く存在しているのです。就職活動で受けた差別は、学歴コンプレックスを発症しやすく、今後の社会人生にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
【3】仕事面で学歴コンプレックスを発症
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学歴コンプレックスは、会社に入社してからも発症することがあります。
特に給与面や昇進などは、目に見えて分かりやすい為、学歴コンプレックスを感じてしまうことがあります。また、新卒新入社員にとって、社員研修を受けたあとに配属される部署にも大きな学歴コンプレックスを感じることも珍しくないようです。
高学歴の同期が配属されたのは花形部署だったのに対して、自分は会社で追い出し部屋と呼ばれている部署に配属されたことに大きなショックを受ける新卒者もいます。企業の規模が大きいほど、入社後にこのような扱いを受けることもあります。
配属先により、同期と顔を合わせることが恥ずかしいと思うようになり、次第に孤立していくことも特徴です。この出来事が、さらに学歴コンプレックスを大きくさせる原因にもなるのです。
他にも、学歴コンプレックスを感じやすい場面と言えば、会議やミーティングでの意見交換の場所です。
自分より偏差値の高い大学を出た同僚の意見は採用される、上司も明らかに偏差値の高い大学を出ている同僚にしか意見を求めず自分に意見を求められないなど、学歴コンプレックスを持っている人は、その状況を敏感に感じやすい特徴があり、さらに心理的に学歴コンプレックスを大きくさせてしまうようです。
学歴コンプレックスの心理や特徴12選【心理編】
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学歴コンプレックスについて、具体的にどのような心理や特徴があるのか、まとめてみました。
最初は学歴コンプレックスの心理編を紹介していきます。自分の中に、同じような心理が潜んでいなか、チェックしてみてください。
【1】嫉妬心が異常
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学歴コンプレックスを抱いている人は、嫉妬心が強いことが特徴です。
自分が持っていないものを他人が持っているモノに強い嫉妬を覚えたり、自分よりも優れている人間に嫉妬してしまう心理が理由となります。自分にはない高学歴を持っている人に嫉妬したり、自分よりも活躍している同僚に嫉妬したり、自分よりも優秀な後輩に嫉妬したりと、常に自分と他者を比べては、自分の中に嫉妬心が芽生えてしまう場合が多いようです。
嫉妬心が大きくなり過ぎると、相手に対してその嫉妬心を直接ぶつけてしまう場合があります。学歴コンプレックスから抱く嫉妬心が自分の中で向上心に変われば良いですが、嫉妬心がコントロールできない状況となると周囲から煙たがられ単なる嫌われ者でしかなくなります。
学歴コンプレックスからくる嫉妬心を、前向きな気持ちに切り替えることが出来れば、多くの人が応援してくれるようになり、学歴コンプレックスから気持ちが解放されるかもしれません。
【2】自分が嫌い
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学歴コンプレックスの人は、自分のことを受け入れられない特徴があります。
自分のことを嫌いな人が多く、自分の人格や生きてきた人生を否定しやすい傾向があります。学歴コンプレックスによって、自分を認めることができない心理が理由となっているようです。
また、学歴コンプレックスの人は自分を受け入れなれない理由から、他人と自分を比べて嫉妬しやすいことも心理的な特徴になります。学歴コンプレックスの人がまず自分を肯定してあげることで、自分と他者を比べなくすることが大切と考えられます。
【3】プライドが高い
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学歴コンプレックスの人は、プライドが高い人が特徴です。
学歴コンプレックスの人は、プライドが高いゆえに自分の学歴コンプレックスを認めたくない、負けたと思いたくない心理が理由になるようです。
学歴コンプレックスを抱えたまま、プライドだけ高くなると、高学歴の人への嫉妬心が大きくなり、高学歴の人を「いい大学出てるのに仕事ができない」や「偏差値高い割に頭悪い」など、相手を傷つけるような言葉を口する傾向があります。
学歴コンプレックスの人のプライドが高すぎると、いつのまにか侮辱してしまう恐れがあるのです。
【4】過剰なマイナス思考
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学歴コンプレックスの人は、過剰なマイナス思考であることが特徴です。
学歴に関する失敗を経験することで、自分が出来損ないである、自分は他人よりも劣っているとの劣等感を感じる心理が理由のようです。しかし、過剰なマイナス思考から抜け出せない人まま学歴コンプレックスが重くなってしまうと、他人に対して嫉妬やひがみを抱きやすく、さらなるマイナス思考に陥ってしまいます。
また、過剰なマイナス思考を引き起こす原因には、親の教育方針が心理的な理由となっている場合もあります。親が常に学歴を気にしていた、学歴が人生の全てであると教えられて育ってきたなど、学歴コンプレックスの人は親の縛りから抜け出せずに自分を苦しめている人も多いのです。
【5】負の連鎖
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学歴コンプレックスは、大学のランクに関するだけではありません。
中卒や高卒の人達も、社会に出てから学歴差別を受けることがあります。同じ同期入社でも、大卒と高卒または中卒では、基本給が大きく異なる場合があります。これは、一般企業だけでなく、専門職・技術職などでも学歴差別を行っている事業所は多いのです。
自分に進学の意思があっても、貧困家庭によって進学を諦めざるを得なかったり、働くことを余儀なくされる状況を負の連鎖といわれています。現代の日本は経済格差がより深刻化しており、見えない貧困に苦しむ若い世代が多く存在しています。
自分はもっと勉強したい、親のようになりたくないと思っていても、経済的な理由や家庭環境により進学を断念し、負の連鎖を断ち切ることができなくなるのです。
【6】自分が負け組と決めつけている
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学歴コンプレックスがある人は、自分は元々負け組なんだと決めつけている心理が特徴です。
学歴社会の中で、自分の出身校や最終学歴に自信がない人は、何かにつけて自分が負け組だと決めつけてしまいがちです。このような学歴コンプレックスの人は、何においても挑戦する前に諦めてしまいやすいことも特徴です。
また、自分が負け組だと決めつけている人は、頑張っている人の努力を認めようとしません。他者が努力して得たポジションや昇進について「あいつは、勝ち組だから」と勝手な学歴フィルターを通して見てしまう心理が働くようです。
自分が努力しないことは、「自分は負け組だから」との理由を付けて逃げてしまうことも特徴となっています。
学歴コンプレックスの心理や特徴12選【特徴編】
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学歴コンプレックスの心理について具体例を紹介してきましが、当てはまる項目がありましたか?学歴コンプレックスの人は、学歴に大きく囚われた状態の心理が根付いていることが特徴的なようです。
次には、学歴コンプレックスの特徴編を紹介していきます。特徴は行動に出やすいものです。自分の日常的な言動が当てはまるか、チェックしてみましょう!
【7】他人の目を以上に気にする
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男女問わず学歴コンプレックスがある人は、他人から自分がどう見られているのか必要以上に気にする特徴があります。
学歴に自信がない分、外見でカバーしようという心理が理由とされています。高いブランド品にこだわる、美容に異常な執着を持っている、モテアピールなど学歴とは全く関係ないことを必死でアピールすることが特徴です。
特に強い学歴コンプレックスを抱いている場合には、SNSで自分のプライベートをアピールする特徴があります。自分のスペックを他者に自慢し、自分には学歴よりも価値のある物を持っている、または高学歴の人よりも成功していることを周囲に認めてもらいたい心理が働くことが理由のようです。
【8】コミュニケーションが下手
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学歴コンプレックスの人の中には自分に自信が持てずに、コミュニケーションが下手な人が多いことも特徴です。自分に触れて欲しくない部分があると、その分野の話題をあえて避ける会話をすることが理由となっています。
学歴コンプレックスの人は、自分の学歴という部分に他者が触れて欲しくない分、予防線を張る傾向があります。学歴の話題に触れないようにと考えながら会話をする為、なおさらコミュニケーションが取りづらくなることが特徴です。
また、次第にコミュニケーション自体が苦手であると考えるようになり、会話を楽しめなくなります。そうなると、周囲からも孤立してしまい悪循環に陥るのです。
【9】他人の学歴調査にかける熱意は異常
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学歴コンプレックスの人は、他人の学歴を異常に気にすることが特徴です。自分の学歴に自信がない為、自分よりも下の人間を探そうとする心理や、高学歴の人には対応を変えようする心理が理由のようです。
こういう場合の学歴コンプレックスの人は、自分でも「学歴フィルター」を使って他者を評価しようとする心理が働いていることが理由となっています。自分の学歴のことは、あまり話したがらないのに、他者の学歴のことは非常に詳し人がいます。
そういう人は、噂好きであることも特徴となってます。
【10】自分も他人を見下す
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学歴コンプレックスを持っている人は、他人を見下して自分の価値や存在意義を見出そうとする特徴があります。
「自分より学歴がいいのに仕事ができない」や「自分よりも学歴が下だ」など、自分が傷つけられたことを他人にも与えることで安心感を得ていることが理由になるようです。
そんな差別的な人には、誰もついていきません。他人を見下して得た地位やポジションはいつか崩壊することを理解していない、本当に頭の悪い人と思われてしまいます。
【11】自分が出世しないことを学歴のせいにする
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学歴コンプレックスがある人は、自分が出世できな理由を全て学歴のせいであると考える特徴があります。
高学歴でないと出世できないとの考えに囚われていることが理由であり、自分の学歴では出世できないと思い込むことで、努力から逃げようとすることが特徴です。
いくら高学歴であっても、努力なしに出世はできません。一生懸命勉強したり資格取得にチャレンジするなど、日々の努力があってこそ出世に近づいていくのです。学歴コンプレックスの人は、努力しても実らないと思い込んでおり、努力することを遠ざけていることが特徴です。
【12】自分の子供は高学歴でないと許せない!
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学歴コンプレックスの人で目立つ特徴に、自分の子供は絶対に高学歴に育てたいと考えていることが特徴です。
自分が経験した学歴差別を、自分の子供には経験させたくないとの考えが理由です。しかし、自分が成し得なかった高学歴の夢を子供に押し付けていることが心理には含まれています。
学歴コンプレックスの人は、自分も親から高学歴を目指すようにと育ってきた場合が多く、その期待に応えられなかったことから、自分の子供に高学歴こそが人生の成功だと教え込むようです。
しかし、これも負の連載となり、子供は親に認められる為には学歴が全てであると教え込まれて育つと、どこかで挫折をした場合、立ち直れない場合もあるのです。
学歴コンプレックスの人は意外に多い!
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これまで、学歴コンプレックスの人について説明してきました。
学歴コンプレックスの人は、さまざまな理由があり、学歴コンプレックスを抱いています。受験で失敗した、学歴差別を受けた、進学できない家庭環境だったなど、多くの人が経験しやすいことが理由となっています。
学歴コンプレックスの大きさは、人それぞれです。その大きさを、他者と比べることはできません。しかし、学歴コンプレックスがない人の方が、圧倒的に少ないことを忘れないでください。上を見れば切りがありません。
同じく下を見ても切りがないのです。自分のコンプレックスを他者と比較することはせず、今の自分と過去の自分で比較することで、学歴コンプレックスに囚われない考え方になると思われます。