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今回は、1994年に発生した凶悪事件である「埼玉愛犬家連続殺人事件」について、まとめていきたいと思います。
近年、「京アニ放火事件」「秋葉原通り魔事件」など、凶悪事件が多く取り上げられていますが、20年以上前に発生した「埼玉愛犬家連続殺人事件」も上記の事件と同様にかなり残忍な事件でした。
「埼玉愛犬家連続殺人事件」は、未解決な部分が多く、最終的に被害者が何人だったのかについても正確に把握されていません。それだけ、計画性が高く証拠を残さないように徹底された犯行だったといえます。最終的には「埼玉愛犬家連続殺人事件」の主犯二人には死刑が宣告されました。
それでは「埼玉愛犬家連続殺人事件」の概要を見ていきましょう。
埼玉愛犬家連続殺人事件の概要
[1]犯人と被害者
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「埼玉愛犬家連続殺人事件」の主犯は、当時ペットショップを経営していた関根元氏と風間博子氏の夫婦です。
埼玉県の熊谷でペットショップを経営していましたが、経営状況の悪化に伴う資金繰りの悪化から、詐欺まがいの取引を繰り返しており、顧客とのトラブルが発生することが多くあったといわれています。
そんな状況で、トラブルがあった顧客が次々と失踪していると、メディアで取り上げられたことが、「埼玉愛犬家連続殺人事件」の捜査の発端となりました。犯人逮捕のきっかけとなったのは、ペットショップの従業員で「埼玉愛犬家連続殺人事件」の実行犯の一人である山崎永幸氏が自供したことでした。
[2]第一事件
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まず、「埼玉愛犬家連続殺人事件」において、関根元氏と風間博子氏が初めて起こした事件は、ペットショップの顧客であった廃棄物処理会社の役員の殺人事件です。
資金繰りに追い込まれていた夫妻が、犬の繁殖ビジネスを持ちかけて、販売価格を騙して1,100万円を被害者からだまし取ったといわれています。その後、詐欺行為が本人にバレて返金をめぐってトラブルとなり、犬用の安楽死剤を被害者に飲ませて殺害しました。
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「埼玉愛犬家連続殺人事件」の第二事件は、第一事件後の約3か月後に発生しました。
もともと、暴力団との付き合いがあった関根元氏と稲川会系統の暴力団幹部とのトラブルが原因となりました。第一事件で、関根元氏と風間博子氏が、トラブルから殺人を犯したことを察知した暴力団幹部が、関根元氏と風間博子に多額の金銭を要求しました。
さらに追い込まれた関根元氏と風間博子氏は、口封じのために殺人を決行しました。事件発生時に一緒にいた暴力団幹部の運転手も巻き込まれて、第一事件と同様の薬物を用いた犯行の犠牲となりました。
[4]第三事件
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そして、「埼玉愛犬家連続殺人事件」の第三事件が、第二事件の約1か月後に発生しました。
ペットショップの女性従業員が関根元氏と風間博子氏の殺人の被害に遭いました。女性従業員と関根元氏が、男女関係になっていたこともあり、風間博子氏との感情のもつれがありました。
さらに、出資金と称して金銭をだまし取っていたことがあり、返還要求されることを恐れたため、殺害に及ぶことになったと推測されています。今回も、殺害の方法は上記の事件と同様で、薬物を用いた犯行でした。
[5]裁判の結果
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「埼玉愛犬家連続殺人事件」の裁判は2000年から開始されました。
2001年3月21日に、関根元氏と風間博子氏の両名に死刑判決が下されました。両名とも死刑判決に対して控訴しましたが、棄却されて死刑判決が確定しました。関根元氏は2017年に、死刑執行前に獄中で病死しました。風間博子氏は現在も女性死刑囚として服役中です。
また、犯行の実行犯の一人となった山崎永幸氏にも、求刑がなされて3年間の判決がくだされました。こうして、「埼玉愛犬家連続殺人事件」は、決着がつきましたが、実際には最も多くの被害者がいるのではないかといわれています。
関根元氏は後述する僧侶をロシアンコーヒーで殺人しようとした事件を起こしました。「埼玉愛犬家連続殺人事件」で判明している以外にも事件を起こしているのではないかといわれています。
被害者まとめ【埼玉愛犬家連続殺人事件】
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「埼玉愛犬家連続殺人事件」では、約30人もの犠牲者が発生したといわれています。
その根拠は、山崎永幸氏の証言に基づくもので、明確な根拠はありません。「埼玉愛犬家連続殺人事件」は、遺体を含めて証拠隠滅が徹底されているので、真相が不確定であるといえるでしょう。
[1]廃棄物処理会社の役員
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「埼玉愛犬家連続殺人事件」の第一事件の被害者となったのは、廃棄物処理会社の役員です。
もともと、ペットショップの顧客でした。しかし、関根元氏と仲良くなったことから、高級犬の繁殖ビジネスを持ちかけられました。そのため、1,100万円を支払って事業を開始するものの、高級犬の販売価格が相場の10倍だと偽られたことに気づいたことから、返金をめぐってトラブルになりました。
さらに、雌犬が突然死したこともあり、トラブルがさらに大きくなったようです。
その結果、金銭的に追い込まれていた夫妻による「埼玉愛犬家連続殺人事件」の被害者となってしまいました。遺留品はほとんど残っていなかったようです。
[2]暴力団幹部とその運転手
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続いて、「埼玉愛犬家連続殺人事件」の第二事件の被害者となった暴力団幹部とその運転手です。
暴力団幹部は、金銭トラブルの絶えなかった関根元氏と風間博子氏のペットショップのトラブル仲介をしていましたが、その一環で第一事件での被害者の失踪は、関根元氏と風間博子氏の犯行だと気づいてしまいました。
ここで、二人を刺激しなければ、被害に遭うことはなかってでしょう。しかし、この事実を利用して、夫妻を脅迫して金額を要求したため、夫妻に殺されることとなりました。不憫なのは、第二事件に居合わせた、当時20代の運転手です。
「埼玉愛犬家連続殺人事件」に巻き込まれて、薬物で殺害されてしまいました。こちらも被害者の遺留品などは、ほとんど見つかっていません。
[3]関根元氏の浮気相手
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「埼玉愛犬家連続殺人事件」の第三事件の被害者となったのは、ペットショップの従業員として働いていた女性スタッフです。
浮気癖のある関根元氏は、女性スタッフと浮気して、金銭的に困難なペットショップに出資させようとしました。そして、270万円をだまして奪い取った上に、女性を毒殺しました。また。風間博子氏は、嫉妬深い性格だったため、関根元氏と浮気していたことも犯行の動機の一つになっているのではないかと言われています。
こちらも、被害者の遺留品は残っていません。「埼玉愛犬家連続殺人事件」では、証拠が隠滅されており、被害者の遺留品が残っていません。遺族にとっては、かなりつらい事件といえるでしょう。
関根元と風間博子の経歴は?【埼玉愛犬家連続殺人事件】
[1]関根元氏の経歴
関根元 埼玉愛犬家連続殺人事件 1993年4月~8月 会社役員の男性に犬の薬殺用の猛毒カプセルを飲ませ殺害。その他に暴力幹部と運転手、更に犬の売買でトラブルがあった主婦を殺害。死者4名。 17年3/27、病死。75歳没。 pic.twitter.com/yBFGrVa6rk
— 執行済み・獄中死した死刑囚bot (@sikei_syu_bot2) July 24, 2019
「埼玉愛犬家連続殺人事件」の主犯の一人となった関根元氏は、1962年に埼玉県の秩父市で生まれました。
中学を卒業して、ラーメン店で勤務し始めました。その後、ラーメン店で出会った女性と19歳で結婚しました。夫婦仲も円満で3人の子供も生まれました。しかし、関根元氏の浮気が原因で離婚に至りました。浮気癖はそのあとも変わることはなく、結婚と離婚を繰り返していたようです。
その後、実家を改装して、犬や猛獣を扱うペットショップを開業します。ブリーダーとしては極めて優秀で、シベリアンハスキーを日本で流行させた仕掛人としても知られており、業界では有名でした。
ブリーダーとしての技術は優秀でしたが、経営者としては優れていたとは言い難く、借金を重ねていってしまったようです。その中で、詐欺まがいの販売を行うようになりました。その結果として、顧客とのトラブルが相次ぐようになりました。
借金のトラブルで暴力団とも関係を持つようになった関根元氏が少しずつ追い詰められていき、今回の「埼玉愛犬家連続殺人事件」を起こすに至ったようです。
[2]風間博子氏の経歴
風間博子 埼玉愛犬家連続殺人事件 1993年4月~8月 関根元元死刑囚と共に、会社役員の男性に、犬の薬殺用の猛毒カプセルを飲ませ殺害。他に暴力幹部と運転手、更にトラブルがあった主婦を殺害。死者4名。 関根は17年に病死。pic.twitter.com/Lr0bYjM6Yt
— 日本の確定死刑囚bot (@sikei_syu_bot) November 7, 2018
次に、「埼玉愛犬家連続殺人事件」を起こした共犯者である風間博子氏の経歴ですが、ペットショップで関根元氏と出会うまでは、ごく普通の一般家庭で育ち、保育士として働いていた経験を持っているようです。
ペットショップに顧客として、訪れた際に経営者の関根元氏と意気投合して結婚に至ったと言われています。ペットショップでは、経理として金銭面の管理を担っていたようです。
[3]共犯者二人の関係性
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二人が出会って、以後は風間博子氏が関根元氏に気に入られようとして背中に刺青を掘るなど、関根元氏中心の生活が続いたのではないかといわれています。
その後、共同でペットショップを経営することになった二人でしたが、金銭トラブルや詐欺まがいの販売方法を巡って顧客とのトラブルが多く発生していました。
その中で、次第に追い詰められた二人は、「埼玉愛犬家連続殺人事件」に及ぶことになります。
関根元と風間博子の犯行手段は?【埼玉愛犬家連続殺人事件】
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「埼玉愛犬家連続殺人事件」は、犯行の計画性が高く、入念に準備されていたということが明らかになっています。
そのため、立証できていない事件もあるといわれており、未解決事件が多いという点も特徴の一つです。それでは、「埼玉愛犬家連続殺人事件」で犯人が用いた犯行手段を見ていきましょう。
[1] 誘い出して、毒殺
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まずは、トラブルのあった人物を呼び出します。
関根元氏はコミュニケーション能力が高く、トラブルを抱えていてもうまく話を誘導して、落ち着かせながら栄養剤と見せかけて、犬用の安楽死用の薬(硝酸ストリキニーネ)を飲ませました。今回の犯行ではすべて、この薬物による殺害がおこなわれました。
普段会う時と変わらない様子で接していたため、被害者も気づくことがなかったといわれています。加えて、犯行に用いられた薬物を服用すると、筋弛緩によって声が発生できなくなるため、叫び声なども出せなくなるため、犯行が外部に分かりづらくなっていました。
[2]山崎永幸氏の家に遺体を運び解体
高校時代から読みたくて読みたくて仕方なかった山崎永幸『共犯者』手に入れた〜〜!『冷たい熱帯魚』のモデルとなった埼玉愛犬家連続殺人事件のマジ共犯者の著作です。読むぞ読むぞ読むぞ pic.twitter.com/Ew9WqMDeIq
— 半蔵 門太郎 NEO / Montaro Hanzo (@hanzomontaro) February 5, 2019
「埼玉愛犬家連続殺人事件」では、薬物での殺害後に、ペットショップの従業員である山崎永幸氏の家がある片品村に遺体を運びました。
山崎永幸氏は家族に危害を加えると脅しを受けて仕方なく協力したと供述しています。そして、風呂場で遺体を夫婦で解体処理しました。また、山崎永幸氏によると、関根元氏と風間博子氏は遺体の解体を喜んで行っており、快楽殺人に近い状況になっていたようです。
特に第3事件の被害者は、関根元氏との浮気が原因で殺害されたため、風間博子氏が恨みを晴らすように解体を行っていたようです。
[3]解体した遺体を焼却する
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「埼玉愛犬家連続殺人事件」では、遺体の解体処理後、ドラム缶に骨を詰めて、所持品とともに徹底的に処分しました。
関根元氏は、骨が残ると犯行のDNA鑑定で犯行がばれてしまうため、徹底的に焼却したと供述しており、計画的な犯行を示唆しています。
[4]近隣の川や山に灰を処分する
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「埼玉愛犬家連続殺人事件」では、遺体を焼却した後は、片品村近隣の川や山に分けて処分したようです。
警察も操作しましたが、遺体の証拠を見つけることができませんでした。
住職・三木大雲の証言が怖すぎる【埼玉愛犬家連続殺人事件】
三木大雲和尚のサイン会&トークイベント行ってきました✨
怪談を何話か語られた後に、嫌なことや辛いことがあっても腐るな。嫌な奴になるな。という三木さんのお言葉。
最近嫌なことが続いて落ち込んでたけど卑屈にならず頑張ろうって思えました☺️✨
タオルもめっちゃ可愛い💕 pic.twitter.com/Z36yW9HaWb— 黒猫ブラザーズ (@Harukuroneko) August 10, 2019
「埼玉愛犬家連続殺人事件」では、多くの被害者が存在していますが、ひょっとしたら被害に遭っていたかもしれないという告発がある僧侶によってなされ、メディアを騒がせることになりました。それが、犯人の狂気を思わせるロシアンコーヒー事件です。
それは「埼玉愛犬家連続殺人事件」当時、ペットショップの近くのお寺で修行していた僧侶・三木大雲氏が、ペットショップを経営していた関根元氏と交流していたときに発生しました。
厳しい修行のリフレッシュとして、ペットショップにお客として通っていた三木大雲氏は、関根元氏と次第に仲良くなりました。その際に、よく一緒にコーヒーを飲む仲になっていたそうです。その際に、3種類のコーヒーから選べといわれいて僧侶はコーヒーを飲んでいたそうです。
そして、コーヒーを飲んでいる際に、僧侶は従業員として働かないか持ち掛けられます。もしも応じていれば、この僧侶は、犯行を強制的に手伝わされて、最終的に口封じで殺されていたかもしれません。
他の僧侶が、関根元氏とお経を読んだ際に、聞いた話がさらに衝撃をもたらしました。
「埼玉愛犬家連続殺人事件」当時、ある僧侶に対して、運が良いのかロシアンコーヒーで試していたというのです。僧侶曰く、関根元氏本人が「3本のコーヒーのうち2本のコーヒーは、薬物が入っていた。しかし、その僧侶は3回やっても毒なしのコーヒーを選び続けたので、驚いた。」と言っていたそうです。
それは、僧侶が訪れた際に、コーヒーを3つ出して1つのコーヒー以外には薬物を入れていたというのです。そのようなロシアンコーヒーを三回ともやっても無事に生きていたのが僧侶の三木大雲氏だというのです。
少し間違っていたら、コーヒーを飲んで毒殺されていたかもしれないと知って僧侶・三木大雲氏は驚愕したそうです。
本当に背筋が寒くなるような話です。コーヒーで試して運が良かったから、僧侶を仲間に引き入れようとしていたということでしょうか。今回のようなロシアンコーヒーを軽い気持ちで繰り返していたのであれば、他に被害者がいたとしても不思議ではありません。
「埼玉愛犬家連続殺人事件」の両名に関する死刑判決は妥当といえそうです。
埼玉愛犬家連続殺人事件まとめ
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いかがだったでしょうか。
「埼玉愛犬家連続殺人事件」はとても残忍な事件ですが、同じ年に「阪神・淡路大震災」や「オウム真理教事件」などが重なっていたため、それほど大きく取り上げられませんでした。
そのため、事件の真相を明らかにするべく、被害者にあった暴力団の幹部の親分が出版した「仁義の報復」やコーヒーで九死に一生を得た僧侶・三木大雲の実話をもとに作られた映画「冷たい熱帯魚」なども公開されました。
「埼玉愛犬家連続殺人事件」の犯人は、殺人を重ねる中で、感覚がマヒしてしまいコーヒーを使った僧侶の殺人を考案するなど、快楽殺人に近づいている様子が分かります。
さらに、深く「埼玉愛犬家連続殺人事件」を知りたいという人は、ぜひこちらを読んでみてください。「埼玉愛犬家連続殺人事件」についてさらに詳しく知ることができます。