KISさん(@opkis2)がシェアした投稿 – 2016年 8月月28日午前10時42分PDT
2016年に起こった「小金井ストーカー事件」を覚えていますか?
当時20歳でアイドルとして活動していた女の子が、ストーカーになっていた自称ファンの男性に襲われて意識不明の重体となったという、大変ショッキングな事件でした。
その時のアイドルの女の子が、冨田真由さんでした。
冨田真由さんの経歴
引用: Pixabay
冨田真由さんは、長野出身の当時20歳の、大変可愛いらしい女性です。素直で明るそうな様子で、人気があるのも分かります。
ご家族は大変仲が良い様子で、両親と兄弟は弟さんがいるそうです。よく冨田真由さんのブログに登場するのはお母さんと弟さんが主だったようですが、お母さんとは毎日電話で話したり、弟さんとはお互いに相談し合ったり弟さんのサッカーの応援に行ったり、と仲の良い様子が垣間見れるようでした。
そして冨田真由さん本人は、当時都内の私立大学(亜細亜大学経営学部経営学科)に通いながら、アイドル・女優・シンガーソングライターとしての活動も行っていたようです。そしてそれらの自分の活動をツイッターやSNSでも積極的に発信し、さらに多くのファンを獲得していたようです。
アイドルとしての冨田真由さん
しゅうさん(@shu_4160)がシェアした投稿 – 2016年 5月月22日午前6時02分PDT
後述しますが、冨田真由さんは「シークレットガールズ」というアイドルグループに所属し、既にCDデビューをしたりライブ活動も行っていました。
女優としての冨田真由さん
連続ドラマで「シークレットガールズ」の一員を演じたり、更にはあの人気番組「仮面ライダーフォーゼ」にも出演するなど、女優としても活動の幅を広げていたようです。
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Y助さん(@letsgo.yousuke)がシェアした投稿 – 2016年 6月月7日午前9時15分PDT
冨田真由さんが当時一番力を入れていた活動だったのは、シンガーソングライターとしてのライブ活動だったようです。自分自身で作詞作曲をしたフォーク調の曲を作り、それをライブで披露していた様子は今もツイッターなどに残っています。
実は事件現場となった小金井にも、このライブ活動のために訪れていたところ、この事件が起こってしまったようです。
冨田真由さんの所属していたシークレットガールズの概要は?
冨田真由さんが所属していたアイドルグループ「シークレットガールズ」は元々、2011年に少女漫画雑誌「ちゃお」とフジテレビの動画配信サイトで発表された連続ドラマ作品の中で結成されていた5人の女の子によるアイドルグループからスタートしました。
結成期間は2011年7月から2013年4月までの約二年間という「期間限定アイドル」だったようです。因みにそのメンバーは、人気女性アイドルグループ「アイドリング!!!」の元メンバーである伊藤裕奈さん・橋本楓さん・朝日奈央さんと、現在は男装ボーイッシュガールズグループで星波さんとして活動されている三橋奈波さんも含まれていたりと、当時からかなり注目も集めていたようです。
冨田真由さんはオーディションでそのメンバーに選ばれてEYE役として、この連続ドラマをきっかけにグループとしてCDデビューも果たし、ライブ活動なども行っていました。
小金井ストーカー事件とは?
引用: Pixabay
当時は既にアイドルグループを卒業し、個人としてシンガーソングライターの活動していた冨田真由さん。
東京都・小金井市内のライブ会場で、付きまとわれていた自称ファンのストーカーであった岩崎友宏(京都右京区在住。後述に詳細)に全身を20カ所以上を刺される、という痛ましい事件が起こってしまいました。
小金井ストーカー事件の概要
小金井ストーカー事件の始まり
引用: Pixabay
大学生活の傍ら、アイドル活動からシンガーソングライターとしての活動をしていた冨田真由さんはツイッターなどで活動の様子や思ったことなどを日常につづるスタイルを取っていました。
そんな中2016年の1月中旬頃から、冨田真由さんのツイッターに対して、岩崎友宏が「君を嫌いな奴はクズだよ」というツイッターアカウントで接触を図るようになりました。岩崎友宏が冨田真由さんに一方的な好意を持っていて執拗にツイッターで接触しているようでした。
腕時計(10万円未満の4℃の時計)などのプレゼントなども一方的に送っていたようです。
小金井ストーカー事件の発端
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引用: Pixabay
冨田真由さんからの返信などが無いことに苛立った岩崎友宏は、一方的に送ったプレゼントを返すように冨田真由さんに要求しました。
きっとその様子に恐怖を感じた冨田真由さんは、岩崎友宏にそれまで送られてきたものをすぐに返送したようです。そして同年1月22日以降、岩崎友宏の書き込みはどんどん激しいものになってった様子です。
岩崎友宏は、既にこの頃から冨田真由さんの殺害計画を考えていた、と後に供述していました。4月頃には「そのうち死ぬから安心して」といった書き込みをしていたそうです。
どんどんエスカレートしていく岩崎友宏のネット上の書き込みに恐怖を感じた冨田真由さんは、まず自宅近くの警察庁武蔵野警察署に相談に行きます。しかし、武蔵野署では「冨田真由さん側に恐怖心が感じられない」といった判断をし一般の相談とみなし、警視庁内のストーカー専門分野への連絡をしなかったようです。
一方、事の重大さを心配した冨田真由さんのお母さんは、岩崎友宏のいる京都府右京区の管轄の京都府警察に相談に行っています。これに対して、京都府警察は警視庁に相談するように促したそうです。
小金井ストーカー事件の当日
引用: Pixabay
事件当日の2016年5月21日、既に冨田真由さんのその日の予定をSNSで把握していた岩崎友宏は、京都の自宅から東京に向かい、かなり長時間に及んで冨田真由さんが来るのを小金井市内のライブ会場付近で待ち伏せしていたようです。「彼女に相手にされないなら、殺そう」と思っていたようでナイフを購入済みで既に所持していました。
そして、その日の午後5時5分に冨田真由さんがライブ会場に入る際に岩崎友宏から接触があったため、冨田真由さんは携帯電話からすぐに警察に110番通報を掛けています。
警察への相談実績により、冨田真由さんの電話番号は警察の110番緊急通報システムに登録されたのですが、この時の登録が冨田真由さんの自宅になっていたため、事件当日は冨田真由さんが110番通報したにもかかわらず携帯電話の発信の位置情報確認をせずに、自宅に向かって警察官を派遣するという失態を犯しています。
冨田真由さんの110番通報から1分45秒後に目撃者からの通報により、警察が現場に急行しその場にいた岩崎友宏を傷害容疑で現行犯逮捕しました。のちに岩崎友宏が「殺すつもりでやった」という供述をしたため容疑を銃刀法違反と殺人未遂容疑で送検しています。
冨田真由さんの被害状況が悲惨すぎる。【小金井ストーカー事件】
目撃者からの現場の状況
引用: Pixabay
その残忍で凄惨な殺人未遂現場の状況が、目撃者から語られていく中で、明らかになってきました。
まず、岩崎友宏が話しかけた際に、冨田真由さんは会場に入らないよう諭し、すぐ携帯電話で警察に通報しました。それに逆上した岩崎友宏が冨田真由さんにナイフで襲い掛かった、という経緯のようです。
目撃者からは、最初「男性が女性を殴っているように見えた」ようで、近づくとナイフを手に持っているのが見え、「常軌を逸した状況で、野生の動物が獲物を仕留めているようだった」との様子を話していました。冨田真由さんが「なんで、なんで」といった大声を上げていたのも聞こえたそうです。「(冨田真由さんの)首元をわざと狙って、闇雲にではなく考えて刺しているように見えた」という証言がありました。
そして目撃者の一人が、血だまりを見て目撃者が警察に通報しました。
岩崎友宏が刺すのを止めた時に「もう刺すところが無くなったんだと思った」というほどに凶暴な犯行現場の様子は、目撃者にも大きなショックを与え、その光景を見たひとりが恐怖のあまり自殺を図ったりとの二次被害があったほどだったようです。
後日、冨田真由さんからの話では犯行時に「死ね、死ね、と刺された」「生きたいの?生きたくないの?」と岩崎友宏から言われたそうです。
犯人は岩崎友宏
自称岩崎友宏の現在💢 何だこの細めの吊り目
ちなみに富田真由ちゃんは懸命に生きています pic.twitter.com/Y7QywYlZUV
— なりと@憲法改正 (@aidl1212) May 23, 2016
犯人の岩崎友宏は、群馬県伊勢崎市に生まれ、事件当時は27歳でした。
この残忍な犯行に及んだ岩崎友宏は、当日自身のブログに「行ってきます」と書き残していたようです。
ツイッターは現在凍結されていますが、ブログは検索されて特定されているようです。
岩崎友宏の経歴
岩崎友宏の生い立ち
引用: Pixabay
小学生から柔道に打ち込み、群馬県伊勢崎市立第二中学校では県大会で優勝したり、群馬県中学体躯柔道2003年の90キロ超級で3位、更に柔道部の部長も務めていたとのこと。
当時は全国大会にも出場するほどの実力だったそうです。ただ、柔道のスポーツ推薦を受けて進んだ地元の高校では人間関係のトラブルで退学し、柔道も辞めてしまったそうです。その後、「庭師になりたい」という名目で家族と離れ京都に一人で移り住んでいたようです。
が、実際には京都で警備員やAV出演などのバイトなどを転々としていたようです。
岩崎友宏の家族構成
引用: Pixabay
家族構成は両親に兄と姉の5人家族だったようです。父親は都内で公認会計事務所をしているようです。
事件後の裁判では父親は「(息子は)真面目だったが起こりやすいところが短所。少し甘やかしすぎたのかもしれない。」という風に語り、兄はインタビューで「(弟は)おとなしくて、小さい子供には優しかった。
が、ため込んで一気に駁するタイプ。」というように語っていたようです。家族関係も事件前にも会ったり連絡を取ったりしていたようで、家族仲は悪くなかったようです。また家族は「創価学会員だ」と岩崎友宏本人のブログの中で書いていたようです。
実は「岩崎友宏」は通名だった!
引用: Pixabay
ただ、実は本名は「金友宏」という名前で在日3世なのだそうです。自称で名乗っていた「岩崎」は母方の姓とのことです。
因みに裁判中、東京地検立川支部では岩崎友宏の名前表記を「戸籍が変更になった」として途中で変更していました。
岩崎友宏には別件での警察相談履歴があった!
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実は岩崎友宏はSNSでの脅迫のような書き込みをしたり、女性に対して問題行動をしていたのは、冨田真由さんが初めてではありません。
2013年には芸能活動を行う10代女性のブログに、脅迫めいた書き込みを残したとして警察から呼び出しがされていますが、岩崎友宏は出頭しませんでした。さらに2016年には滋賀県在住の女性からも岩崎友宏に関する対人関係問題が相談実績として挙がっていたことが分かっています。
岩崎友宏はAVに出演していた?
引用: Pixabay
これは事件後にネットでも話題になりましたが、岩崎友宏は京都にいる時に色々とバイトを転々としていたようで、AVのエキストラなどもやっていたようです。
そして週刊文春で特定されたのは、2014年7月発売の『筆おろし同定卒業バスツアー!!』(現在は発売中止?)というタイトルに参加していたのだそうです。
ネットでは、逮捕時の顔写真とAVジャケットの写真のほくろの位置などで照合されていたようです。
岩崎友宏の判決&現在まとめ!
初公判での岩崎友宏
引用: Pixabay
2017年2月20日の初公判では、殺人未遂と銃刀法違反の起訴内容を認めましたが、弁護側から「事件後自ら119番に連絡した」「救急隊に、”助けてあげてよ“と言った」などを挙げ「無視されて衝動的に刺した」と計画性を否認しました。
それでも、冨田真由さんの供述調書が読まれている間に薄笑いを浮かべていた様子に、多くの注目が集まっていました。
この初公判では、裁判に参加していた男性裁判員の一人がが冨田真由さんの傷の映像を見て倒れて交代されたり、被害者として冨田真由さんも証人尋問を受ける予定でしたがPTSDなどの影響があったのか取りやめられた一幕もありました。
二回目公判での岩崎友宏
引用: Pixabay
翌21日での2回目公判では、前述にもあった目撃証言や冨田真由さんのお母さんも傷ついた娘を見守る辛い胸中を押して証言されました。
この日、岩崎友宏の弁護人は「損害賠償金として200万払う」という岩崎友宏の提案があったことを明かしています。
三回目公判での岩崎友宏
引用: Pixabay
22日の3回目公判の被告人質問で岩崎友宏は、捜査段階で録音録画された「殺すつもりだった」「首は急所だから刺した」「自分が100%悪いとは思わない」といった供述を「言った覚えはない」として殺意や計画性を否定しました。
捜査官に「謝罪する気はないがパフォーマンスとしては謝る」と言っていたというくだりでは、「違う!」と声を荒げたが、始終口では冨田真由さんへの謝罪を出しつつも、検察側を挑発するような、鼻で笑ったようにしていた態度に、聴衆の注目が集まったようです。
結審での岩崎友宏
引用: Pixabay
23日に行われた冨田真由さんの意見陳述では声を詰まらせて「悔しくてたまらない。…普通に過ごすはずだった毎日を返してほしい。傷のない体を返してほしい。犯人が夢に出てきて、また私を殺そうとしてくるので、ほとんど眠ることもできません。」と傷つきまだ犯行におびえる胸中を語っていたそうです。
冨田真由さんが「犯人を野放しにしてはいけない」と言った所で、岩崎友宏は「じゃあ殺せよ!」叫び、更に「今度こそ私を殺しに来るかもしれない」と言った所では「殺すわけがないだろう!」と連呼したため、岩崎友宏はそこで退廷を命じられました。
検察側からは「常軌を逸した、自己中心的な犯行」であること、「類例を見ない悪質性、反社会性がある犯行で、謝罪がパフォーマンスだったことは法廷での言動で証明された」とし、懲役17年を求刑し、裁判が結審されました。
判決
引用: Pixabay
28日に、岩崎友宏に懲役14年6か月の判決が言い渡されました。
しかし、岩崎友宏は判決に不服として東京高等裁判所に控訴しました。が、翌29日に控訴を取り下げ、刑が確定しました。
岩崎友宏の本当の姿
引用: Pixabay
裁判の総評では、検察官や裁判員は皆一様に「実際は反省していない。反省どころか自分の犯行に満足さえしているようだ。」というコメントを残していました。
実は岩崎友宏が逮捕されてから控訴を取り上げるまで取材としてコンタクトを取っていたライターも、逮捕当初から自分の犯した罪の重さや被害者になった冨田真由さんの気持ちを思いやることもない態度に「変わっていない」と言っていたようです。
岩崎友宏は現在受刑者として服役中ですが、14年6か月(服役後、岩崎友宏が42~43歳)で社会に出てきてしまうことに、現在も冨田真由さんを含め多くの人が不安と恐怖を感じているようです。
冨田真由さんは奇跡的に一命を取り止めるも…。
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一時は心肺停止状態にまでなった冨田真由さんでしたが、一命は何とか取り留めました。
が、今も顔に深く残る傷や麻痺、目も視野が狭まったようで大好きだった読書も出来ず、辛い思いを今もしているようです。
2018年9月初旬に退院しても、現在もまだ療養中とのことです。
冨田真由さんは2019年今も後遺症に苦しんでいる。
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顔や首、手や腕に傷が残っているため、今後目立たなくする手術もする予定とのことでしたが、後遺症もあり、まだまだ心身ともに辛い様子のようです。
特に心理的な問題が多きく、いまだに男性が怖い、一人では乗り物に乗れないなどの、フラッシュバック現象と闘っているようです。
冨田真由さんの現在!
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2019年7月11日に、”何度も危険性を訴えていたにもかかわらず、必要な警備を怠った”として、お母さんと共に警視庁を管轄する東京都と元所属事務所などに約7600万円の損害賠償を求め、東京地方裁判所に提訴しました。
冨田真由さんの「ストーカーに対する対応がさらに変わってほしい」「こんな目に合う人がいなくなってほしい」という強い気持ちから、今回の提訴に踏み切ったそうです。
「裁判を起こすか苦悩していた中、警察の対応のずさんさが明らかにされることで、ストーカーに対する見方や対応がさらに変わってほしい」と代理人弁護士によって読み上げられたように、この小金井ストーカー事件では、警察のこういった事件に対する温度差や対応の悪さが目立ち、このような最悪の事態になってしまったことは悲しい事実です。
冨田真由さんの勇気に添う結果が出ることを、特に対象になり易い多くの女性からも心から望まれていることでしょう。
これを元に、これからは被害者が守られ、「訳の分からない危険」にもきちんと対応できるような制度が整うことを、そして罪の重さを感じない犯罪者が簡単に許されることのない社会であることを、切実に願ってやみません。