ネアンデルタール人とは?特徴や知能レベル、文明様式を解説!

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ネアンデルタール人の概要

 

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《ネアンデルタール》とは、1856年にドイツのネアンデル谷で男性の化石が見つかった地名から名付けられました。その発見後、アフリカ、西アジアや、ユーラシア大陸、中国と、広い地域で次々と化石が見つかっています。

ネアンデルタール人は旧石器時代(24万年前)、私たちの祖先のホモ・サピエンスがアフリカの広大な大地で暮らしている間、ネアンデルタール人はヨーロッパを中心に、少数は西アジア、中央アジアで暮らしていました。石器時代にホモ・サピエンスを含む数種類の人類が暮らしていました。

かつて、ネアンデルタール人は私たちの直系の祖先であると考えられていましたが、私たちホモ・サピエンスに至るまでの過程にネアンデルタール人の特徴が少なく、証拠不十分なことから、現在はネアンデルタール人は直系の祖先ではなく、その遺伝子を受け継ぐ兄弟のような種であるとされています。

ネアンデルタール人の身長は約160cmに対して体重は約80kg、脳の容積は1600cc(現代人は1450cc)と現在の私たちより比較的重いのは、がたいが良く胴長短足で筋肉質な体型だったとされています。

 

ネアンデルタール人の特徴は?

引用: Pixabay

ネアンデルタール人は現在の私たちよりも一回り小さく、男性の身長が160cmと日本人女性の平均より背が低いのに対し、大きい顔に太い眉と濃いヒゲ、傾斜したおでこ、肌の色は白く赤髪で、身体の筋肉量は現在の私たちの30%、脳の容積は14%多く現在の私たちとは似ても似つかない姿をしています。

ネアンデルタール人は白人・赤毛の特徴があります。ネアンデルタール人以外の人類の多くは赤道が近いアフリカ大陸で暮らしていました。直射日光の強い日差し(紫外線)から肌を守る為に皮膚の色は黒くなりました。濃い肌色は紫外線を遮断するからです。一方、ネアンデルタール人は高緯度での暮らしが中心だったので日光による影響が少なく白人の特徴を持ち赤髪になりました。

ネアンデルタール人は身体的にとても強靭で高い持久力を獲得していました。筋肉質な体格から多くのエネルギーを走ることや、草食動物を狩猟する為に沢山のカロリーを消費するので、ネアンデルタール人は中〜大型の草食動物で高タンパクな食生活を送っていました。

頭の良さと強靭な体力を持つネアンデルタール人は、動物の肉がエネルギー摂取の効率が良いと知っており、大きい脳に多くのカロリーを費やせることから、草食動物の狩猟を積極的に行い多くの動物を絶滅へと至らせたことも分かっています。

高緯度の比較的寒い地域で暮らすネアンデルタール人は寒さから身を守るために積極的に火を使用しました。火の使用は寒さ対策の他に、狩猟した動物の肉を焼いて食べることで、消化の負担と消化時間を減らしました。

ネアンデルタール人は草食動物以外にも、木の実や昆虫なども食べていたことも分かり、ネアンデルタール人の食生活は硬い食べ物を噛む習慣から他の人類より歯が大きい特徴があります。

 

ネアンデルタール人の文明

引用: Pixabay

ネアンデルタール人は石器時代における水準ではとても脳が発達した人類でした主に洞窟で暮らし、その中には居間・作業場・調理場を一つの空間の中にまとめて暮らしていました。

近年、ネアンデルタール人が注目を集める興味深い文化の一つに、彼らは怪我や病気で亡くなった仲間を埋葬する文化があると判明し多くの学者を驚かせました。

彼らは亡くなった仲間を埋葬するときに、胎児のように両足を丸め、死者の周りには花が手向けられたと考えられる様々な花粉や種の化石が見つかるなど、ネアンデルタール人は死者を追悼する心を持っていたと考えられています。

ネアンデルタール人は私たちの直系の祖先ではないと判明していますが、現在の私たちに共通する生活を送っていました。それは、生まれたばかりの胎児に親が食べ物を咀嚼(そしゃく)し与えたこと。そして、唾液が交換された痕跡からキスをする習慣があった可能性です。

これは従来より精度の高いDNA検査が可能になり浮かび上がった可能性です。今後より精密な検査により新たな発見が発表されることは間違いないでしょう。

その精度の高い検査では歯の歯垢からキノコや苔などを食べていたことも分かっています。地域によっては植物を栽培していたと考えられる痕跡も見つかっています。また、細菌や感染症から身を守るために、薬を調合する薬剤師や捻挫や骨折を治す医者の役割を担う者もいました。

 

ネアンデルタール人の知能レベルは?

引用: Pixabay

ネアンデルタール人は石器時代に暮らす様々な人類の中ではとても脳が発達した人類でした。

オランダの大学が発掘されたネアンデルタール人の骨からDNAの遺伝子情報の分析に成功しました。ネアンデルタール人の頭蓋骨の一部をコンピューターでスキャンし脳の構造を調べると、私たちの祖先、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人の子どもでは、ネアンデルタール人の子どもの方が生後12年も脳の発達が早いと分かりました。

つまりネアンデルタール人は他の人類よりも成熟が早く生存競争では有利になりました。

大きな脳を持つネアンデルタール人の洞窟での暮らしの中で、作業場では石器や枝などを組み合わせた新しい武器の開発が行われ、調理場では病人のお世話をする為に薬を作る者までいたと分かっていることから、現在の私たちと差ほど変わらない知能を持っていたと考えても不思議ではありません。

また、縦線と横線を組み合わせたシンプルな文字でコミュニケーションを交わし、居住地の洞窟には壁画が描かれ、後の世代に狩猟の方法を伝えた痕跡が発見されています。そして、驚くことにネアンデルタール人にはお洒落や美学という概念があったとされ、貝殻や動物の骨で作られたペンダントやアクセサリー、動物の骨に穴を開けてフルートのような楽器を作っていたと考えられています。

このように、ネアンデルタール人は大きな脳を持っている為、知的であると考えられて来ましたが、現代の私たちでも生まれ持った脳の大きさの違いは、知的能力に直接関係がないと分かっています。ネアンデルタール人は脳が大きいといっても、脳の内部構造が私たちと大きく異なる点が多く、私たちと同じように世界を認識していたとは考えられません。

ですが調理器具を駆使し薬を作り、病人を看病し、捻挫や骨折を治療する知識も備え、死者を追悼するなど、数々の発見により石器時代の人類では遥かに頭の良い人種でした。

 

ネアンデルタール人の発生起源

引用: Pixabay

ネアンデルタール人はハイデルベルク人と呼ばれる原人に近い種から進化し、ハイデルベルク人はホモ・エレクトスから進化したとされています。私たちが呼ぶ「原人」とはホモ・エレクトスのことです。

ホモ・エレクトスは直立した人という意味で、自由に直立二足歩行ができ、走る能力と狩猟をする技術を身に付けました。そして、直立することで両手が自由に使えるようになり石器の発明や火を使用し始めたのはホモ・エレクトスとされています。

そして、ホモ・エレクトスが身に付けた人間に近い行動は脳を大きく育て、狩猟による筋肉の増加がハイデルベルク人へと進化を導き、ネアンデルタール人の大きい脳、筋肉質な身体の特徴がハイデルベルク人に現れました。

ネアンデルタール人はハイデルベルク人から分岐的に進化した類で、もう一つの分岐先には私たち現生人類のホモ・サピエンスです。ホモ・サピエンスとネアンデルタール人はいわば兄弟のような関係です。そして、私たちホモ・サピエンスの遺伝子にはネアンデルタール人の遺伝子が含まれていることが分かり交雑があったとされています。

この説が提唱される以前はネアンデルタール人が私たちホモ・サピエンスまで進化したとされていましたが、ネアンデルタール人の化石が発見される度にホモ・サピエンスとの共通点が少ない為、現在はハイデルベルク人がネアンデルタール人とホモ・サピエンスに分岐する形で進化を遂げたと考えられています。

ハイデルベルク人はロシアや中国などのとても寒い地域で化石が多く見つかっており、ネアンデルタール人の筋肉質な体型や顔の骨格や脳の容積などネアンデルタール人に類似する点が多いことから、現在はネアンデルタール人の発生起源はハイデルベルゲンシスであるとされています。

 

ネアンデルタール人が絶滅した理由は?

引用: Pixabay

ネアンデルタール人はクロマニヨン人によって絶滅しました。

ネアンデルタール人は1つの家族で暮らし種を繋いでいましたが、クロマニヨン人は複数の家族が集まった34世代で形成された大きな部族で暮らす特徴があります。そして、クロマニヨン人はネアンデルタール人とは違い植物や野菜などを主に食べていました。

ネアンデルタール人は独立した人類としての生存には有利な大きな脳と身体を維持するために多くのカロリーが必要でしたが、これが生存していく上で弱点になる出来事が起こります。世界各地の巨大火山の噴火です。この環境の急激な変化はクロマニヨン人が体力と持久力で勝ち目がなかったネアンデルタール人の勢力を抑えるきっかけになります。

各地の巨大火山の噴火後、草木は枯れ草食動物が姿を消しました。動物の高タンパクな栄養に依存していたネアンデルタール人は食べ物を失い栄養失調、飢餓状態へと陥り、ついには共喰いを始めてしまいます。ですが、同じように食料に苦しんでいたクロマニヨン人は植物を食べる習慣があったことから、わずかに生えている草や植物を食べて何とか生き残りました。

ですが、ネアンデルタール人は高カロリーな食事が必要だった為、クロマニヨン人を食べなければ生き残れない状況になります。お互いの化石からはお互いの歯型が見つかっており、この2種類の人類はお互いを食べ合う関係であったことが分かります。この最悪な状況にネアンデルタール人とクロマニヨン人は対立し争うようになります。

そして不運なことにネアンデルタール人が絶滅したとされる時期に各地の火山の噴火後、氷河期が訪れ食料難にさらなる拍車をかけ、ネアンデルタール人の個体数の減少は加速します。

狩人として特化した強い身体は草食動物を絶滅させるほどでしたが、獲物が減少し食料難に陥ったネアンデルタール人は次第に共食いを始めてしまいます。ネアンデルタール人の化石が発掘された洞窟では、共食いされたネアンデルタール人の骨が多く見つかる場所も確認されています。

そして、クロマニヨン人の大きな部族で暮らす特徴は生存率を大きく上げました。男性は狩猟に行き、女性は病人を看病し、祖父母が子孫を育てる環境で、この大きな団体の中でお互いに支え合う生活から、クロマニヨン人は適齢期まで生き残る確率が高いと分かります。

ネアンデルタール人を絶滅へと追いやった後、クロマニヨン人は生存率を上げ効率よく成長できたと考えられます。

 

ネアンデルタール人の少女が話題に?

引用: Pixabay

そもそも、なぜ話題になっているかと言うと「他の人類同士の交雑があったのか」という議論が長い間続いていました。

ですが、今回発見された少女の遺伝子には、はっきりとネアンデルタール人とデニソワ人の遺伝子が含まれていることが判明し多くの学者を驚かせています。デニソワ人とは、ロシアにある洞窟(デニソワ洞窟)の名前が由来で、2010年に発見された新たな人類でネアンデルタール人、ホモ・サピエンスなどと同じ時代を共存していました。

そしてデニソワ人の発見から2年後の2012年に、少女の化石はデニソワ洞窟で発見されました。その化石は人なのか動物なのか判別できない程小さく様々な動物の化石と一緒に放置されているところを発見しました。

 

ネアンデルタール人まとめ

引用: Pixabay

私たちホモ・サピエンスの祖先がネアンデルタール人と考えられていた時代もありました。

しかし、ネアンデルタール人の化石が発見される度に、今まで信じられていた研究結果が何度も覆され新たな事実が発表続けてきました。現在は科学技術の飛躍的な進歩により、今までより精度の高いDNA検査で研究が行われています。

そして、ネアンデルタール人としての独立した種は絶滅へと至ってしまいましたが、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが交雑していたという発表もあり、ヨーロッパ人とアジア人にはネアンデルタール人の遺伝子が2%含まれています。

現在の私たちは絶滅していった過去の人類の遺伝子を引き継ぐ末裔なのです。まだまだ謎が多く研究の余地が尽きることはありません。この魅力的なネアンデルタール人の、今後の新たな発見と発表は私たちを何度も驚かせてくれるでしょう。

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