引用: Pixabay
2004年11月17日午後２時ごろ、奈良県奈良市学園大和町の会社員の長女で同立富雄北小学校１年生の少女、有山楓ちゃんが下校途中に車で連れ去られました。
その後、犯人は小学１年生の有山楓ちゃんが持っていた携帯電話でその子の母親に「娘はもらった」などという趣旨のメールと少女の写真を送りつけていました。
この携帯電話はGPS機能付きのものでしたが犯人は使用後、携帯電話の電源を切ったかその機能をオフにしたため有山楓ちゃんが誘拐された場所はわかりませんでした。
翌日の18日の午前0時過ぎに少女は水死体となって平郡町の道路側溝で見つかりました。
12月14日未明、犯人と思われる人物から両親や親族の携帯電話に宛てて「次は妹を狙う」と被害者の有山楓ちゃんが持っていた携帯電話からメールが送られました。このメールにも女児の画像（最初に送られてきたものと同じ）が添付されていました。
12月30日、奈良県警察本部は同県三郷町に住む三郷町毎日新聞西大和ニュータウン販売所の従業員、当時36歳で色白小太りの小林薫の自宅を家宅捜索し、女児の携帯電話とランドセル、ジャンパーなどの衣服が見つかり、小林薫本人が誘拐を認めたためが逮捕に至りました。
その後2005年1月19日に殺人と死体放棄容疑で再逮捕されました。
逮捕のきっかけは？
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有山楓ちゃんの携帯電話から小林薫の携帯電話にメール発信されていたことがきっかけとなりました。
携帯電話のメールは送信元と受信先双方の情報が携帯電話会社の通信記録にのコルため小林薫の知人名義だったことが判明したというわけです。有山楓ちゃんの携帯電話の通信記録から小林薫が割り出されました。
また、小林薫は11月の下旬から販売店近くのスナックに通うようになりました。いつも一人で来店し、カラオケを歌っていたそうです。
その行きつけのスナックで12月下旬に有山楓ちゃんの遺体の写真をインターネットから拾ってきたものだとして店員やその場にいた客に見せていました。逮捕前日もそのスナックを訪れ午前０時まで酒を飲んでいました。
娘が帰宅しない？女児の家族と目撃者
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2004年11月17日午後6時45分、奈良市学園大和町の会社員の妻（女児の母親）が、同立富雄北小学校一年の長女が学校から帰宅していないと警察に通報しました。
当時小学１年性の有山楓ちゃんが小林薫に連れ去られるところを目撃した同じ小学校の児童２人は女児が自分から車に乗り込んだように見えたと証言しました。そのことから当時は顔見知りの犯行とみられました。
前述の小学校の児童２人は当初、車の色について、黒か紺、白と証言していたため警察は当初車種は日産マーチではないかと推定しましたが、別の通行人の男性が現場付近を行ったり来たりしていた不審な車両を目撃していました。
その車は当初推定されていたマーチではなく、緑色のカローラ２でした。この車両は男性の目撃証言の通り、現場付近に設置された防犯カメラに複数回映っていたそうです。
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司法解剖の結果、水死と判明しました。前述の通り有山楓ちゃんは側溝で遺体が発見されましたが肺にたまっていた水は汚れておらず、水道水を風呂場や洗面器にはりそこに少女の顔を押し付けるなどして水死させたと判断しました。
また、殺害時に被疑者である少女を裸にして殺害後に服を着せまた、手足には擦り傷も発見されました。この傷は殺害後に小林薫によって意図的につけられたものだと見られています。
歯も数本抜かれていて、こちらも小林薫の意図的なものと見られています。
有山楓ちゃんの衣服には毛が付着していましたが、鑑定の結果B型とAB型の血液型のものでした。
奈良小１女児殺害事件の具体的な場所
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児童２人が目撃した場所は自宅近くの市道と証言していました。
小学校から距離があり有山楓ちゃんの自宅に近い場所だとされています。
家から出ると有山楓ちゃんが連れ去られた場所が目に入り事件のことが頭を駆け巡りその飛びに息苦しくなるので全く知らない土地に引っ越したいと家族は話していました。
犯人、小林薫の生い立ち【奈良小１女児殺害事件】
小林薫の生い立ちは？
小林薫 奈良小1女児誘拐殺人事件 04年11/17
女児を誘拐し暴行。事件発覚を恐れ殺害。女児の携帯から、「娘をもらった」という女児の写真付きメールを女児の母親に送っている。13年2/21、執行。44歳没。 pic.twitter.com/NcjDXjpAbY
— 執行済み・獄中死した死刑囚bot (@sikei_syu_bot2) September 4, 2019
小林薫は大阪市住吉区の燃料店を経営する両親の長男に生まれました。小林薫が10歳のとき母親が難産のためになくなりました。この時生まれた弟も障害が残りました。
このため父親や祖母などの家族は弟につきっきりになり、小林薫はあまりかまってもらえなかったといいます。
小林薫は父親と気が合わず、暴力を振るわれることもありました。母親が存命のときは母親が父親の暴力から小林薫を守ってくれていたといいます。
そのためか、小学校の卒業文集には母親の死に触れて、「5時間以上泣いた」「いつか、お母さんのいる天国へ、今度あってときは人をいじめないようになってから会いたい」などと書いたそうです。
幼稚園時代からいじめを受けていたそうで、中学時代には左目の視力が著しく低いことなどから不良集団からいじめを受けることもあったといいます。
中学校卒業後は、大阪府内の私立高校入学に進学しました。高校時代にはクラブの合宿で宿泊していた旅館の近くのマンションの踊り場でたまたま見かけた小学３年生の女児二人にわいせつ行為をしてしまったこともあったそうです。
小林薫は1987年3月に高校をを卒業後就職しました。
小児性愛者だった？
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小林薫の自宅からは幼児ポルノのビデオ80本から100本や雑誌、盗まれたものとみられる女児の下着や衣類が100着弱、およびダッチワイフが押収されました。
小林薫が以前勤めていた新聞販売店の部屋で幼女の裸の本が残されていたこともあったそうです。
アダルトアニメを高校生の時にみたことが性格を湯が褪せた要因だと弁護士は述べましたが、強制わいせつを初めて多なった14歳の時と時期が合いません。
Twitterなどで小林薫はフィギィアオタク（フィギィア萌え族）ではないかとデマが流れましたが、小林薫はフィギィアを一つも所持していませんでした。
また、アダルト同人誌なども所持していませんでした。
精神鑑定の結果、反社会性人格障害およびぺドリフィリアと診断されました。
犯人、小林薫の経歴【奈良小１女児殺害事件】
小林薫の職歴は？
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1987年に高校を卒業後、大阪市の飲食店に就職しました。しかし、長続木することなく退職しました。
その後小学生時代にもやっていた新聞は立つの仕事を始め、奈良や滋賀の新聞販売店を転々としました。しかし、新聞の契約を捏造したことや勤務態度の悪さから、解雇されたこともあったそうです。
2004年初めから大阪市住吉区の毎日新聞湯里販売所に勤務していましたが4月に集金した新聞代を持ち逃げしてしまいました。この店に勤務している間、小林薫は人目につきいくい長官を配達する未明の時間帯に民家の物干しなどから女の子の体育着や下着類を物色し盗んでいたといいます。
同年の７月から有山楓ちゃんが連れ去られた奈良小１女児殺人事件の現場にほど近い奈良市西部地区を担当する毎日新聞大和ニュータウン販売所で働き始めました。小林薫は新聞配達と集金を担当していたそうです。
小林薫容疑者の勤務先であった毎日新聞の対応
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事件を受けて毎日新聞は、小林薫が勤務していたきた葛城郡河合町と以前勤務していた大阪市住吉区の販売店との契約を2005年1月31日で解除しました。
同販売店が契約を解除となった理由として挙げられたのは、新聞購読料など23万円を奈良小１女児殺害事件の犯人である小林薫容疑者に持ち逃げされた件で警察に被害届を出した後河合町の販売店で働いているのを把握したのにも関わらず、毎月3万の返済をさせることを条件に警察には通報していなかったことがわかったことからです。完済されることはなかったそうです。
小林薫の前科は？
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小林薫は過去に幼児への強制わいせつの前科がありました。
1989年12月、小林薫が20歳のとき、５歳の女の子にわいせつ行為、さらに幼女の首を締めたとして殺人未遂容疑で逮捕されました。
この事件では懲役3年の実刑判決が下され、刑務所での生活を経験しました。その際、本人は特に反省の色を見せなかったが、傍目には真面目に生活していため所内でも教育や指導は行われなかったといいます。
1995年11月9日、仮釈放となり、1996年7月23日には仮釈放期間が満了しました。
米国のミーガン法などに習った前歴者への監視を強めることの必要性が議論されました。
ミーガン法とは？
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ミーガン法（ミーガンほう）とはアメリカのニュージャージー州で成立した性犯罪情報公開法の俗称です。
ミーガン法のミーガンはニュージャージー州でミーガンカンカという性犯罪被害者の少女から取られました。ミーガン法の基本的な意図とは性犯罪者は再犯率が極端に高いということから保護者たちに近隣に性犯罪者がいることを知らせることで子供達を守るということです。
奈良小１女児殺害事件をきっかけにミーガン法のような制度を日本でも導入するのが議論されました。
犯人、小林薫の犯行内容まとめ【奈良小１女児殺害事件】
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殺害方法は前述の通り、わいせつ行為をしようとした際に有村楓ちゃんに歯を立てられ小林薫はカッとして浴槽に貼った水に３分間顔をつけ、動かなくなったのを確認してから全身を2分ほど沈めて水死させました。
動機は、有村楓ちゃんに面識や恨み、好意が元からあったわけではなく、一人で歩いている女の子では誰でもよかったなどと無差別で事故的に起きました。
犯人、小林薫への判決【奈良小１女児殺害事件】
供述
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小林薫本人の供述によると事件当日、仕事が休みだった小林薫は知人から滋賀ナンバーのカローラ２を借り、大阪府八尾し周辺に赴き連れ去る女の子を探したが見つからなかったため奈良市に移動したそうです。
当日の午後１時50分頃同市学園中5丁目の路上を1人で歩いていた下校途中の有山楓ちゃんを見かけ「家まで送ってあげる」と声をかけて車に乗せました。
有山楓ちゃんを狙った理由についてはも1人で歩いている女の子なら誰でもよかったとも供述していました。
３時20分頃、約11キロ離れた自宅に連れ込み、しま楽有山楓ちゃんの宿題を手伝ったのち、風呂場でわいせつ行為をしようとしたした際に手を噛まれカッとなり浴槽に貼った水に３分間顔をつけて動かなくなったのを見てさらに全身を２分間沈めて水死させたそうです。
この供述は前述の司法解剖の結果に一致しています。
携帯電話で有村楓ちゃんを撮影した理由については、殺したことを親に知らせたかったからだと話しました。
初公判の内容とは？
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2005年4月18日、奈良地方裁判所で初公判が開かれました。
小林薫は反省の色もなく、「反省の気持ちも更生する自信もない。早く死刑判決を受け、第二の宮崎勤（東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件の元死刑囚）か宅間守（附属池田小事件のもと死刑囚）として世に名を残したい」と供述しました。
初公判当時、宅間守元死刑囚はすでに死刑執行されていましたが宮崎勤元死刑囚は上告中であり月間の雑誌「創」2006年2月14日で精神鑑定も受けずに第二の宮崎勤は名乗らせたくないと言った趣旨の言及をし小林薫容疑者を批判しました。
前述の通り、小林薫容疑者は反社会性人格障害およびぺドリフィアと診断されました。
判決
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弁護側の最終弁論を経て、9月26日奈良地裁・奥田哲也裁判長は「生命をもって罪を償わせるほかない」と休憩通り死刑を言い渡しました。
言い渡しの後自席に戻りながら小林薫は傍聴席に視線を向け、着席すると小さく笑い、ガッツポーズ、そして目を閉じて何度か頷きました。
犯人、小林薫の死刑執行【奈良小１女児殺害事件】
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2013年2月21日、大阪の拘置所で小林薫の死刑が執行されました。
死刑が執行されたのは二度目の再審請求に向けて準備中のタイミングでした。
同日には土浦連続事件お死刑囚、名古屋市中区栄スナックバー経営者殺害事件の死刑囚の死刑も執行されました。
有山一族の現在は？【奈良小１女児殺害事件】
有山一族、両親による手記
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奈良小１女児殺害事件の被害者、小林薫の死刑執行から1年9ヶ月がたとうとする頃有山楓ちゃんの父親有山茂樹さんが「悲しみや苦しみ あの日のまま」と手記を残しました。
有山一族、両親の願い
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「今も子供が被害にあう事件があとを絶ちません。子供の安全を守るには地域のつながりが不可欠です。
そこから親も子も安心感が生まれれのだと思います。罪のない子供たちが被害にあう事件が二度と起こらない、子供たちの笑顔の溢れる安心安全な社会になることをこころより願います。
奈良小１女児殺害事件まとめ
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奈良小１女児殺害事件ではミーガン法のような事前の再犯対策があれば有山楓ちゃんは救うことのできた命かもしれません。小林薫の死刑執行後も有山一族、遺族の悲しみや苦しみは消えることはありません。
このような痛ましい事件が今後起きることのないような法改正や対策、世間の監視の目が強化されることが大切になります。