スーパーリアリズム画家20人&代表作を一挙紹介【まるで写真】 | ToraTora[トラトラ]

brushes-3129361__480-e1563677222676-9055558

引用: Pixabay

スーパーリアリズムって言葉を聞いたことありませんか?

ネットや映画などで表現されるリアルとそっくりの絵をスーパーリアリズムと言っています。最近だと君の名はの映画で描かれた風景が本物そっくりだと話題にあがりました。あのように現実にあるものそっくりに描くことをスーパーリアリズムと呼んでいます。

ここではそのスーパーリアリズムを作り出すスーパーリアリズム画家とその代表作に焦点をあてて紹介していきたいと思います。

スーパーリアリズムとは

watercolour-4114529__480-e1563679509670-2392063

引用: Pixabay

スーパーリアリズムは英語表記でSuper Realismと表記され、写真や映像を用いて描く対象を克明によりリアルに描写する美術の潮流の一つです。

ハイパーリアリズムやフォトリアリズム、ニューリアリズム、シャープフォーカスなどという言われ方もします。起源は1960年代後半から70年代前半にかけて主にアメリカで起こったとされており、主要な画家にロバート・ベクトル、チャック・クロース、リチャード・エステス、マルコム・モーリーなどがいます。

スーパーリアリズムの画家たちは当時の不安に駆られる世界を、非常に真実に近い形で表現することで当時の状況を残そうとする活動だったのです。これらのスーパーリアリズムの画家たちは互いに独立してそれぞれが制作活動をおこなっていました。

画家としての出発点もそれぞれ異なっているのですがその作画対象が市民生活や都会の風景、一般人の肖像画など身の回りにあるありふれたものを主題として、それを写真に収めてその写真をプロジェクター等を用いてキャンバスに投射し、エアブラシなどの用具を使いながら転写する手法を用いることでリアルに近い絵を写し取って描く作風において共通している画家だといえます。

この手法を用いた結果として現在スーパーリアリズムと呼ばれる、より現実的で写真のような平面性の再現に成功したのです。同時に絵の中から感情を廃することにで抽象画との差別化も測れたのです。

こうしたスーパーリアリズムの活動は1600年ぐらいのオランダの絵画などからも影響を受けています。絵画の中に本物のようなものを描くことで手で描いたものではなく写真と見せかけていたことから、騙し絵「トロンプルイユ」とも呼ばれていました。本物そっくりなスーパーリアリズムの絵と本物を比べてどっちが本物かなんて当てるクイズがあったりしますよね。

17世紀の有名画家であるフェルメールなども代表作の作風を見るとスーパーリアリズムの影響があったと思われます。フェルメールはカメラを使って写真的なリアルさを持った作風を持った画家なのです。

スーパーリアリズムの画家たちが表現するのは、写真というメディアがイメージとして作りだしたもう一つの現実の有様であり、写真という媒体が持つ独特の効果そのものであるとも言えます。

抽象画が美術分野の主流であった1970年代から80年代にかかけて多くの批評家から錯視を利用するトリックアートの作品とスーパーリアリズムの作品を関連視してスーパーリアリズムの画家たちは誤解を受けたが、トリックアートとスーパーリアリズムは別の流れをくむものであり関連付けるのは誤解なのです。

スーパーリアリズムはポップアートの流れを汲んでおり、抽象絵画に対する批判として生まれたのです。

しかし、抽象絵画とも共通している部分も含んでおり、没個性的な表現を追求するという点では抽象画家と共通しているのです。また、スーパーリアリズムの画家たちはエドワード・ホッパーなどに代表されるアメリカの伝統的な写実主義画家とも距離を置こうとしました。

しかし、スーパーリアリズムの作風が世間に出てきた当初は写真の使用などを使用するスーパーリアリズムの手法に対して評論家らから強い批判の対象になったのです。その結果、1972年のドクメンタ5に多くのスーパーリアリズム画家の作品が出品された際には逆行的な作風といてスーパーリアリズム画家は嘲笑の的になったのです。

スーパーリアリズムの作品は絵画だけでなく、人体を型取りしてポリビニールを使って彫刻を作るドゥエイ・ハンソンやジョン・デ・アンドレアたちの作品のスーパーリアリズムの範疇に入るのです。

日本ではガラスや生卵といったものを克明に描写する画家として上田薫などがスーパーリアリズム画家として知られています。

スーパーリアリズム絵画の描き方

man-343674__480-e1563677387208-2583524

引用: Pixabay

スーパーリアリズム絵画の描き方は、描きたい被写体の写真を取り、それをプロジェクターに移して上から機械的になぞるという手法が基本になるようです。

子供のころに好きな漫画やアニメキャラの絵や写真の上にトレーシングペーパーを置いて書き写した経験はありませんか?描き方のイメージとしてはそんなイメージで大丈夫です。今ではPC上でベースとなる写真データを取り込んで画像として起こし直すこともできるので、その手法も技術の進歩とともに進化してるといえますね。

写真を撮って、それをベースに絵に変換する。スーパーリアリズムは現実を一歩引いて見つめる意味を持つポップアート的な一面も含まれているようです。

Array

woman-1283009__480-e1563677435181-3980055

引用: Pixabay

スーパーリアリズムはリアルな写真みたいに描かれた絵画であることは前述した通りです。ではスーパーリアリズム画家たちはリアルに近い絵をなぜ写真をもとにして描いたのかということになります。

スーパーリアリズムの画家たちがなんで実際のモデルや風景などのモチーフを直接目の前にして描かないのか。そこが、現代アートたる由縁となっているのです。

実在するモデルや風景を見て描くのならば、大昔の画家たちとなんの変りもしないのです。スーパーリアリズムはリアルという写実絵画の範疇に入るが、スーパーリアリズムの画家たちにとって実際にはその部分に目的が無かったのです。

では、スーパーリアリズムの画家たちの目指す目的はどこにあるのか、特別な価値のない一般的な題材ばかり意図的に選択するのは何故なのか?という疑問が残ります。

スーパーリアリズムの画家たちは、「日常のなんてことない風景」を題材にしていました。例えば、街角の一角にある日常の風景、町中にある食堂、色鮮やかなお菓子、一般人の肖像写真などがスーパーリアリズムの画家たちの代表作として残されているのです。

街角の風景などは、そこに暮らす人々にとっては普段からあるごくありふれた風景であって特別な価値などはないのです。ありふれた日常の一端であり、いわば空気のようなものと言えるのです。そんな日常を写真に撮り出して、その風景を空気間をそのままを写し取るように描くことが、スーパーリアリズムのもつ根本といえるのです。

何故写真から?という部分にスーパーリアリズム画家たちが表現したい意味があるのです。

写真に撮られた風景は、あくまでの写真であり実際の風景とは違います。プリントアウトした場合には、薄っぺらいただの紙でしかないのです。しかし、その紙に写し撮られた風景は、そこに切り取られた一つの時間の記憶となっているのです。

その風景はカメラを通したものでありのままの現実でない。記録された事実ではあるが、そこに写されたものは現実ではないとも言えます。また、写真という物自体がありふれた日常と同じく、日常的にどこにでのある存在です。ありふれた現実の日常と、同じような存在であるカメラから生み出される風景は、現在においてはどこにでもあるのです。

スーパーリアリズム画家たちにとって大切にしている要素の一つとして、日常と記憶もしくは記録というのを重視しているのではないかと思われます。しかし、それだけではスーパーリアリズム画家たちがわざわざ写真をベースに、描き起こす理由には結びつきません。

日常と記憶を残すだけなら、写真を撮ってのこせば済むことです。スーパーリアリズム画家たちは、日常と記憶をわざわざ労力をかけれ絵画に描き起こしているのです。日常~記憶(記録)=写真~絵画~観客という流れになるのです。

このスーパーリアリズム画家たちが表現する構図が意味することは、「ありふれた日常を写真を媒介にして再度提示しなおしている」ということです。スーパーリアリズム画家たちが効果として意図したのは「写真では日常的すぎて空気感が強く見過ごしてしまうものを、絵画にすることで注目し人々を喚起する」ということを狙ったのだと考えられます。

1960年代のポップアートは、大量生産、大量消費という社会背景を受けて、消費される商品をメインにアート作品を創りだしたのです。そこでのメイン題材は、食料品などの生活必需品や新聞、テレビ、映画などのメディア媒体、事件や事故のニュース、俳優などの芸能人などが選ばれていました。

ポップアートは、色彩が豊かで華やかに見え、見る人の目を引き魅了します。しかし、その実「消費されるのは、物だけとは限らない」ということを如実に表していました。そこが現代アートたる由縁になるのでしょうが。

そのポップアートの時代を経て、時がたち現れたのがスーパーリアリズムになるのである。ポップアートが表現したのが「すべてが消費される」ということでした。スーパーリアリズムはポップアートの根っこにある日常に注目し、取り上げることでアートに昇華したと言えます。

このことからスーパーリアリズムはポップアートから派生したアートと言っても過言ではないと思われます。

スーパーリアリズム画家の絵画を見るには?

mona-lisa-690203__480-e1563677479806-5470865

引用: Pixabay

スーパーリアリズム画家の絵画を実際に見るにはどこに行けば見れるでしょうか?

日本にスーパーリアリズム画家の絵画を展示してある美術館があります。その美術館は、千葉県にあるホキ美術館といいます。

ホキ美術館は、日本初の写実絵画専門美術館え、有名画家から若手の画家まで役60画家480点の写実絵画を所蔵しているとのことです。代表される画家は森本草介、中山忠彦、野田弘志でいずれの作品も写実主義の作品になります。

その流れでスーパーリアリズム画家の作品も多く所蔵されているのです。

まるで写真!スーパーリアリズム画家の絵を紹介!

それでは、スーパーリアリズム画家の絵を見ていきましょう。

【1】絵の具

Array

写真としか思えないこれらの作品は、カナダ人アーティストのジェイソン・デ・グラーフ氏によるもの。最初に描きたい対象の写真を撮り、その後キャンパスに鉛筆で下書き→アクリル絵の具で色付けという流… pic.twitter.com/cD2uagBx

— TOKYO TIME TRAVEL (@SRAWRATS_2010) November 1, 2012

カナダ人スーパーリアリズム画家ジェイソン・デ・グラーフ氏の作品。

絵の具をモチーフにした作品で写真で撮った絵の具をアクリル絵の具で再現した作品です。

【2】モーガンフリーマンの肖像画

イギリス人スーパーリアリズム画家カイル:ランパートの作品。映画俳優のモーガンフリーマンの肖像画をIpadを使って描いた作品です。

【3】桐谷美玲の肖像画

鉛筆を使って描かれた似顔絵作品です。

【4】カーネーション

コップに生けられたカーネーションの花を描いた作品。油絵で描かれた作品です。

【5】ウォッカボトル

イタリア人スーパーリアリズム画家のマルチェロ・バレンジーの代表作。

本物のウォッカボトルが存在するかのように立体感のある作品です。

スーパーリアリズム画家20人&代表作を一挙紹介①

painting-4159435__480-e1563677730483-1132505

引用: Pixabay

続いては、スーパーリアリズムの画家を20名紹介していきます。

【1】Malcolm Morley

Malcolm Morleyはスーパーリアリズム画家として50年以上も活躍していた人物です。一つの様式に固執することなく抽象表現やコンセプチュアル・アート、ポップアートなどの数々の活動を行っていました。

その中でも特にアートに対して影響を与えていたのがスーパーリアリズムの手法だったのです。

1950年代のMalcolm Morleyは主に抽象表現の絵を描いていました。それが1960年代に入るとスーパーリアリズムに出会い、スーパーリアリズムの絵画を開拓していくことになりました。

そのMalcolm Morleyーの作風は大量生産された写真のように、精巧で現実そっくりな物でした。

1970年代にはコンセプチュアル・アートに移行するなど時代の潮流を見ながら、多岐にわたる表現をしてきたアーティストと言えます。

Malcolm Morleyの代表作にはハイウェイでの事故の様子を描かれた作品や戦闘機を描いた作品ロードレースを描いた作品があります。

【2】Chuck Close

@meiselgalleryがシェアした投稿 – 2019年 5月月8日午前7時22分PDT

スーパーリアリズム画家Chuck Close は大きなキャンバスを目一杯使って人の顔を描いているスーパーリアリズム画家です。

Chuck Close は写真を碁盤の目のように区切って、それをキャンバスに転写するという手法を用いて大きなキャンバス一杯の 絵を描いています。

Chuck Close が最初にスーパーリアリズムの手法を取り入れたのは1967年のことで、スーパーリアリズムの手法を用いて30か月という時間をかけて8点の巨大な肖像画の作成を行いました。

このような碁盤の目のように描いていく手法を始めたことや、指に絵具をつけて描いていくようなスーパーリアリズム画家の中でも研究熱心な画家であったという印象をもちます。

Chuck Close の代表作には巨大なキャンバスに描かれた8点の肖像画になります。

【3】Richard Estes

@zella81がシェアした投稿 – 2019年 5月月16日午前9時15分PDT

Richard Estesはアメリカイリノイ州生まれのスーパーリアリズム画家になります。

Richard Estesはシカゴ美術大学で絵画について学び、1956年にニューヨークへ移住しました。

1967年頃にスーパーリアリズムの手法を使用して、ニューヨークの街並みの写真からニューヨークの街並みを描いていました。Richard Estesの場合はリアルを追及するのではなく、完璧に写真からの複製を行わず、細部については変更することが多かったと言われています。

絵画を構成する写真も1枚から転写するのではなく、複数枚の写真から自分の中で構成しなおして理想とするものへと描き変えていたそうです。

Richard Estesが絵画の中で最も力を入れた部分は、水たまりや窓ガラスといった光りを反射するものに力を注いだという特徴をもっています。

Richard Estesの代表作は巨大都市ニューヨークを舞台にして、店頭のショーウインドーや街角の風景、高層ビルから地下鉄にみられる光景など近代文明の都市風景を独自の視点で切り取った作品になっています。

徹底した精密描写により現代を表現するスーパーリアリズム画家の代表的な画家としてしられています。

【4】上田薫

@jade_tailorがシェアした投稿 – 2018年12月月20日午後5時20分PST

上田薫は日本人のスーパーリアリズム画家です。

上田氏は、幼稚園に通っていたころに海軍士官だった叔父ら、外国の絵本をもらったことで絵に興味を持ちました。

その外国の絵本の挿し絵の子犬とか子猫の表現が、それはもう手で撫でてやりたくなるようなリアルな質感で描かれていたそうです。日本の絵本に描かれる絵とは、立体感や質感がまったく異なりよりリアルな挿し絵にショックを受けて、感動したそうです。

上田家は代々軍人の家系だったそうで、絵を描いていると父親から怒られたそうです。しかし、上田氏が大学の医学部の受験に失敗し、美術史家の富永惣一先生に出会ったことが、画家になる大きなきっかけになったそうです。それで東京芸術大学に進路を決めたそうです。

1954年に東京芸術大学を卒業した後は、抽象的な絵を手掛け、スーラージュやアルトゥングから影響を受けていて、書のような強く黒い線をベースとした作品を作っていたそうです。その流れで1956年にはMGM映画のポスター国際コンクールでグランプリに輝きました。

そのときはグランプリの賞金に惹かれて応募したら、グランプリになってしまったと上田氏本人が語っています。当時は芸術の追求よりも現実の生活のための経済的なことが大事だったようです。

このグランプリの受賞によりデザインの仕事がどんどん増えていって、デザイン事務所の社長にまでなってしまったのだそうです。

商業デザインの分野では、日立製作所の創立50周年のプロモーションのためのデザインを全て手がけました。このプロモーションのデザインをのために、日立の工場の海から太陽が昇る瞬間とか、全国の工場の様子とかをカメラマンとともに写真を撮ることが身近な作業となり、現在の作品作りの土台になっているといいます。

上田氏は絵を描くのは好きだったが、デザインの分野は好きだった訳ではないので、会社では、プレゼンテーション用のイラストとか描くのみで、残りの仕事は社員に任せてしまっていたそうです。その事務所は10年ぐらいやったあと、社員に譲り、1人の画家として歩む道に進んだそうです。

その後上田氏は、創作活動を続ける中で抽象画での作風に行き詰った結果、スーパーリアリズムの絵画を描くようになったのです。

スーパーリアリズムの絵画を描いていると頭の中がからっぽになった集中できたのです。その創作活動において、貝が描きたいなら、重力に支配された貝じゃなくて、貝そのものだけを描けばいいと感じ、現在の作風になっていったのです。

上田氏の描く作品はスーパーリアリズムと言われていますが、上田氏本人はリアルじゃなく、抽象絵画だと言っています。

代表作として生卵が割れて、殻から黄身や白身が落ちていく瞬間を描いたシリーズがありますが、その瞬間は実際は見えません。作品を描くための撮影をする際には、卵を数百個も割って白身に周りの風景が映り込むようにして切り取る瞬間を選択しています。シャボン玉やゼリーなども同様にいくつもの撮影を重ねた中から厳選された瞬間を切り出しているのです。

写真を撮るときから創作活動をしているという点から現実に存在するものを切り取って描く、スーパーリアリズムとは違うのだということだそうです。

上田氏の代表作は生卵シリーズ、スプーンに掬われたゼリー、水の入れられたコップなどがあり、どの作品も精密で非常に美しい作品となっています。

【5】Franco Clun

スーパーリアリズム画家Franco Clunはイタリア人の画家で鉛筆のみで描いたスーパーリアリズム作品を制作しています。

Franco Clunは独学でスーパーリアリズムの手法を学んだ画家になります。鉛筆のもつ独特の質感もあり、Franco Clunの作品は皮膚の皺や質感を細部までこだわって描いているのが特徴です。

代表作として、人の肖像画を鉛筆のみで描いた作品が有名です。

スーパーリアリズム画家20人&代表作を一挙紹介②

painting-1673774__480-e1563678227801-8868074

引用: Pixabay

続いて紹介する画家たちは、こちらの5名です。

【6】Stephen Shub

スーパーリアリズム画家Stephen Shubはアメリカの画家で車をはじめ風景、花、動物、昆虫など身近な存在を題材にした多くのリアルな絵画作品を制作しています。

代表作とし有名なのは車を描いた作品で車を部分的に切り抜いてものすごくリアルに描いた作品になっています。

【7】Denis peterson

スーパーリアリズム画家Denis petersonはものすごくリアルな絵を描くことで有名な画家です。Denis petersonの描く絵は一見写真に見えるほど精巧に描かれているのです。写真をいわれて渡されると納得してしまうというレベルの作品なのです。

しかも、作品はデジタルで描かれたものではなく、全て手で描かれた作品なのです。

代表作としては雨上がりの親子を描いた作品や街角に立つ男性を描いた物などがありますがどの作品も写真と見間違うほどに精巧にかかれた作品たちです。

【8】Paullung

スーパーリアリズム画家Paullungの作品はほとんどがモノクロで描かれた作品です。

鉛筆で描かれた作品で言われないと気付かないほど精巧に描かれた作品でモノクロ写真と見間違えるほどです。光りの受け方や写真っぽいピントの合わせ方などの特徴をもつ作風です。作品の中では毛の一本一本、皺の一つ一つまで驚くほどリアルに精巧に描かれているのです。

代表作としては大仏や釈迦如来像などの仏像を精巧に描いた物や、猫やパンダ、犬などの動物を非常に精巧に描いた作品があります。

【9】Ron Bolt

スーパーリアリズム画家Ron Boltは最初はグラフィックデザイナーとしての仕事をしていたのだが、最終的にグラフィックデザイナーをやめて画家に転職した経歴を持っています。

Ron Boltの作品の特徴は、そのも題材となるモチーフのほとんどが海や海洋などの風景であり、波の様子や水しぶきなどをリアルに描写する作風になっています。

代表作は水平線に沈む夕日を描いた作品や岩礁に打ち付ける波を描いた作品などになります。

【10】Rod Penner

The ADAAさん(@the_adaa)がシェアした投稿 – 2018年 4月月11日午前9時17分PDT

スーパーリアリズム画家Rod Pennerカナダ人の画家になります。

1965年にカナダで生まれたRod Penner はやがてアメリカのテキサス州に移り住みます。そこでは過疎化した町を拠点にして、アメリカの小さな町の様子を写実的に描写しています。人通りのない閑散とした町の様子を描くことで、さびれゆく町の記憶を作品として残しているともお言えます。

代表作はテキサスの過疎化した町の風景を切り取った作品たちになります。過疎によってさびれていく町の様子が切り取られた町の記憶とも言うべき作品になっています。

スーパーリアリズム画家20人&代表作を一挙紹介③

paint-2636552__480-e1563678456506-6856641

引用: Pixabay

続いてはこちらです。

【11】Paul Cadden

スーパーリアリズム画家Paul Caddenはスコットランド出身の画家になります。

Paul Caddenの作品はチョークとグラファイトすなわち白墨と鉛筆で描かれています。他のスーパーリアリズム画家と同様にモチーフとなる人の表情から髪の毛1本1本、皺にいたるまで精巧に描かれています。Paul Caddenの作品で特質するべきところは被写体が水をかぶった状態の表現にあります。水に濡れた被写体を水しぶきや水滴を的確に描写することで、水に濡れた瞬間を見事に切り取った作品になっています。

代表作は水に濡れた人々や水をかぶった人の肖像画をはじめ、人々の表情を切り取った作品が多いです。

【12】Diego Fazio

スーパーリアリズム画家Diego Fazioはイタリア在住の画家です。

Diego Fazioはスーパーリアリズムの手法を独学で身に着けた独学の画家です。タトゥの作品から始まって、数年間でスーパーリアリズムを完全に習得しました。

イタリア国内では2011年にベスト・ニューアーティスト賞を受賞し、有名になった新進気鋭の画家になります。まだ若い画家のため、今後の作品が大いに期待されています。

代表作はアインシュタインやチャップリンの肖像画があります。また、女性の顔のアップの絵画など人の肖像画が中心になっています。

【13】 Dzimirsky

スーパーリアリズム画家Dirk Dzimirskyが描く作品は、真のリアル感を追求したデッサン画になります。

Dirk Dzimirsky曰く「身体的特徴だけでなく、被写体の存在感や内側に秘めたものを表現したい」と語っており、Dirk Dzimirskyの作品からは被写体のリアルな存在感を感じさせるような作品になっており、まるで写真のような完成度を誇っています。

Dirk Dzimirskyの手法は、最初のベースとなる構図だけ写真から描き、その後は、点や線を幾層にも重ねて描くことでリアル感を出していくというものです。この手法こそがDirk Dzimirskyが作品に生命力を与える方法であり、ゆえに水彩画や油絵ではなくデッサン画にこだわる理由だということです。

Dirk Dzimirskyの言葉に「現代のアートにおいてはどの雑誌を開いても良いように加工された写真ばかりです。メディアは画像から不完全かつ不都合な部分を取り除くことで完全な美というものを創り出していますが、それは見ている人に噓をついているだけです。私は、メディアが隠そうとする皺やシミまでありのままを描きたいのです」と語っています。

Dirk Dzimirskyの作品は、世間にあふれるどんな画像よりも真実を映し出している絵画なのかもしれません。真を写すと書いて写真ですが、その写真が自由に加工される今、写真よりの人間の描いた絵のほうが真実を語っているとは何とも言えない状況です。

代表作は人の表情を切り取った肖像画がになります。その一つ一つありのままの表情を描いており、リアルに近い作品になっています。

【14】Eric Christensen

スーパーリアリズム画家Eric Christensenの作品には面白い特徴があります。それは、Eric Christensenの描く作品のモチーフが全て酒であるということです。

グラスに注がれたワインとワインボトル、棚に並べられたウイスキー、ブランデーの瓶とグラスに注がれた酒などになります。酒と周りの空間を表現する変わった画家になります。

代表作はグラスに注がれたワインとワインボトル、棚に並べられたウイスキーなどで酒をリアルに表現した作品になっています。

【15】Dennis Wojtkiewicz

スーパーリアリズム画家Dennis Wojtkiewiczはアメリカ人の画家兼ドラフトマンになります。

Dennis Wojtkiewiczはサザンイリノイ大学を卒業後、スーパーリアリズムに傾倒していきました。Dennis Wojtkiewiczはモチーフとしてスライスした果物や花を大規模にレンダリングした作品でよく知られています。

色とりどりのフルーツのもつ、自然界が生み出した色あいや存在感に注目してモチーフとして使用し、それを油絵を使ってリアルに表現した作品になっています。

代表作はFruit and Flowers Paintingsでフルーツの断面をモチーフにしたリアルな作品となっています。

スーパーリアリズム画家20人&代表作を一挙紹介④

paint-933395__480-e1563678980391-7212107

引用: Pixabay

最後はこちらの5名です。

【16】Pedro Campos

スーパーリアリズム画家Pedro Camposはスペインの画家です。ビニール袋からはみ出る果物や缶、瓶などをリアルに油絵を使ってりあるに描いている画家になります。

代表作はビニール袋から取り出す寸前の果物や缶瓶を描いた作品や机に置かれた鉄球を描いた作品があります。どの作品もビニールやアルミなどに反射する光りの具合をリアルに描いた作品になっています。

【17】Jason de Graaf

スーパーリアリズム画家Jason de Graafはカナダのモントリオール出身の画家です。その作風の特徴は球体に映り込んだ景色をアクリル絵の具を用いて描く点にあります。

代表作は雪の上に転がった球体を描いた作品など球体をモチーフにした作品が多くあります。それぞれの球体に映り込んだ景色と溶けかかった氷、空から球体に挿す光りの反射など、金属の反射をリアルに表現された作品が多いです。

【18】Steve Mills

スーパーリアリズム画家Steve Millsはアメリカはボストン在住の画家です。

Steve Millsは11歳の頃から絵を描き始めたのだそうです。彼の画法は高画質の写真と見間違うほどの高度な写実主義で、その写真のような現実的でかつ写実的なシャープなスタイルと一般的な日常から切り取った風景のミスマッチにその味があるとされています。

代表作は、どこにでのある日常の風景である、たばねられた新聞紙や鉛筆立てに入れられた鉛筆などがありますが、それらのどの作品も高画質の写真と見間違うほどのリアルな作品になっているのです。

【19】Tjalf Sparnaay

スーパーリアリズム画家Tjalf Sparnaayはオランダの芸術家で、写真家でありイラストレーターであり、画家であるというマルチに活躍する芸術家です。

彼の作品には食べ物をモチーフにした作品が多くあります。油絵を用いて食べ物の質感をリアルに表現している作品になります。

代表作としてはハンバーガー、フルーツパフェ、フライドポテトなどがあります。そのどれも食べたくなるようなリアルな創りになっています。

【20】Robin Eley

スーパーリアリズム画家ROBIN ELEYはオーストラリアの画家です。出身はロンドンですがオーストラリアを拠点に創作活動を行っています。

人の体にビニールを巻き付けた作品が有名で、体とビニールの描き分けがとてのリアルで素晴らしい作品になっています。

代表作もビニールがメインとなっており、人とビニールを描いた作品が多く見られます。

スーパーリアリズムすごすぎる!

color-2413936__480-e1563679194501-2302450

引用: Pixabay

スーパーリアリズム画家の作品について紹介してきましたがいかがだったでしょうか?

どの画家の代表作となっているような作品たちはリアルと間違うほどの高画質の写真のような質感を持っていますよね。

切り取った風景そのまんまの情景が記録されているといっても過言ではありません。過去の画家たちが研鑽をつんできたものを現代の技術を持った画家たちがさらにそのレベルを上げているといえます。そこに実際にあるかのように描くスーパーリアリズム画家たちの作品に驚きを禁じ得ないです。

みなさんもこんなリアルを描いたスーパーリアリズム画家たちの作品に目を向けてみてはいかがでしょうか。

前の記事

新宿西口バス放火事件の概要!丸山博文はなぜ死刑にならなかったの…

次の記事