薬害エイズ事件の概要まとめ!被害者への判決や製薬会社の問題点を解説! | ToraTora[トラトラ]

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日本を恐怖に陥れた薬害エイズ事件。薬害エイズ事件とは、80年代に治療の一環として製薬会社が開発した濃縮凝個因子製剤を使用したことにより、エイズに感染して被害者を出すといった衝撃的な事件でした。

わかりやすく説明しますと、この濃縮凝固因子製剤とは治療のため使用されていたのですが、加熱処理をすることでウイルスを殺す必要があるにも関わらず加熱処理をしていませんでした

この薬害エイズ事件での、裁判の判決や阿部首相の対応、また薬害エイズ事件のきっかけになった原因から問題点も絞って見ていきましょう。

薬害エイズ事件の概要!

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では、薬害エイズ事件とはいったい何のことなのかをわかりやすく要点を絞ってご紹介していきます。

概要をここではお伝えします。

【1】事件の内容

まず、薬害エイズ事件でエイズすなわちHIVに感染した被害者はおよそ1400人にも及びました。

そもそも血友病患者というのが、日本には4割もいると言われています。その血友病の患者の治療に濃縮凝固因子製剤を投与したことで、エイズに感染した被害者を出すこととなったのです。

そしてこの薬害エイズ事件に至った経緯では、600人以上の死亡者の被害者を出しているのです。この薬害エイズ事件は、日本の重大な大きな問題点のある事件として知れ渡ったというものになります。

【2】原因

薬害エイズ事件で一番の原因として問題点になっていたのが、加熱処理をおこなっていなかったという点です。どういう事なのかわかりやすく言いいますと、濃縮凝固因子製剤を投与するには、ウイルスを不活性化させなければならなく、加熱処理処理を行います。

しかし、加熱処理を行なっていなかったことでエイズに感染してしまった被害者から、血液製剤が流通してしまい後天性免疫不全というものが発症してしまったことで死亡者がでるという被害者が増えたのです。

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https://t.co/MjdHc7ODsI 安倍氏は薬害エイズ事件でも名前が出てきた。エイズ裁判で非加熱製剤の審査担当の課長補佐として証人尋問され、「当時は非加熱製剤の危険性が高いという認識はなかった」などと証言した。

親戚?? pic.twitter.com/sJ29gZaqvt

— fareast (@psk337) February 16, 2017

薬害エイズ事件から、製薬会社および非加熱製剤を認知した厚生省を訴える損害賠償の民事裁判と、大学病院の責任者の阿部英さん・関係者に対する刑事裁判と行われることとなりました。

判決や詳しい裁判内容などは後ほど詳しくわかりやすくご紹介していきます。この裁判では問題点が特に注目される裁判・判決の内容となったのです。

薬害エイズ事件の判決は?

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薬害エイズ事件では、刑事裁判と民事裁判が開かれました。

その判決結果とはどのようなものだったのでしょうか。裁判での判決結果をわかりやすくまとめて見ていきましょう。

【1】民事裁判

中学1年で知らされたHIV感染、学校での壮絶ないじめ、被害を隠していた血友病専門医や製薬企業、国への憤りーー1400人以上が感染した薬害エイズ事件で、後藤正善さん(42)は1989年、国と製薬企業を訴える裁判の原告に加わりました。朝刊解説面「あの時 平成時代」でこの30年を振り返ってもらいました pic.twitter.com/YAmfAaFZGf

— 読売新聞 編集委員室 (@y_seniorwriters) November 21, 2018

民事裁判では、製薬会社と非加熱製剤を認知した厚生省への被害者からの損害賠償を求める民事訴訟の裁判がおこなわれました。

判決結果はすぐ出ます。この裁判では、和解が成立し被害者に対し一人4500万円のと提示されたのですが、厚生省は加害責任を否定していたのです。

ですが、薬害エイズ事件で発症してしまった被害者に毎月15万円の支払いをしていくことで、和解が成立したという判決結果になります。また、薬害エイズ事件の原因の一つでも関係のあった製薬会社の2社は、提訴されなかったようですね。

【2】刑事訴訟・帝京大学

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先ほどもご説明した、この薬害エイズ事件の被害者で死亡者をだしてしまったのが帝京大学医学部付属病院。この刑事訴訟では内科医の責任者である阿部英さんと、ミドリ十字の代表、厚生省官僚など計5人が業務用過失致死容疑で逮捕されました。

阿部英さんに関しましたは、わかりやすく言うと自分が担当してていた患者をエイズ感染させています。直接、製薬会社の非加熱溶剤を投与したことが原因で罪に問われていたということです。

薬害エイズ事件の判決結果では、わかりやすくまとめますと、阿部英さんは無罪判決。そしてミドリ十字の3人は実刑判決。厚生省の1人は有罪判決(禁錮1年・執行猶予2年)という判決が下されています。

ですが、問題点があり、阿部さんは認知症を患ったことが原因で公判の判決が下る前に亡くなってしまったそうです。

【3】刑事訴訟・ミドリ十字

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薬害エイズ事件の裁判の判決結果では、阿部さんは無罪で、ミドリ十字の3人は実刑判決でしたが、ミドリ十字の取締役に対して株主代表訴訟がおきたのです。

この判決では後に和解が成立していますが、薬害エイズ事件で阻止できなかった原因や問題点の調査を検討することになりました。

薬害エイズ事件の再犯防止対策として、今後薬害エイズ事件や被害者を出さないためにも原因や問題点をまとめた報告書などの改善策の公表も行なっていたそうです。

被害者への補償はあるの?

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では、薬害エイズ事件で死亡者ふくめかなりの被害者をだした事件でしたが、原因や問題点を考慮した上でその被害者に対しての補償はあるのでしょうか。

わかりやすく要点ごとに絞っていきます。

【1】医療費の支給

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薬害エイズ事件での被害者に対して、医療費を支給するという制度が設けられました。これは、薬害エイズ事件から独自の制度ができたというこになります。

わかりやすく説明しますと、被害者に対し治療は一般的な保険治療でおこなわれますが、医療費の自己負担を軽減するというものです。主に、「長期高額特定疾病」「先天性凝固因子障害治療研究所事業」などの医療書を適用できるようになりました。

そのことで、薬害エイズ事件から、エイズに関する治療が月1万円の自己負担で済むように保障されることになりました。残りは保険給付という形で全て賄うということになったのです。

【2】障害年金の支給

薬害エイズ事件から、障害年金制度といって国から支給される制度も決定しました。この薬害エイズ事件を機に、一定以上の障害が続くと見込まれる被害者など含め、高齢者に限らずどなたでも受け取れるという制度です。

このような仕組みにすることで、被害者への負担を減らすことができます。また、公的年金制度には、必ず障害年金があるそうですね。

【3】遺族年金の支給

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薬害エイズ事件が原因により、新たに遺族年金という補償も支給されます。

わかりやく遺族年金についてご説明しますと、遺族年金というのは生計維持者が副作用や、今回の薬害エイズ事件のようにエイズに感染するなどで死亡した場合に支給される制度です。

薬害エイズ事件では、阿部英さん含め5人が問題点として訴訟とされましたが、実際に被害者が死亡しているので、この遺族年金制度が補償されます。また、その薬害エイズ事件が原因で亡くなったことで生活の立て直しを目的として用いいられる制度となっています。

製薬会社の問題点は?【薬害エイズ事件】

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薬害エイズ事件での製薬会社の問題点はなんだったのでしょうか。

ここでは、薬害エイズ事件で問題点としてあげられていた内容を、わかりやすくご紹介していきます。

【1】事前に防ぐことができた

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薬害エイズ事件というのも、元々は製薬会社がきちんと指摘していれば防ぐことができたのが大きな原因であり、問題点だったといえます。わかりやすく言えば、エイズというのは血液を介して感染していくものです。

そして、熱に弱く血液製剤をきちんと加熱していれば薬害エイズ事件に発展することがありませんでした。結局は、加熱していなかったことが原因で、エイズを発症させてしまったのです。

きちんと指摘していなかったことは大きな問題点であり、製薬会社の重大な責任であったことが分かります。いかに製薬会社が、ずさんであったかということがわかった瞬間とも言えるでしょう。

【2】製薬会社の嘘

薬害エイズ事件が発生したのも、製薬会社の嘘が始まりの原因といってもよいでしょう。問題点としてあげられるのは、薬害エイズ事件が発症する前は、製薬会社が「安全」という大きな嘘をついて販売していたことです。

その製薬会社の嘘で販売を続けていたことに対し、厚生省も非加熱血液製剤の販売中止や回収をすることがありませんでした。この対応や製薬会社の判断により、薬害エイズ事件が起きてしまった原因と問題点としてあげられています。

薬害エイズ事件では、製薬会社と厚生省が最後まで使い続けたことで多くの被害者を生んだわけですから、わかりやすくまとめればこの問題点にはかなりの責任が課せられます。

【3】利益を優先

薬害エイズ事件では、特に問題点としてあげられるのは、製薬会社の利益を優先していた事実です。実際に、製薬会社は薬害エイズ事件が発症するまで、厚生省に大きな影響を持っている専門医などに莫大な資金提供をしていたことも発覚していたのです。

そのことで結局は、非加熱血液溶剤を販売や製造などを認め続けて薬害エイズ事件に至ったということになります。主な原因としては、国民の命よりもこの製薬会社の利益を優先していたというとんでもない事実が問題視されていました。

薬害エイズ事件への菅元首相の対応

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薬害エイズ事件での菅元首相の対応は、ひどいものでした。

では、どのような対応をしていたのか、わかりやすくまとめてみました。

【1】調査班を設置

薬害エイズ事件がおきてから、菅元首相は当時調査班を設置しています。この薬害エイズ事件での様々な情報を調査し、すべての内容を報告させるように命じていたのです。

そして、厚生省に非加熱血液溶剤が危険である認識はあったことを、原告団に深く謝罪しています。というのも、倉庫に軍司ファイルというものが隠されていたと発表し、そこに危険であることが認識されていたというものでした。

一見、納得のいく謝罪にも見えますが、実際のところはどうだったのでしょうか。

【2】ファイルの真相

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先ほど、薬害エイズ事件に関わる「ファイルが隠されていた」ということで謝罪したことを説明しました。しかし、ここで大きな疑問が浮上してきたのが、「本当に隠されていたのか」ということです。

実は、薬害エイズ事件に関して調査班を設置していますが、その報告が届く前にこの謝罪をしていたのが後でわかってきます。わかりやすく言うと、そのファイルは隠されていたのではなく、菅元首相のいいかげんなでっちあげと言われているのです。

何しろ、菅元首相は当時、「普段使わないものは倉庫に入れろ」「机に物を置くな」という指示を出していたそうです。ですが、その中には重要なメモや新聞記事などが多く、実際にそのファイルは重要なものではなかったとされています。

実際に、個人の意見として「非加熱血液溶剤を使用しないように」というようなメモもあったそうですが、何しろエイズについて明らかになっていなかったため議論したことは無かったようですね。

【3】パフォーマンス

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結局ファイルの公開が明らかになってからは、菅元首相は被害者や患者に国の責任で有ることを認め謝罪をしています。

この後に阿部さんは逮捕されました。しかし、実際は阿部さんもエイズに関して危険度をきちんと認知できておらず、阿部さんはむしろ治療のために懸命に努力をしていたそうです。

なぜ、阿部さんが悪徳な医師という認識にいたったのでしょうか。それは、この菅元首相がでてきてからマスコミが「薬害エイズ事件の根源は医師の阿部さんだ」という事実と曲げられたことを取り上げたことで、薬害エイズ事件の問題点がねじ曲げられてしまったからです。

この菅元首相の行動や言動による、ファイルに関しての嘘だったり対応のせいでこじれていったのにも関わらず、未だに薬害エイズ事件が自分の功績だと認識しているそうです。

なぜ私がエイズに【薬害エイズ事件】

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いかがでしたでしょうか。

今回は薬害エイズ事件についてわかりやすく要点を絞りながらまとめてご紹介しました。この薬害エイズ事件は、死者えお出すなど大勢の国民の命を犠牲にした大きな責任が問われる事件となりました。

また、だた薬害エイズ事件として問題となっただけではなく、裏には製薬会社や厚生省の無責任な対応や行動、そして無罪判決になったものの途中で亡くなってしまった阿部さんの一見についても明らかになりました。

阿部さんに関しましては、菅元首相のパフォーマンスで一番の薬害エイズ事件の問題点から外れて、国民に誤った真実が認識されていたこともわかります。エイズは長い時間をかけて、命と戦って行かなければなりません。

すでに被害者の方には、取り返しのつかいないものとなっています。今後の対応も含め、少しでも被害者の方が救われる国の制度が必要でしょう。被害者を増やさないためにも、被害者が少しでも救われるような国のあり方を期待したいものです。