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漠然と「スラム街」という言葉を理解していても、実際にスラム街の生活まで足を延ばす外国旅行者はわずかでしょう。
そのため、スラム街ではないのに文化や習慣が地元住民と異なることからスラム街とされた例がアメリカ合衆国内に存在。
売春や仕事にあぶれた人たちが集まる印象を受けるスラム街ですが、スラム街発生の要因が政府にあるケースも。スラム街の特徴を踏まえつつ、絶対に行ってはいけない世界のスラム街の実態を見ていきましょう。
スラム街の特徴は?
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ドラッグ取引の温床になっているとか、売春が行われている印象を受けるスラム街の生活。
その背景には何が隠れているのでしょうか。
【1】どうしてスラム街が出来上がるの?
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絶対に行ってはいけないスラム街の発生には「大都市」が関係しています。例えば、こういったケースが考えられます。「富」を求めて、地方から進出してきた労働者が仕事を探すものの一向に見つかりません。
都市部での仕事のニーズと地方での仕事のニーズが異なるからです。一般に都市部ではサービス業(売春含む)が盛んです。そして、都市部では肉体労働より頭脳労働の方が需要が高まる傾向にあります。しかし、毎日畑を耕していたような農家にサービス業や頭脳労働は不向きです。
すると、就職そのものが困難になります。そうした状況にある人同士は仲間意識が生まれますから、同じ場所(スラム街)に住むようになります。その方が就職に関する情報(売春含む)を得やすいからです。
たまたま近くにゴミ集積所があれば、ゴミの中からペットボトルやお金になりそうなものを転売して稼ぐことも可能です。売春だけではありません。
ただ、それだけでは一般的なアパートは借りられませんから、ほぼ家賃がゼロのような場所、つまりスラム街を探すのです。ドラッグの取引のためではありません。例えば、資金難で建設が中断した高層ビルや誰の管理下にもない空き地(スラム街)です。
家賃がゼロなら、食費を稼ぐだけで済むので気が楽です。
そうして、似た境遇の人々が集まり、そこにスラム街が形成されていくのです。
【2】原因は?
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英国が統治していた時代、香港では大量の移民が流入してきました。
もちろん職を求めての行動です。当時のイギリス政府が業を煮やし、移民のために高層ビル(スラム街)をバンバン建設。そこに移民を住まわせますが、中にはイギリスの管理下になかったビル群(スラム街)もありました。
それが「九龍城砦」です。実はイギリスが租借した香港の中に、外国の中華人民共和国所有の土地が残っていたのです。そのため、イギリス側は撤去することもできず、「無法地帯(ドラッグ含む)」と化しました。すでに数多の移民が九龍城砦に住み、スラム街化していたのですが、ドラッグ取引や売春があっても英国政府は手が出せない状態にあったのです。
外国の中国側が撤去してもいいのでしょうが、すでに人が住んでいるので、退去させる手間が発生します。また、スラム街の人たちはどこへ移住、売春すればいいのでしょうか。こうしたやり取りを政府が行っているうちにスラム街の住民は手に職をつけ、絶対に行ってはいけないスラム街で生活の基盤を作っていきます。
スラム街周辺は金融都市・香港なので、政府によって強制移動させられるとせっかく見つけた職(売春)の道を失いかねません。こうして、スラム街は残っていくのです。
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実はコロンビアにスラム街から安全な街へと変貌を遂げた地域があります。
それが「メデジン」です。ただの汚れた壁に美しいアートを描いたのです。スラム街の薄汚れた壁では、気にも留めませんが、美しい絵画があると生活する住民の心も和んでいきます。
そうした行動のきっかけはコロンビア政府がスラム街にエスカレーターを造り、住民の快適性を上げたのです。アートの力によってスラム街での犯罪(ドラッグ、売春含む)も減り、町は徐々に平和を取り戻していきました。ところが、成功例はメデジンぐらいで他の絶対に行ってはいけないスラム街は未解決のまま。
現地の政府に資金がない場合もありますが、外国のスラム街で牛耳を執っている裏社会(ドラッグの取引)に手が出せないパターンもあります。こうして、大都市とスラム街は、切っても切れない仲となっていくのです。
スラム街30選①【中南米編】
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大麻(ドラッグ)の栽培で生計を立てる農家がいるコロンビアなどの中南米は、スラム街の形成されやすい土壌が整っています。
ギャングの力が強すぎて警察が介入できないスラム街もあり、一部の警官は絶対に行ってはいけないスラム街を仕切るギャングと組んでいます。警官が押収したドラッグを売っていることもあります。
警察の恰好をしていても中南米では信じないようにしましょう。まずは中南米のスラム街から紹介していきます。
【1】コロンビア共和国「メデジンのコムナ13」
コロンビア第2の都市、メデジン。そこはかつて麻薬カルテル(ドラッグ)が跋扈し、スラム街がドラッグ取引や売春の温床となっていました。しかし、麻薬カルテル解体後にコロンビア政府が重い腰を上げます。坂の多いコムナ13にエスカレーターを設置。
住民の快適度をアップさせました。すると、外国のスラム街の住民が壁にアートを描き始めます。アートの素晴らしさが話題に上り、外から見物客が来るほどになりました。彼らをターゲットにしてダンスを披露をするスラム街の人も出て、テレビにも出演。
上記のインスタグラムは、そんな「Black and White C13」の映像です。世界で唯一無二、観光を資源にしたスラム街と言えるでしょう。
【2】プエルトリコ自治連邦区「ラべルラ」
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アメリカ合衆国で取引が難しいドラッグの取引もプエルトリコのラベルラのスラム街なら可能です。そこに目をつけたマフィアがスラム街のラベルラを支配(売春やドラッグの取引のため)、警察も彼らを恐れて入って来ないほど。
一方でマフィアによって絶対に行ってはいけない外国のスラム街の治安が保たれているとも言え、下手に警察が介入すると銃撃戦となり、流れ弾によってたまたまそばにいたスラム街の住民が死亡するケースもあります。
このスラム街形成の背景にはプエルトリコの高い失業率があり、スラム街のほとんどの人は政府の生活保護に頼っています。生活保護によって税金のように定期的に収入が入ってくるわけですから、スラム街の住民は生活するために働こうとはしません。そうして、ラベルラのスラム街は回っているのです。
【3】メキシコ合衆国「ティファナ」
アメリカ合衆国とメキシコ合衆国との国境の町です。
アメリカへ逃亡して職を得ようと無職の人たちが絶対に行ってはいけないスラム街に集まります。2017年はメキシコで殺人事件が最も発生したスラム街。麻薬組織(ドラッグ)があるため、売春やドラッグ取引に伴うトラブルで事件が起きているようです。
アメリカ側から入る場合はイージーですが、メキシコ側からアメリカへ行く場合は警備が厳重です。おそらく、生活のためにティファナのスラム街でドラッグを手にして、外国のアメリカでドラッグ(売春含む)を売りさばく仲介人がいるのでしょう。
【4】ブラジル連邦共和国「リオデジャネイロのホシーニャ」
ブラジルでスラム街を意味する「ファベーラ」。中でも危険なスラム街がホシーニャです。
オリンピックの開かれたリオデジャネイロにある絶対に行ってはいけない外国のスラム街の数は千をゆうに越え、スラム街ごとに危険レベルが違うとのことです。
理由はギャングの縄張り争い。抗争が日常茶飯事のスラム街もあれば、年に1回しか銃撃戦が起きないスラム街もあります。偶然、その時にスラム街の外に出ていれば、命を落とす危険もあります。ただし、もっと危険な行為は売春やドラッグ取引ではなく、スラム街を盗み撮りして逃げること。
ギャングの写真は新聞社に高く売れるそうで、それを狙ったカメラマンかとギャングが勘違いするのです。しかしながら、ギャングに捕まっても面と向かってポルトガル語で話して、詳しく理由を説明すればカメラも返してくれます。
言葉を学ぶとこうした緊急事態にも対処できるのです。どうしてもホシーニャのスラム街に行きたい場合はポルトガル語をマスターしましょう!
【5】ハイチ共和国「シテソレイユ市のボストン地区・ブルックリン地区」
国民の半数が貧困状態にある外国のハイチ。
街のあらゆる場所で絶対に行ってはいけないスラム街ができ、凶悪犯罪や売春、ドラッグ取引も多いスラム街が形成されています。シテソレイユ市でもボストン地区とブルックリン地区はハイチ最大のスラム街と言われ、ギャングの抗争によるドンパチやドラッグ、生活のための犯罪も増える傾向に。
観光で訪れる場合は、こうしたスラム街を避けて通りましょう。
【6】ベネズエラ・ボリバル共和国「カラカス郊外のバリオユニオン」
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腐敗政治が横行するベネズエラでは絶対に行ってはいけない外国のスラム街の大人たちも諦めムードです。カラカスで生活する子供たちは以前より体重が増え、笑顔でスラム街を走る姿も見られるようになりました。
しかし、選挙の不正が当たり前のベネズエラでは、スラム街の住民に選挙権はあっても投票しない人がほとんど。また、選挙の票が不正に扱われると考えているからです。スラム街一帯は違法ドラッグの取引や売春が多く、両親が犯罪に手を染めたことで刑務所送りになり、天蓋孤独になった子供もいます。
ベネズエラのスラム街の抱える問題は子供たちにも影響を与えているのです。
【7】ドミニカ共和国「サントドミンゴのオサマ川周辺」
世界最大の船上書店 ロゴス・ホープ号がドミニカ共和国に10年ぶりに来航!9月26日までドミニカ共和国のオサマ川に停泊しているので、ソナコロニアルを訪れる際、機会がありましたら是非行ってみて下さい。 pic.twitter.com/bi7pGQtVGw
— Viento del Caribe (@viento_caribe) September 11, 2017
サントドミンゴでも裕福な中部エリアと違い、オサマ川両岸は絶対に行ってはいけない外国のスラム街がたくさん形成されています。大都市に近いため、便利でありながら地価が低いためスラム街ができやすいのです(生活しやすい)。
おそらくオサマ川周辺がハリケーンの被害を受けやすいためでしょう。
【8】エルサルバドル共和国「サンサルバドル郊外のソヤパンゴ」
引用: Pixabay
エルサルバドルの児童の6人に1人が鉄くずを売ったり、ペットボトルを売ったりして生活をしています。
親がいないケースや親の収入だけでは絶対に行ってはいけない外国のスラム街で暮らしていけないからです。自然と売春やドラッグに手を出す可能性も高まります。
そうした環境のためスラム街でも犯罪が発生しやすい傾向にあります。
【9】グアテマラ共和国「ベルベーナ」
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かつて外国人の農場だった場所、ベルベーナ。そこにスラム街が形成されています。トタンの屋根のスラム街が目立ち、決して裕福な生活をしているわけではありませんが、子供たちは笑顔です。
貧しいが故に絶対に行ってはいけない外国のスラム街の住民が売春に手を染めるケースもあります。
【10】ホンジュラス共和国「サンペドロスラ」
リアル北斗の拳!ホンジュラスの無法地帯ぶりがヤバい!最悪の犯罪都市サンペドロスラの治安 https://t.co/RcVVSXhTjL pic.twitter.com/veImfepEiy
— 驚愕事件ニュース (@jikentankyu) May 9, 2016
2013年には年間1,000件を超える殺人事件が発生した外国のサンペドロスラ。絶対に行ってはいけないスラム街も点在し、銃やドラッグがすぐに手に入る生活です。強盗は大半が銃を所持しているため、スラム街に限らず銃で撃たれるケースが多々あります。
間違ってホンジュラスに行ってしまっても、強盗には逆らわず金品を渡して命を助けてもらいましょう。ドラッグはもう一度、購入すれば手に入りますが、命を買うことはできないのですから…。
スラム街30選②【中東・アフリカ編】
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危ないイメージの強い中東やアフリカにもスラム街は存在します。
ただし、スラム街があるのはやや景気の良い国。戦争状態であれば、スラム街の生活すら成り立ちません。そういった点が中東・アフリカのスラム街の特色です。
【11】ケニア共和国「ナイロビのキベラ」
アフリカでも最大の規模を誇る絶対に行ってはいけないスラム街。外国のキベラはそんな巨大スラム街です。スラム街の知名度が高いだけに、スラム街が田舎から生活のために出稼ぎに来る人の拠り所となり、縁の下でナイロビの経済発展を支えています。
スラム街の人たちはお店を開き、自分で事業を展開。スラム街で暮らしながら日銭を得ているのです。しかし、2017年から強制的にキベラスラム街の撤去がスタート。暴動は起きずにスラム街の住民は「ついに来たか」という感慨深い様子でスラム街の撤去を見守っていたとのことです。
理由はナイロビが発展するのは良いことで、キベラのスラム街も将来的には撤去されると日頃から予想していたため。貧しいが故に売春することもありますが、冷やかし半分でスラム街を訪れるのは控えましょう。
【12】マラウイ共和国「リロングウェ」
リロングウェにはマラウイ共和国のゴミが大量に集められます。
ゴミ焼却場はないので、ただ空き地に放置するだけです。いっぱいなったら、また別の場所へ捨てに行く。その繰り返しです。そのため、外国のマラウイでは人口増加に伴うゴミ問題が発生しています。
そのままゴミを捨てているので、絶対に行ってはいけないスラム街の住民はペットボトルやプラスチック、ビニール袋を集めて生活します。それを収集するためにスラム街に人が集まり、わずかなお金で小屋を建ててスラム街が完成しました。
ゴミ捨て場にはハエが多く、衛生状態もかなり悪いです。売春などの犯罪は少ないですが、感染症の恐れがあります。外国人が容易に近づくと体調を壊すでしょう。
【13】モロッコ王国「カサブランカ」
RUさん(@sekai.ru)がシェアした投稿 – 2019年 7月月1日午前6時41分PDT
モロッコの半分のスラム街があると言われる外国のカサブランカ。
特にラシッド地区とアルマシラは、モロッコでも規模の大きいスラム街です。アルカイーダのネットワークの一部で、2003年のカサブランカでの自爆テロの犯人もこのアルマシラスラム街の出身でした。
もともとスラム街周辺には仕事のない若者が溢れ、その原因がモロッコ政府にもありました。そうした不満を抱いた青年はアルカイーダの採用担当に声を掛けられやすく、自爆テロを引き起こす原因にもなっています。
モロッコ政府はスラム街の住民のために大きなアパートを建設しましたが、一般の人とのコネクションが皆無でした。最初はバス停もなく、完全に一般社会とは隔絶されていたのです。そうなると生活するために仕事を探すのも困難を極めます。
やがて、職のない若者はアルカイーダの一員となり、不満を政府の施設へとぶつけるという構図です。モロッコの場合は、絶対に行ってはいけないスラム街そのものが危険というよりもスラム街の対策が後手に回ったことでテロが発生しやすい国。
テロの可能性が高いという点では、スラム街よりカサブランカの繁華街の方が危険でしょう。
【14】エジプト「カイロのマンシェイヤ・ナセル地区」
ちゃんくみさん(@chankumi731)がシェアした投稿 – 2019年 9月月15日午前6時12分PDT
エジプト最大のスラム街。
外国のカイロの東に位置し、近くにゴミ捨て場があることから人々が絶対に行ってはいけないスラム街を形成しました。スラム街の人たちの手によって、ゴミは金属やプラスチック、生ごみに分別されます。
もともとゴミですから、元手はゼロです。その仕分けしたゴミを売って(売春含む)、スラム街の住民は生活しています。ところが、政府がゴミ事業を中国に売却。街はゴミだらけになり、スラム街の住民は生活の糧を失いました。
一方でスラム街の犯罪はやや少ない傾向。「ハンガラニーヤ」と呼ばれる強盗集団がISを排除しているからとのことです。テロも少なく、スラム街の住民はハンガラニーヤに好意的です。エジプトではスラム街よりISのテロの方が危険なのです。
【15】コンゴ民主共和国「キンシャサ」
第二次コンゴ内戦後、外国のキンシャサのスラム街でギャングが跳梁跋扈。
殺人事件率が高まり、凶悪犯罪が増加しますした。内戦や貧しさが原因で、絶対に行ってはいけないスラム街が出来上がります。売春やストリートチルドレンによってスラム街の治安が悪化しているのです。
【16】南アフリカ共和国「ケープタウンのランガ」
南アフリカ・ケープタウン中心部から車で10分ほど離れたところにあるタウンシップ。観光ツアー化されているので誰でもはいれるけれど、一部写真撮影NGの場所もありました。 pic.twitter.com/ieZc3y7Q2e
— きたむ@南アフリカ🇿🇦 (@wakajps) April 12, 2018
サッカーのワールドカップが開催された外国の南アフリカにもスラム街は存在。
繁栄の影にスラム街ありです。しかし、ケープタウンのランガは趣が他のアフリカ諸国と異なります。アパルトヘイトによって黒人が今まで住んでいた場所からランガに強制移住させられたのです。
1923年のことでした。簡素なアパートや高級なアパートもあるランガ地区。同じスラム街でもランク分けがあるのです。人や店によっては写真撮影を拒絶される絶対に行ってはいけないスラム街。
売春も少なく、それほどスラム街の治安は悪くありませんが、衛生面に不安が残ります。
【17】ナイジェリア連邦共和国「ラゴスのマココ」
10万人が住むと言われるスラム街。外国のラゴスにあるマココのスラム街は「水上のスラム街」として知れ渡っています。周辺は洪水が多く、たびたび住宅が浸水するエリア。絶対に行ってはいけない水上スラム街の暮らしは大変です。
ナイジェリアでは貧富の差がどんどん広がってきており、都市部ではヨーロッパと似たような光景も。その陰にあるのがスラム街。貧困によって売春など生活のための犯罪が少なからず発生しています。
そんな中、水害に強い学校を作ろうとオランダの建築会社が水に浮く「水上学校」を建設。マココスラム街の識字率が高まれば、将来はナイジェリアを背負う政治家がスラム街から誕生するかもしれません。
【18】イエメン「ホデイダ」
Le Mondeさん(@lemondefr)がシェアした投稿 – 2018年10月月25日午前7時15分PDT
イスラム教ザイド派の反政府勢力であるホーシー派とイエメン政府との武力衝突が頻発するスラム街。
スラム街に逃げた敵を掃討するために空爆をすることもあります。スラム街自体が危険なのではなく、武力衝突のとばっちりを受けるという点で危険な絶対に行ってはいけないスラム街です。
ホデイダはイエメンの港町で国家そのものが貧しい状態に置かれています。そのため、ホーシー派との戦闘には外国のサジアラビアとアラブ首長国連邦が一枚噛んでいるのです。スラム街ではなく、イエメン自体が危険な状態にあると言えるでしょう。
【19】イラク「バグダッドのサドルシティー」
戦乱の影響かゴミ捨て場にある段ボールを売るために回収している少女がいるスラム街です。
ゴミ捨て場にはお金に換えられるものもありスラム街が形成されやすいのが特徴。生活のための売春などの犯罪に巻き込まれる可能性より衛生面で近づかない方がいいかもしれません。
政情が安定すれば、衛生面も改善されていくことでしょう。
【20】レバノン「ベイルートのダーヒヤ」
yminemさん(@yminem)がシェアした投稿 – 2019年 9月月6日午後11時09分PDT
ヒズボラの本部がある外国のダーヒヤ。アサド政権と親密でISと敵対している勢力です。
ダーヒヤという町は高級住宅地もスラム街もあるエリア。ダーヒヤには典型的な絶対に行ってはいけないスラム街の形成条件が備わっています。ISのテロを憎んだスラム街出身の青年が対ISとの戦闘で命を落とすことも。
ISの勢力が盛んだった頃はヒズボラの本部があることから、テロの標的となることが多かったスラム街。ISは壊滅しましたが、残存勢力もあるので油断はしない方がいいでしょう。
スラム街30選③【アジア編】
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スラム街というと日本で生活している人は遠くの国の言葉のように聞こえます。
しかし、アジアにもスラム街は存在(売春含む)。近年、経済発展の著しい東南アジアや南アジアにスラム街が多く作られています。
【21】フィリピン共和国「マニラ近郊のケソン市」
ゴーゴーケンゴさん(@gogo_kengo)がシェアした投稿 – 2016年 8月月7日午後9時02分PDT
1980年から拡大を続ける外国のケソンのスラム街。大都市マニラに近いことから地方出身者が多く住んでいる絶対に行ってはいけないスラム街です。雨漏りが多く、上下水道も整備されていないことから、衛生面で危険なスラム街。
政府は住民全てが入居・生活できる集合住宅を建設予定で、これが完成すればスラム街の衛生面での問題は解決されるでしょう。
【22】インド「ムンバイのダラビ」
映画「スラムドッグ$ミリオネア」に取り上げられた外国のスラム街。
ムンバイの経済中心部に近い絶対に行ってはいけないスラム街、アラブの王室関係者が再開発の権利を取得しました。ドバイやシンガポール並みの高層ビルやショッピングセンターと建設するとして話題に上っているスラム街です。
100年以上に渡ってダラビで経済活動してきたスラム街の住民は再開発に対して動揺しています。実はこのダラビ、スラム街とは言え年間で数十億ドルの取引(売春含む)が行われているのです。スラム街の住民は無料で住居が提供される予定ですが、新たなビルが建設されると仕事(生活)を失ってしまう可能性があります。
今後の行方が注目されるスラム街と言えるでしょう。
【23】香港特別行政区「九龍城砦」
Yoshiさん(@44ak1)がシェアした投稿 – 2019年 1月月5日午後8時44分PST
かつて存在した12階建てのスラム街。
その異様な光景から地元の人は近づかなかったとのことです。現在は取り壊されて公園に変わっていますが、外国のムンバイのダラビと同じく絶対に行ってはいけないスラム街の中では秩序があり、皆が職を持っていました。
生活する上で売春や違法な取引もありましたが、よほどの重大犯罪でない限り警察は介入しませんでした。建物は1994年に全て取り壊され、九龍城砦(きゅうりゅうじょうさい)は「九龍寨城公園」へと変貌を遂げたのです。
【24】パキスタンイスラム共和国「カラチ」
長年、インフラ整備が放置されてきた結果、外国のカラチにスラム街ができました。
2019年9月にはハエが大量に発生し、カラチの市場は売れ行きが低下。絶対に行ってはいけないスラム街の子供も大量のハエに眉をひそめるほどでした。カラチのスラム街は衛生面とインフラが問題で、豪雨によって水浸しになったのがハエの大量発生の原因。
排水溝に生活ゴミが詰まり、下水道が市内に溢れだしたのです。パキスタン国内で半数を超える経済規模を起こるカラチにはインフラの未整備という問題がスラム街を生みました。
【25】中華人民共和国「北京市の新建村」
2017年まで中国の出稼ぎ労働者が4万人あまり住んでいた外国のスラム街。
一見するとスラム街に見えませんが、違法建築が多く政府から立ち退きを迫られていました。中国はもともと自分の戸籍のある場所、つまり出生地から出られない制度になっており、都市部に住む人は出稼ぎで一時的に住むことが許されます。
永住権はなく、最終的には故郷に帰らなければなりません。そんな絶対に行ってはいけないスラム街で火災が発生。資格のない作業員が地下の倉庫建設に携わっていたことが判明しました。これを機に新建村に戸籍を持たない出稼ぎ労働者が全て退去を命じられます。
残ったのはもともと住んでいた数件の商店を経営するお店のみ。
出稼ぎ労働者によって形作られたスラム街でした。
【26】カンボジア王国「プノンペンのホワイトビルディング(ブディン)」
1960年代に建設された近代的なアパート。芸術家や多くのアーティストが住んでいましたが、ポルポト政権によって住民は命を奪われます。やがて、空き家となったホワイトビルディングに住居を求めて貧困層の住民が居住を始めます(絶対に行ってはいけないスラム街)。
2015年に政府が修繕のため、外国のスラム街住民の立ち退きを命じましたが、スラム街住民が拒否。2017年に補償付きでの合意が現実味を帯び、取り壊される可能性が出てきました。衛生面や治安よりも建物自体に倒壊の恐れがあるため、危険とされているスラム街です。
【27】トルコ共和国「イスタンブールのスルタンベイリ」
外国のイスタンブール郊外のスラム街。シリアからの難民も多く、トルコの貧困層が多く生活しているスラム街です。
イスタンブールでもスルタンベイリ周辺は治安が悪い絶対に行ってはいけないスラム街(売春含む)で観光でトルコを訪れても、危険なので近づかない方がいいでしょう。
【28】インドネシア共和国「ジャカルタのコタ地区」
人口2億人のインドネシアにもスラム街は形作られています。
それが外国のジャカルタのコタ地区。粗大ごみが捨てられ、治安はいいものの、衛生面で懸念されるスラム街です。なお、首都・ジャカルタは交通渋滞と地盤沈下が深刻で生活できないほど。近い将来、首都がカリマンタン島の東部に移転される予定です。
【29】タイ王国「バンコクのクロントイ」
1960年代に安価な工場労働者を求める外国のバンコクの町と干ばつによって仕事を失った地方労働者の利害が一致して形成されたスラム街。
工場の賃金は安いため、公営住宅では生活できずクロントイのスラム街に労働者は住み始めます。また、バンコクの他、チェマイやパタヤにも絶対に行ってはいけないスラム街は存在します。
【30】バングラデシュ人民共和国「ダッカのボスティ」
線路沿いのバラックで知られるスラム街。テレビや動画で見かけた読者も多いでしょう。売春などの犯罪は少ないですが、ゴミを漁って生活するスラム街の住民もいて、衛生面での危険さが伴うスラム街。
もはやダッカの線路沿いのバラック(絶対に行ってはいけないスラム街)は名物とまで言われ、その数は年々増えています。
スラム街に行かない方が良い理由は?
【1】不衛生だから
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スラム街の特徴として大都市のそばに形成されやすいというのがありますが、他にも都市のゴミ集積所に絶対に行ってはいけないスラム街が出来上がることもあります。世界には日本のようにしっかりとゴミ収集車が家の近くまでやって来て、きちんと火曜日に燃やせるゴミを回収してくれるシステムがない都市も存在。
仮に回収に来ても一切分別されずにただ山積みにするだけという国もあるのです。するとゴミの中には貴重な資源(ペットボトルやビニール袋)も混ざることになります。そうなると一定の量を集めて売れば、お金にもなります。東京オリンピックのメダルが回収された携帯電話から作られたように…。
そうしたゴミを分別し、価値のあるものを売ることで生活しているスラム街では衛生状態が著しく悪化します。そこで暮らしたことのない日本人がスラム街を訪れれば、免疫がないので体調を崩します。例え、犯罪が少ないスラム街でも入ってはいけない理由がそこにあります。
また、アフリカは蚊が病原体を媒介することもあり、スラム街でなくても注意が必要です。
【2】銃撃戦に巻き込まれる可能性があるから
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スラム街は無法地帯のように見えますが、スラム街にはスラム街の不文律があります。いわゆる暗黙の了解です。例えば、スラム街の住民同士で盗みを働くことはありません。スラム街の住民が盗むのは、都市部のお金のある人からです。
また、自分がスラム街に住んでいる場合、同じスラム街の人から物を盗むと将来的に暮らしにくくなるという理由もあります。これは普通の犯罪者が地元では犯罪を犯さないのに出張先や見知らぬ土地で犯罪を犯す心理と酷似しています。
もし、自分の顔を知っている地元で罪を犯せば、家族にも知られ悪評が立ちます。そうすると自分も暮らしにくくなります。次にスラム街によっては、ギャングがドラッグ取引の隠れ家にしている場合があり、その代わりに治安も守ってくれているケースが多々あります。
ギャングによって、チンピラもスラム街に入ってきませんし、ドラッグ取引を黙認すればスラム街にずっといられるので持ちつ持たれつの関係がキープできているのです。しかし、ギャングですから、たまに敵対するギャングが縄張りを荒らしたりします。ドラッグの取引で手違いが発生し銃撃戦に発展するかもしれません。
そうした事態にたまたま居合わせてしまうと流れ弾によって命を落とすことがあります。もちろんスラム街の住民が巻き込まれることもあります。
【3】自己責任の社会だから
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日本では危ない場所は入らないように柵がしてあったり、崖崩れなどで道路が通れない場合は地元警察が警備をしています。
しかし、海外ではどこへ行くのも自分で安全かどうかを確かめるという義務があり、柵がなかったり、警察もドラッグや売春でギャングと癒着していたりするのです。
当然、すんなりとスラム街やドラッグ取引、売春の現場へも入れたりもします。しかし、そこで事件が起きても自分の足で自ら入ったのだから、他の人は責任を負わないというのが常識となっています。もちろん、事前に情報を得ることはできます。長くその国に住んでいる邦人から「あのスラム街は行かない方がいい」、「あそこのスラム街のギャングが銃撃戦をした」といった情報は入ってきます。
しかし、たまたま旅行で海外のスラム街へ行った人は、そういう情報(売春含む)が分かりません。その国に詳しい友人や外務省のホームページで調べるくらいです。それらの情報はリアルタイムではないケースもあり、スラム街では事件に絶対巻き込まれないという確証はありません。
「君子危うきに近寄らず」で利口な旅行者はスラム街には近づかないでしょう。
スラム街にもし行くことがあれば気をつけよう!。
引用: Pixabay
中南米、アジア、アフリカ、中東のスラム街を紹介してきました。
もちろん、他の国にもスラム街は生まれています。繁栄の影には往々にしてスラム街があります。都市部ではお金が稼ぎやすいからです(売春含む)。また、政策がうまくいっていないことでスラム街が生まれるケースも。
例えば、コロンビアはアメリカから安い農作物を輸入したせいで、自国の作物が売れなくなり、やむなく農民が大麻(ドラッグ)の栽培を始めるということも起きています。それを消費するのが、安い農作物を輸出したアメリカです。しかし、ドラッグ取引の多くはスラム街などが隠れ蓑にされることも多く、スラム街は危険で溢れています。
アフリカや中東は内乱の影響でスラム街が生まれるケースがあります。政府に資金がなく、そこまで手が行き届かないのです。アジアの場合は出稼ぎ労働者が一般のアパートの家賃を払えずにスラム街に居住するケースが多いようです。そのため、売春などの犯罪は少ないですが、不衛生なスラム街がたくさんあります。
国家によってスラム街の特徴は様々ですが、皆スラム街に住みたくて住んでいるのではありません。そうした点を念頭に置いて海外旅行を楽しむと事件に巻き込まれるケースも減っていくでしょう。特に日本と国交の薄い国は観光にもビザが必要です。そうした国へ渡航する場合は、売春情報も含め必ず外務省のホームページで海外危険情報を確認しておきましょう。